Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

医師が増えることの意味?!

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/doctor_shortage/?1319118885

 

医学部の入学定員を増やす、と。

医師不足が深刻化する中、これは、ある一面で朗報とはいえると思います。医師は給与面でも地位的にも抜群で、いつでもどこでも、人気の職業の上位に食い込んできます。婚活ビジネスにおいても、医師は別格だそうですしね。実際、医者と結婚したいと思う女性は多いようで、色んな意味で「憧れられる職業」となっているんですね。

ですが、ふと考えると、医者を増やすということは果たして本当に全体としていいことなのかどうか、疑問に思うんです。うまく説明できないので、スケッチのみで。

病院が増える、医者が増えるということに対して、多分誰も文句は言わないと思います。人間、「痛み」はとにかく嫌なもので、痛みを消してくれる医療は、僕らの根源的な欲求を満たしてくれる最高の場所なのです。

が、日本では、その医療にかかる費用のほとんどを、その当事者以外のところから出ていることは自明のことだと思います。いわゆる「社会保障費」、ですね。具体的には、4人に1人が加入しているという国民健康保険、また、企業の健康保険組合などが、その当事者に代わって支払うわけですよね。保険加入者は3割を支払い、他の7割を保険組合等が支払うわけです。
http://nlkhgtbj.com/2011/05/post_1.php

その採算を知っている人はどれだけいるんでしょうかね? あ、僕も詳しくは分かりません。ただ、病院が増え、医師が増えれば、それだけいっそう国民健康保険等からの支払額も増える、というわけです。医師の給与が高いのも、病院や薬局や製薬会社が潤うのも、僕らからの直接的な医療費が多いからではなく、なんだかよく分からない保険制度があるからですよね?!

病院業務は、ある種公務員的な要素があって、単純に患者から受け取るお金が多いから給与が高いというわけではないと思うんですね。「税金」とまではいきませんが、みんなから集めたお金(国民健康保険等)から、お金を頂いているんです(そのはず、、、)。

病院や医師が増えることは嬉しいことですが、増えれば増えるだけ、また社会保障費等も増えるわけです。高齢者に優しい社会は理想的ですが、その高齢者の方の健康を守るために、膨大な予算が必要となります。これだけ日本の財政状況が最悪な中で、これ以上、社会保障のためのお金を増やすことは極めて難しいことだと思うんですよね。医師が増え、潤う人が増えることは望ましいですが、その儲けの中身は、それぞれ働く僕らから徴収したお金なんですよね?!(違うのかな?)

医師不足を嘆く人は多いですし、本当に医者が切実に必要な地域はたくさんあります。地方となると、病院不足・医師不足は極めて深刻です。ですが、その一方で、社会保障にかかるお金ももうカツカツ状態です。健康保険事業の存続さえ危ぶまれているほどに。

また、最も巨大な国民健康保険の加入者に使うお金の一部には、おのおのの企業で働く人が納めている健康保険組合のお金がつぎ込まれているそうです(もっと深く知りたい)。つまり、例えば、Aという企業で働くサラリーマンの毎月の給与から引き落とされる保険費の一部が、国民健康保険に流れ、病院に流れていく、というわけです。

サラリーマンからすれば、病院が増え、医師が増えるということは、自分の負担が増える、ということを意味するように思うんです(本当かどうかは別として)。つまり、論理的には、医師が増える→医療費が増える→各保険の負担額が増える→そのしわよせは働いている人間に及ぶ、と。そして、結局は働く大人たちの給与が下がる、というふうになりかねません。高額な給与をもらう医師の背後には、僕らの「血税」とまではいいませんが、僕らの慎ましい給与の一部がますます流れるようになる、という現象が潜んでいると思うんです。

もちろん、みんなでみんなを支え合っていくのが理想ですが、その一方で、僕らの生活は一向によくはならないです。ボーナスが上がるなんていう経験ももうそうそうあるもんじゃなくなりました。病院が増え、医師が増えることは望ましいことですが、その一方で、僕らの負担がますます大きくなるのでは?!と危惧したりもします。

どうなんでしょうかね?!

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