日本からスイスのチューリッヒにやってきました。
一日目は、空港内で僕の研究パートナーのヴォルペルト氏と少し会いました。
日本に住む僕とハンブルクに住む彼女がなぜかスイスのチューリッヒ空港で会う、という…
世界は狭いね、と。。。
スイスに着いたのが5時頃で、一日目はラーメンを食べて、すぐに寝ました。
大変だったのは、真夜中。突然、足がつってしまい、絶叫したくなるほどの痛さでした。
ホテルの環境に体が慣れなかったみたいで…。
で、…
二日目です。
二日目は、チューリッヒから特急で30分(普通列車で1時間)のところにある「Olten(オルテン)」へ。
地球の歩き方にも出てこない人口5万人の中都市です。
チューリッヒとベルンとバーゼルを結ぶ中継地点。
そこに向かいます。
チューリッヒ中央駅です。
世界中から人々が集まるスイスの大都市です。
この駅はそれこそ、20年前に僕がドイツに留学していた時から時折来ている駅で、愛着があります。
2012年には、学生たちを連れてやってきたりもしました。
そして、、、、喫煙所がいっぱい(苦笑)
駅の構内でも、至るところに、タバコが吸えるコーナーがあります。
日本のタバコ規制は世界でも遅れているというニュースが流れてますけど、、、
チューリッヒでは、町中はもちろん、駅の構内(ただし地下とかはNG)でもたくさん吸えます。
駅構内は全面禁煙の日本とは、全然違うなぁ、と。
まぁ、日本は、色んな秘められたプロパガンダに溢れてるってことだろうな。
(ただし、タバコ代は鬼のように高い…)
駅中に「のみの市」ができていました。
これが、面白かった。日本でいう屋台村、みたいな。
隣国各地のフードコートがあって、イタリアフードの屋台とか、ハンガリー料理の屋台とか…
僕は、ここで、スイスの「チーズ入りパン」(チーズバーガー)を買いました。
物価が高いので、チーズ入りパンで500円でした、、、
電車の中で食べました。
そして、、、
30分で、オルテン駅に到着!
こちらが、オルテン駅です。
ここから、赤ちゃんポストのある「オルテン州立病院」を目指します。
歩いて、10分くらいのところにあります。
駅の構内に、こんな展示?宣伝?がありました。
どうやら、こっちのおもちゃ屋さんの展示らしいです(ここでは売ってませんでした)。
ジャパンカルチャー満載!です。
が、多分、こっちの人は、これらが日本の文化だとは思ってないんでしょうね。
普通に当たり前にあるもの、というか、、、
日本では、「世界に誇るジャパンカルチャー」って意気込んでいますけど、、、
でも、実際は、「身近にあるおもちゃ・遊具・玩具・ゲーム」なんだろうな。
しかも、スイスですから、そこまで「国」にこだわっているわけでもなさそう。
でも、それこそが、本当の「グローバルカルチャー」なんだろうな。。。
オルテン駅の目の前を流れる川。
素敵です。アルプスのスイス、素敵な川や湖がいっぱい。
しかも、景観を重視しているので、本当に綺麗。
しばらく歩くと、見えてきました。
オルテン州立病院。
静かな住宅街の一角にありました。
かなり広い敷地っぽいです。
こちらが、病院の入口。
しかし、目の前には、未来のある若者たちでいっぱい。
若い男女が楽しそうに木陰で、おしゃべりをしています。
はと気づきました。「あ、ここ、学校も一緒にあるんだ!」って。
看護学校かなんかだな、と。。
木陰に人が集まっているのが分かります?!
若者たちが、楽しそうにお昼休み?を楽しんでいるようでした。
8月なのに、学校に来てるんだ!?…
やっぱり学校…、というか大学でした。
看護系の専門大学で、4年制の大学でした。
3年間勉強して、最後の1年は実習がほとんどらしいです。
でも、基本的には、勉強→実習→勉強→実習ときて、最後に「研修」として半年間ですって。
病院内ですから、基本的には看護らしいんですが、病児保育なんかもやっているみたいです。
そして、こちらが、オルテン州立病院のメインエントランス。
なかなか凄い建物ですね、、、(・_・;)
Kantonsspital=州立病院、って書いてあります。
なお、このエントランス前にも喫煙所があって、普通にタバコを吸っていました。
病院内全面禁煙というのも、考えたら、日本(やその親分のアメリカも?)ならではなのかな?
僕が行く国々は、大学も病院も駅も広場も、どこもタバコが吸えるんだよなぁ…
「全面禁煙」自体が、もしかしてとっても「日本的」なのかも…(分からないけど…)
エントランスで、SHMKの創設者ミュグラーさんと会い、さらに色んな人に会い…
この病院の院長のシュヴァラー先生とご対面。。。
なお、この部屋の中のことは「密室対談」ということで、、、(苦笑)
この病院の概要や赤ちゃんポスト設置に至る経緯を聞かせてもらいました。
シュヴァラー先生は、「赤ちゃんポストは絶対に必要だ」と熱く語っていました。
そのあと、看護部長のカウフマンさんと赤ちゃんポストを見に行きました。
こんな場所に、赤ちゃんポストが設置されていました。
かなりオープンな作りだな、、、(・_・;)
こちらの赤ちゃんポストは、スイスで三番目となる赤ちゃんポストです。
なお、この画像の反対側には大きなパーキングがあって、車でさっと来られる感じでした。
カメラ等は設置されておらず、ちゃんと「匿名性」は守られていました。
これまでに、3人の赤ちゃんがここに預け入れられたそうです。
扉(Fenster)を開けると、こんな感じになっていました。
とてもシンプルな感じですが、赤ちゃんポスト自体は、60,000フランくらいですって。
カウフマンさんが週に一回、この赤ちゃんポストの管理を行っているそうです。
(ちゃんと扉が開くか、アラームは鳴るか、ベッドはきれいか等々)
お母さんへの手紙は、ちゃんとありましたが、もう一つ「封筒」がありました。
この封筒は、「お母さん用」でした。
自宅出産を想定しているので、出産を終えた女性がどういうケアをしたらいいかが記されています。
母乳は出るわけで、どうしたらいいか、とか、どんなことに気を付けたらいいか、とか。
こういう「出産を終えた女性」へのケアを考慮したものって、他ではなかったかな…。
でも、これも大事だよな、、、と。
赤ちゃんポストの裏側はこうなっています。
ここの赤ちゃんポストには、赤ちゃんの方にもカメラは向けられていませんでした。
看護師や医師が直接確認するそうです。
もちろん「死んだ赤ちゃん」も想定はしていて、その時は警察に通報するそうです。
まだ、死んだ赤ちゃんは預け入れられていないみたいですが、、、
なお、赤ちゃんが預けられ、健康上問題がなければ、児童相談所に連絡を入れるそうです。
事件性があったら警察へ、事件性がなければ児童相談所へ、と。
また、3か月前から内密出産が本格的に実施されるようになったみたいです。
こちらの病院でも、内密出産は行うそうです(が、まだ一度もないそうです)。
法的に承認されたわけじゃないですが、行政的には「OK」ということらしく…
この窓から見える緑の建物がパーキングです。
車で来て、こちらに赤ちゃんを預けて、そして車で帰る、という感じだそうです。
なお、スイスでは、預けられた赤ちゃんの50%の母親が、後で戻ってきているそうです。
ドイツ同様、3か月間は、里親の下で育ち、そのあと養子縁組手続に入るそうです。
中には、赤ちゃんを預けた翌日に、電話がかかってきて、「赤ちゃんをもう一度抱きたい」と言ってきた母親もいたそうです。
今回、調査・取材に応じてくれた四人の方です。
左から、シュヴァラー先生、事務局長、看護部長、そしてミュグラーさんです。
詳しくは、後ほどどこかで書きます。
最後に、シュヴァラー先生がこう言っていました。
「日本では、130人もの赤ちゃんが預け入れられたというけど、それなのにどうして一つしか赤ちゃんポストがないの? 東京から熊本まで預け入れに来るというのは、信じがたい。近いところにあるべきだと思う。あなたがもっと頑張らないとね」、と。
プレッシャー、、、(・_・;)
2時間半ほどの滞在を終えたあと、ミュグラーさんと喫茶♪
4日目にもまたバーゼルで会いますが、二人でトークしました。
ミュグラーさんは、どちらかというと物静かな人で、理知的な人でした。
哲学も大好きということで、そこでも盛り上がりました。
静かに熱い人、という感じ!?
SHMKを創設したその経緯も聴きました。
一つ分かったのは、主に行政学を学んだ人だったからできたこと、ということ。
つまりは、お金の集め方やお金の使い方がよく分かっている人でした。
さらに、雑誌やジャーナルを三つ発行している人で、その収益も全部支援に回すんですって。
だから、公的資金なしに、公的支援以上の支援ができる、ということですね。
凄いわ、、、
ただただ、凄いと思いました。
アイスクリームと生クリームの盛り合わせ(苦笑)。
生クリームが甘すぎなくて美味しかった。。。
気づけば、もう5時、、、
半日ずっと、付き合ってくれたミュグラーさんに感謝します。
…
で、結局、チューリッヒに戻ったのが、六時前。
時差ボケで眠いし、時間もないので、そのままラーメンツアーに出かけました。
二日目の夜は、二軒のラーメン屋さんを巡りました。
三日目は、アインシュタインが相対性理論の論文を書いたベルンに向かいます。
ベルンは、一応スイスの「首都」でいいのかな?
規模的には、スイスで四番目の都市、となるみたいで、、、