またの名を仙台○○。。。
このバンドは、実に面白いですね。LUNA SEAが好きと公言していて、その路線を継承しつつ、独自の世界観を作り上げている。このバンドを、ヴィジュアル系の系譜でどう位置付けるかは結構至難の業。いわゆるポジパンの要素が入りつつも、どこか違う。基本的にダークで激しいサウンドを奏でているものの、90年代ヴィジュアルとは違う要素がある。けれど、いわゆるラウド系に歩み寄るわけでもないし、ポップでキャッチー路線に走るわけでもない。あくまでも、ダーク系。なんだけど、それだけじゃない、という。
本作も、その路線を継承して、今風のダーク系・あるいは、ポジパン系、あるいは黒服系サウンドをかき鳴らしているわけです。メジャー、七枚目ですね。
全体的に、CDを聴いてみると、「やはりナイトメア。変わらずナイトメア♪」という感じでした。カッコいいサウンド、ソリッドな演奏、緊張感のある曲、暗い歌詞。90年代テイストを残しながら、現代的なコンプレックス感をしっかり表現している、という。
今回の作品でふと思うのは、「音で相当遊んでいるな」ということですかね。よく聴いていると、いたるところで、色んなエフェクトをかけていたり、何気ないところで妙なノイズや効果音が入っているんです。そこが、僕的にツボでしたね。「ここに、この音を入れるか~」というような新鮮な驚きがありました。
色々なところで、色んな人がこのアルバムのおススメ曲を挙げていますが、それに便乗して、僕もこのアルバムでイチオシの曲を♪ なんだと思います?
ナイトメアの作品をこれまでほぼ全部聴いてきましたが、今回のアルバムで「これは色んな意味で斬新で面白い!」と思ったのは、Seamですね。なんていうんだろう、ナイトメアっぽくなくて、でも、ナイトメアならでは!という感じがするんです。次のSLEEPERは、「まさにナイトメア♪」という感じですが、そういうのでもない。突き抜け感が半端ないんですよ。最初の出だしも、イントロのメロも、メロディーも、歌詞も。解放的で、スピーディーで、軽快で、ちょっと爽やかで。ギターの入れ方もなかなか凝ってるんですよね。そして、サビ後、それから曲の最後の最後に出てくるギターのディラララディロロ~っていうフレーズが音を含め、気持ちいいんです(ちょっとマニアックかなー)。
全体的に、これまでのナイトメアを踏襲しています。そこが、好きですね。「こいつら、ホントにこういう音が好きなんだなぁ~」って。ぶれてない。ヴィジュアル系、好きなんだなぁって。
最近の若手バンドは、①色モノに走るか、②B級アイドル路線に向かうか、はたまた③技巧派に向かってメタルにすり寄るか、④ディル~ラウド系で英米ヘビーロックに近づくか、そのいずれかになっています。でも、ヴィジュアル系は、その名の通り、ヴィジュアルで人を驚かせ、そして、「カッコいいわ~」って思われるよう、カッコよさ、Sexyさを見せつける音楽ジャンルです。そういう意味で、ナイトメアは思いっきりカッコつけたバンドだと思うし、そうあってもらいたいと思います。ヴィジュアル系は、短期間で生まれた世界じゃないです。もう20年くらいの歴史がある音楽世界です。その文化をきちんと踏襲するバンドが、やはりいつでもど真ん中で輝いていてもらいたいと僕は願いますね。
今のシーンで、こういう正統派?を追求しているのは、ナイトメア、メリー、Lynch.くらいじゃないかな。あと、ガゼットがちょっと戻ってきた感じ? 12012は逆に向こう側に行っちゃった(苦笑)。
ヴィジュアル系の全体を一応常に考慮している僕としては、やはりナイトメアは応援したいし、これからも彼らの音世界に触れていきたいと思いますね。(まー、若干、マンネリ感もあります。そこは、彼らの問題です。どう音楽的なバリエーションをつけるか。どう新たなテイストを入れこんでいくか。その兆しは、Seamに表れている気もしますが、、、)
で、このアルバムの次の世界に向かう第一歩として、新曲mimicがリリースされましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=9PxAMgviTBg
さ、ナイトメアは次にどんな世界を見せてくれるのでしょうか?!