医療ヴィジュアル系バンド、LuLuの新作がリリースされた。
LuLuは先日、ボーカル以外4人の突然の脱退が伝えられたばかり。
たぁ院長以外全員のメンバーチェンジという事態になってしまった。
(どういう背景で全楽器隊のメンバーチェンジが起こったのかは謎)
これまでのファンとしては、とても複雑な心境だろう。
たぁ院長の声は変わらなくとも、バンドの匂いは変わってしまうから。
本作の出来次第では、ファンが全員いなくなる危険性もなくはない。
割と昔から聞いてきた僕としても、どう変化したのかは気になるところ。
本作を通して聴いてみて、まず思ったのは、
演奏力は格段に上がった、ということだ。
ドラムの音もギターの音もベースの音も、
かなりボトムアップされた感がある。
そのせいか、たぁ院長の歌が埋没している、というか。。。
声質はとてもいいんだけど、演奏に比べてボーカルが弱くなってしまった。
(つまり、バンドのバランスがあんまりよろしくない!)
演奏力をそれほど問題としない僕としては、
この≪バランスの不釣合い≫がちょっと気になったかな。
ただ、とはいえ演奏力の向上はクオリティーの向上に繋がる。
正直、これまでのLuLuの作品は一度聴いたら、
そのまま棚に置きっぱなしって感じだった。
(演奏力を気にしないとはいえ、さすがに・・・)
今回の作品は、それなりに聴き応えがあるっていうか。
何度も聴けるだけの作品になっているとは思う。
ギターのちょっとメタルチックなリフとかピッキングとか、
そういう音楽的な聴きどころもしっかりとある。
演奏技術って、それだけあってもダメだけど、
技術がなければ、音楽として成り立たない。
そういう意味では、LuLuはプロのスタートラインに立った
ってことかな。
アルバムの内容は、従来のLuLuらしさが溢れるものになっていた。
01の死期彩や02の血液晩餐会は従来のファンも納得だろう。
03の現実不感症は、リテイク。格段に良くなっている。
04のmiss医療も、LuLuっぽい感じ。
「ごめんなさい・・・」ってところがとても印象的。
(でも、僕の曲のパクリじゃん(汗))
05のさびれたメスと06のエンドロールは第二期LuLuを
印象付ける新しいタイプの曲。
従来のファンを満足させつつ、
新たなファンを得ようとする野心的な作品になっている。
これをリスナーがどう判断するのか、
とても楽しみなところ・・・かな。