9月21日の続きです。。。
第四章では、教育に関して今の日本ほどお金のムダ遣いをしている国はない.。お金さえあれば、だいたいのことができるが、家族・子どもは思い通りにいかないもの。
舅、姑に邪魔されない夫婦だけの生活がひとつの理想のように考えられているが、それを追求するには、それなりの訓練が必要。しかしそこがまったく欠如している。
第五章では、昔の親は忙しすぎたし、お金もなかったので、子どもを適当に放っておいた。むしろそれがうまいこといっていたが、今はお金と時間があるから、特に母親が子どもの世界に介入しようとしすぎる。思春期にふさわしい、感情の揺さぶりを一家で全く体験できていない。家族だからこそあるはずの感情のぶつかりあいがない。発散できなかったものがストレスとなって、こどもの心の中に蓄積されていく。
学校が家庭の機能まで背負いこまされているというのは、日本特有の現象。
「学校はなにをしているのか」と批判しようと思ったら、いくらでも言える。ほんとうは、そういうことを言う前に、「自分の家で、自分はどうしているのか」ということが問題なのに。
今の親が自分の子どもを満足にしつけられないのは、「民主化」を勘違いした結果なのではないか。自由にするにも、一定のルールがあるということを理解しなかった。自由主義とか個人主義とかいうが、欧米の家庭では子どもをとてもきびしくしつける。
第六章では、家族間の葛藤・失敗談から解決法まで、世界の神話に語られている。家族同士が心を通わせようとしたら、どうしても対話するしかない。家族の誰かが問題を起こしたら、この辺で家族が対話しないと危ないぞというサインと考えた方がいいのではないか。
日本中が急激に変わりつつあり、さらに変わろうとしている時期。いろいろな要素が錯綜しているはず。勝手に悪者をつくり、みんなでそれを叩くことで、安心したい。が、誰が悪いかなどと考えるより、どうしたら解決の方法があるかを一緒に考えること。
現在は、家族というシステムにとっても大きな転換期。これまでに想像もできなかったいろいろな問題がいちどきに起こってくる。それはチャンスでもあるが、そのためにも、私たちは考え方をそうとうに改造していかなければならないのではないか。
……以上、心に残った点を列挙してみました。
他にもたくさん考えさせられる視点を提示してくれています。そして、これらを「手っ取り早く解決策を探そうとする」のではなく、まず、それぞれの家庭でどうしたらいいかを考えて実行していく必要があると痛感させられました。
いやぁ、それにしても。。。課題が多すぎ(汗)
こちらの本は河合先生らしく、的を得た鋭い指摘ながら優しい、威圧感のない語調に、頷きながら読みました。
ほんとに、家族の問題や子供の問題には課題がたくさん。 きっと問題が起こったときにどう対処するかというよりも、毎日の積み重ねなんですよね。
ああ、うちもまだまだ子供が独立する年頃までは色々あるかもしれないけれど・・・
よその国で育ったり、いくつもの国を転々と異動しながら育つ子供の数は、増えているそうですね。
そうした子供たちの世界観の育ち方や、アイデンティティの作られ方には、私もとても興味深いです。
河合氏の語り口はやさしいながらも、ビシッと鋭いところをついてきますよね。とても勉強になります。
有閑マダムさんのおっしゃるように毎日の積み重ねって大事ですよね。ある日突然問題が発生するわけではなく、ちょっとした家族の変化に気づくかどうかということが大切なのでしょうかね。
子どもは子どもなりにその国の文化や価値観を吸収しているのでしょうね。
母親の自分とは違うんだ。でも共有したい価値観もある。。。今後もいろいろあるのでしょうね(汗)