大宮駅周辺には、本当にたくさんのラーメン屋さんがあります。
埼玉最大の駅ですからね。
そんな大宮駅周辺で、まずもって絶対的に食べなければならないお店はどこか。
僕みたいな「部外者」にとって、また、「ラーメン好き」にとって、
大宮駅周辺で最も食べなければならないラーメン店はどこか?!
ポイントは、「大宮駅」です。
大宮駅周辺でなければ食べられない味のお店。
あるいは、最も「大宮駅周辺」を代表するお店。
…
頑張って色々と調べました。
その結果、
大宮駅前周辺で最も食べるべきラーメンを出すお店は、
食堂多万里(多萬里:たまり)
だと、僕は確信しました。
なんとなんと、
昭和21年創業のお店
なんです!
お店に行って、ビックリしました。
開店前なのに、行列ができているんです。
しかも、並んでいる人は全員シルバー世代。
行列というと、若者をイメージするのですけど、、、
このお店では、連日、シルバー世代が行列しているんですね…。
並んでいるおばちゃん(おばあちゃん?)に話を聞くと、
「私が小学生の頃から、このお店でラーメンを食べてるわ。昔と全然変わらない。変わったのは値段くらいかしら。当時は、一杯40円とか50円だったから。建物も当時と変わらないわ。店頭の道路は広くなった。昔は路地裏だったのよ。味はあっさりしているから、若者にはどうかしら。でも、わたしたちは、このラーメンを食べて育ったから。大好きなのよ」
と。
さらに驚きは、食券の買い方。
お店に入ると、券売機ではなく、券売所があるんです。
昭和のデパートのレストランみたいな感じ?!
おばちゃんがそこにいて、お金と引き換えに、プラスティックの食券を出してくれます。
家系ラーメンで使われているカラフルなプラスティックの食券。
いやー、凄い、、、
きっと、あらゆるやり方が、そのまま昭和なんでしょうね。
お店の中も、「昭和の食堂」そのもの。
簡素なテーブル(4人掛け)が8つくらいありまして。
ホント、「ここは大宮駅前なのか?」と思うほどの風情でした。
おススメは、もちろん「ラーメン」です。
自家製の煮玉子も評判が良いので、こちらも。
ジャーン!!
見てください!
この完璧なヴィジュアル。オーラ感が半端ないです。
一目見ただけで分かる「ホンモノの凄さ」。
このラーメンを目の前にして、オーラを感じるかどうか。
そこに、「ラーメンフリーク」のレベルが示されると思います。
いや、このお店をネットで調べているとですねー、
もう、ホント、賛否両論なんですよね。
というか、賛は少なく、否が多いんですよ。
このお店の「凄さ」や「卓越性」を感じない人は、まだまだフリークとしての程度はあれかな、と。
それくらい、こちらのラーメンのオーラは半端ないものでした。
(*オーラ:唯一性があり、また懐かしさもあり、既知性と未知性の双方を感じさせるもの)
いったいどんなお味なのでしょう?!
こういうラーメンって、「あっさりしていて、昔ながら」、と語られやすいのですが、、、
スープを飲むと、「うわー、強烈!」って思いました。
昔ながら=あっさり、という枠で見ると、これも「あっさり」になっちゃうんでしょうけど、、、
かなりファットでジャンクなんです。スープにオイリー感もしっかりあります。
魚介等の味は突出していませんが、裏でかすかにそれを感じられる、というか。
基本的には、甘みとしょっぱさのある鶏ベースの醤油ラーメン。
でも、そこに、「オリジナリティー」があるんですねー。
なぜ、このラーメンは69年間、生き残ったのか。
なぜ、生き残りの厳しいこの世界で、これだけ長く続いたのか。
その答えが、このラーメンにはあるんです。
もちろん、「普遍的な答え」ではありません。
この土地、この風土に合っていたからでもあります。
戦後の大宮を支えてきた多万里のラーメン。
言葉を超えた美味しさがあります。
麺は、昔ながらのお店ゆえか、柔らか目でした。
これが、昭和の「麺」なんだろうなぁ、、、と。
で、麺の量がとても多いです。これも昭和スタンダードなのかな!?
昭和の名店のラーメンって、どれも麺が多いじゃないですか。
きっと、貧しい時代ゆえに、麺でお腹をいっぱいにしていたんでしょうね。
それと、、、
やはり、このお店のポイントは、「グリンピース」かな、と。
グリンピースというと、千葉の名店「長寿庵@院内」を思い出します。
他にも、古いお店では、たまにグリンピースを使用している場合があります。
レトロなラーメンには、グリンピースあり、かな。
煮玉子は別皿で。
この煮玉子が、実に美味しかった。
味もしみてて、ラーメンにぴったりでした。
これは、きっと途中から加わったものなんでしょうね。
これが、69年前からあったとしたら、驚きものですが、、、
どうなんでしょうね。確認できませんでした。
大宮駅周辺で、最も食べるべきラーメンがここにありました。
他じゃ、食べられません。
大宮駅周辺の「発展」の中を生き抜いてきたホンモノのお店、と言えるでしょう。
大宮が多万里だとすれば、、、
千葉はいったいどのお店を挙げればいいんだろう?!
千葉駅周辺で、外部のフリークさんがラーメンを食べようとするとき、
僕は、いったいどのお店をおススメすればよいのだろう?!
この辺をしっかり考えないと、千葉のフリークとは言えないよなぁ、、、
温故知新。
どれだけ文明が進歩したとしても、
つまり、どれだけラーメンのスキルが向上しても、
このお店には、敵わないんだなぁ、、、と。
本当に、このお店に来れてよかった、と思います。
他のお店じゃ、この満足感は生じてこないだろうな、と。
「生きている幸せを感じる一杯」、でした☆