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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

魂の欠片

2006-04-18 17:27:59 | 美術関係
イースター休暇中は生憎の雨模様で肌寒く散歩の気分は盛り上がらなかった。
最も情けない事で言いたくないが、少し前に軽いぎっくり腰なんかわずらってしまって今だ完治せず、遠出は無理でおとなしくしているのが無難だったわけなのだけれど、一日中家に篭っていると頭の中の空気も停滞気味になってきていけない。
酸欠寸前の頭の中身にちょっぴり風通しをするために、中世の町Zonsに出かけた。
もう一度言うが、残念ながら雨である。
傘を差して石畳の小さな町の中を歩く。雨にもかかわらず散歩をしている人は意外にも多い。
カメラを持ってはいたが雨が恐くて胸の中にかかえたまま取り出せなかった。何しろ一度雨の中で写真を撮ったが為にカメラの具合が悪くなって冷や汗をかいた事があるのだ。
だから街の写真は無い。中々趣のある街だが、街の描写と歴史は次に回してこの回は『イースターエッグの展覧会』の話。
毎年イースターの間に展示即売会があるので散歩がてら見に行く。他の街でもこの手の展示即売会はあって盛んな所もあるようだが、あちこち出かけるほどのファンでもないので、この「散歩がてら。。。」と言うところがいいのだ。
などといいながらも、力作の玉子絵師(?)たちの作品を見ていたら思わず2つも買ってしまった。出展者たちのリストを見ると東欧から来ている人が多い。
ニワトリ、アヒル、Emusやダチョウの卵などを削ったり、腐食させたりしたあと磨いてニスを塗り仕上げている。フェニックスが玉子の表面に納まっているところがまた良くて、気に入った。
物静かな良い感じの作者はチェコから来ていた。
ルーマニアから来ていた出展者の作品。蜜蝋を溶かして細い注射針のような針が先端に取り付けられた道具でリズミカルに線を引いてゆく。彼女のバティック柄の玉子も美しかったのだが、この繊細な蜜蝋の線が実に繊細で美しくこちらを選んだ。私がどの玉子がいいか選んでいるときに、隣にいた客に向って彼女が「私の魂の一部分です。」といっているのを聞いた。私は彼女の魂の欠片を持って帰ってきたのだ。
                               これは去年買った玉子で、作者はドイツ人。この作者は他に童話の挿絵風なものを描いたりもしていて、それも中々楽しくてよかった。

これはガラスケースに収まっていたオランダ人の作品。これだけ透かし柄を完成させるのに、何個の玉子をつぶしたのか? 



ちょっと挑戦してみたい気もして、冷蔵庫から玉子を取り出して見たが、30秒眺めたのち、そっと冷蔵庫の中に戻した。
黄身を抜く前に挫けているんじゃ話しにならないね。



中世のZons