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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

謎の祭壇後日談

2005-08-13 02:18:42 | 美術関係
今日は来年の展覧会の会場を見学に行ってきた。
かなり広いゲレンデで湖畔にあるかつての工場を改装している。
展覧会場として今年から始まったばかりなので、照明などの設備が整っていない。
部分的には多目的にデザイン事務所や倉庫として使われている。
薄汚れた漆喰の部屋が幾つもあるので、展示者一人一人が一部屋を使う事が出来る。各自が個展をするような具合だ。面白い場所だから楽しそうだが、多分パーティー付の展覧会イヴェントで終わってしまうかもしれない危うさがある。私は来春日本に行く都合で、返事が保留になっているのだけれど、気持ちが決まらないというところ。

今、書きたかったのはそのことよりも他にある。
今日はゲントの祭壇画がらみの話を書いた知り合いの小説家も一緒だった。彼は絵描きでもあるので、その展覧会に参加する事になっているのだ。
早速、先日のゲントへの旅の話になった。
 「ああ、そういえばね、あの祭壇画の盗まれて行方不明の部分があったでしょ?あれはどうやら出てくるらしいよ。」
 「えええっ!ホント? 出てくるらしいって、見つかったの?」と私。
 「うん、何でもどこかの高齢のすごい金持ちで、持っているのをほのめかしたとかいう話だよ。」
 「。。。っていう事はまだ公式には発表されてないわけ?」
 「そう、まだらしい。。。。っていう事はまだわからないね。多分今値を釣り上げようと、噂を撒いているんじゃないかな。」
と言う。盗んだ男と言うのも息を引き取る前に”私はありかを知っている”とだけ言い残して逝ってしまった。今度はさて、いかなる進展を見せるか楽しみである。

高齢の収集家の隠し部屋にひっそり飾られている祭壇画一部。我々の目に触れる日も近いかもしれない。
火の無いところに煙は立たない。