千葉/外房線の代表的なラーメン屋さん、「麺家 樹幸」。
2002年開業のお店で、千葉内では、「お洒落なレストラン風ラーメン店」の魁とも言えるお店で、佐野実さんも大絶賛のお店だ(「オレが唸ったラーメン」、2005、講談社)。佐野さん曰く、「・・・こんな新興住宅地で、これだけ丁寧に作る人物に出会えたのは感動だ」。フレンチからラーメンの世界へと転回した店主の中島さんは千葉では有名人なのだ。
「ここの店主はねぇ、ラーメンを愛しているんだよ。」
by minoru sano
ホント、ラーメンへの愛情を感じるお店なのだ。
僕は、開店当初は実家から近くてよく行っていたけど、最近は(引っ越したこともあって)年一回くらいしか行けてない(前回は2007年9月10日・・・)。でも、本当に素敵なラーメンレストラン。いつもお客さんが溢れていて、一時的ではないホンモノの人気店なんだなぁと思い知らされる。
そんな樹幸で、超レアな限定冷し麺が提供されている、という話(TVを見た人の話)を聞き、樹幸にかけつけた。なんとも一日5食のみ。しかも、8月15日~8月24日までのわずか9日間のみ。たった45人しか食べられない幻の冷やし麺なのだ。しかも、なんとお茶をメインに使った冷し麺で、お茶麺なのだ。
その名も、「水出し玉露の冷し・お茶麺」(980円)!
中島さんによると、この限定冷し麺のコンセプトは、ずばり「お茶漬け」なんだそうだ。お茶漬け~!? お茶漬け大好き人間にはたまらない限定麺となるだろう。しかし、ただの限定メニューではない。ラーメン・アラカルトといったところか。
まず、一日じっくり冷したヒヤヒヤのお茶が運ばれてくる。このお茶は、食べはじめてしばらくしたら加えるんだそうだ。
続けて、梅タレと、お茶漬けのあられと、緑色のガレット(Garette fromフランスの郷土料理:レシピはこちら)の三点トッピングが運ばれてくる。
そして・・・
緑色の麺が鮮やかな冷し麺が運ばれてくる。
緑色の麺には、わさびが練りこまれているのだそうだ。そして、麺の表面には、玉露が振りかけられていて、見た目的には超鮮やかだ。
この麺には、予め味付けがなされていて、そのまま食べてもとても美味しい。ほのかな酸味と甘みが口の中にしっかりと伝わってくる。ラーメンというよりは、パスタ? でも味わいは、まさに冷やし麺そのもの。上品な味わいと書いておきたい。
麺の下には、これまたフランスの郷土料理であるラタトゥーユのような夏野菜を煮た冷たい野菜類とジュレが隠されている。これもまたとても素晴らしい味わいの逸品。これを混ぜて食べると、これまで体験したことのないような突き抜ける爽快感を得るのだ。まさに「突き抜けた冷し麺」と言ったところか。
さらにさらに! この冷し和え麺に冷たい玉露茶を注ぐと、これまたすごいことになる。驚きの連続だ。このお茶を入れると、清涼感溢れる爽やかな麺料理へと姿を変えるのだ。比ゆ的に言えば、なんか森の中の川の中を泳いでいるような気分になる味わいなのだ(分かりにくいかなぁ~) すっきりしていて、さっぱりしていて、でもどこか奥深くて、神秘的。これは、まさに「未体験ゾーン突入」だ。
最後に、これまた自家製デザートのムースとお茶が出される。このムースが大評判で、たくさんのお客さんから、「限定が終わっても、このデザートだけは出して!」と言われているようだ。
驚きの連続の限定麺だった。これで980円は格別にお得な限定メニューだ。限定超限定、しかも1日5食と、極めてハードルが高い冷し麺だが、食べる価値の高い樹幸オリジナルの麺料理だけに、是非ともオススメしたいな。
*ただし、わさびの使い方としては、まんぼぉの限定麺の方が上手かなと思った。まんぼぉの限定麺とこちらの限定麺を食べ比べて、色々と語るのも面白いと思います!
それから、久々なのでもう一杯。夏季限定のつけ麺だ。僕はこちらのつけ麺が大好き。こくまろあっさりなつけ麺で、樹幸オリジナルのつけ麺になっている。他じゃ絶対に味わえないつけ麺になっている。麺もユニークで、限りなく白に近い麺となっている。量も多め。チャーシューもうまい。以前は味付け玉子もデフォルトで付いていたが、現在は玉子なしで、料金も下げたとのこと。
こちらのスープは本当に絶品。スープ割りの際に、味の付いていないスープをそのまま飲むのが僕の習慣となっているが、こちらのスープほど、あっさりしていてコクのあるスープっていうのは見たことがないなぁ。動物スープの旨味が存分に生きていて、それでいていたずらにこってりとしていない。絶妙なスープなのだ。
お店を出る頃には、既になが~い行列ができていた。限定麺は既に売り切れているので、通常のラーメン/つけ麺を食べに来ているのだろう。2002年オープンから早7年。土気界隈では唯一無二の超人気店になっていた。やっぱりすごい!