80年代後半の末期、まだヴィジュアル系という言葉が存在しなかった頃。
この頃、日本のインディーズ・シーンは、
メタルやハードコアやダーク系やヘヴィーメタルが入り乱れていて、
「ヴィジュアル系」という枠には収まらない面白いバンドがたくさんいた。
X Japanもまだコテコテのヘヴィーメタル系バンドで、
二酸化炭素を会場にぶちまけたり、
火のついたたいまつにガソリンを吹きかけたりしていた。
(そのはちゃめちゃぶりはyoutubeなどで確認できよう)
どのバンドも、今より音楽的には全然荒々しかったが、
いい意味でぶっ壊れていて、こちら側はとても面白かった。
エクスタシーレコードとフリーウィルレコードの激突ぶりは
シーンを盛り上げる起爆剤となった。
そのエクスタシーレコードに所属していたバンドで、
これほど「ヘンテコ」で「奇妙」で「クレイジー」なバンドが
他にあっただろうか。とにかくミステリアスなバンドだった。
そう、それが「VIRUS」だった。
VIRUSは、一歩間違えると気の狂ったバンドで、
とにかく半端ない独自性と独特な世界観をもっていた。
音楽的にとにかくはちゃめちゃで、狂気じみた変態バンドだった。
(その変態ぶりは、下のyoutubeで是非ご覧いただきたい!)
それでいながら、民族衣装を身にまとったり、
その民族音楽をバンドサウンドに取り込んだり、と、
音楽的なこだわりもかなり感じられた。
そんなVIRUSの代表作がこちらの「MATERIALS」だ。
これは1990年にリリースされた作品で、
ZI:KILLのCLOSE DANCEと同じ頃に出されたCDだった。
この作品は7曲入りのミニアルバムだが、
とにかくどれも毒々しくて狂っていて変態的で超ハード。
これほど気のフレたアルバムは皆無といっていいほど。
インドのシタール音で始まるおどろおどろしい1.CHAITANNIYA。
これから一体何がはじまるんだ?!というようなSE曲。
そしてVIRUSの代表曲で破壊的でカオティックな2.LOVE BITES。
これは彼らの看板曲で、全英詩の曲だ。
Aメロのウィスパーボイスがすごく怖い感じ。
サビでHIROの太い声が炸裂する。とにかく圧巻・・・
(ギターソロ前の不気味な笑いが怖い・・・)
そして、超過激で超スピーディーで爆発的な3.CRASH。
これも彼らの代表曲といっていいだろうな。
「ごきぶりの群れ 火あぶりの刑・・・」
「お前のおつむは破裂寸前・・・」って・・・
でも、サビ最後の「衝撃波」はすごいインパクトだった。
そして、オリエンタルで退廃的な4.WALK ALONE FAR AWAY。
音的には結構BUCK-TICKっぽい感じであった。
でもHIROの神がかった歌のおかげで変態サウンドになっている。
続く、5.退屈凌ぎのLOVE愛視線は当時としては珍しいラップ調。
NOBORUの音楽の幅の広さを感じさせる一曲になっていた。
サビは結構ポップで聴きやすい。ま、当時としては・・・
6.I wanna hold you(Remix)は、シャッフル~ダンスの要素を取り入れた曲。
この曲も僕的にはすごいインパクトで、時おり頭に浮かんでしまう曲。
一生、心に残る変な曲・・・
最後の7.発狂は、もうやばすぎる・・・
本当に狂っちゃいそうな曲で、恐ろしい・・・
サビの「辺り一面 狂った人形・・・」ってところは、
超ハイトーンで超過激で気合の入ったメロになっている。
この曲は当時死ぬほど聴いた記憶がある。
「地べたんちゃハエにたかられた人間が
糞を食べながら屯している」・・・すごい歌詞・・・
今こうして改めてこの作品を聴いてみると、
彼らのポテンシャルの高さに圧倒される。
今のV系にない「クレイジーさ」がたっぷりあって。。。
音はさすがに今から20年くらい前だけあって、
あんまりいい音質とは言えないが、
楽曲のクオリティーや過激さや独創性はかなり高い。
多分、今の若いV系諸君にはあまりピンとこないかもしれないが、
こういうバンドがあって、今のシーンがあるということは知っておいてほしい。
NOBORUのパフォーマンスは、あのDir en greyでもできないだろう。
毒々しくて破滅的なボーカル、HIRO!
変態的なスタイルが超インパクトのNOBORU!
↓↓↓(そして、それから数年後・・・)
*ドラムは極悪ドラマー?愁。ギターは知る人ぞ知るKIYOSHIさん!
なに?! VIRUS復活?!?!