本書は、医療という現場を通して、人間や人間関係を考える漫画である(…とはいっても、第5巻までの自分の印象だが。汗)
主人公は研修医、斉藤英二郎。彼は大学病院等のいろいろな科に配属される。心臓外科、小児科、NICUなどなど。その研修の中でさまざまな疑問をもつ。
医師とは?親子とは?生きるとは?
そしてその疑問について真正面から考えていく。主人公はとても純粋でありまっすぐ。それゆえに人を傷つけ傷つけてしまう。しかしそんな自分を変えることはできない。それが若さの特権でもあるのだろうが。それがなくなったら仕事上ではまだなにもできないのだから、若いという意味が半減するといえばいえなくもない。
本書を読むと、現在医療の現場でかかえている問題が浮き彫りにされてくる。救急医療や研修医のシステム。不妊治療の様子。いわゆる障害児といわれる子や未熟児を受け入れる親とのつきあい。がん治療の告知とその治療法についてなどなど。それが現実と合致するかどうかはわかりかねるが。
主人公は現場で起ったことや教授のやり方について疑問を抱き、それを担当教授になげかける。ストレートにー。
しかし相手は知識も経験も上。立場をかんがみても斉藤が対等に闘える相手ではない。それでも、主人公はあきらめず患者の命を救いたい一心で、担当教授にくらいついていく。
時には教授のこころをも変える。時には自分の根拠のない自信に気づきやる気を失う。時には働き口(バイト)を失う。
しかし決してくじけない。そこから逃げない。そうやって、目の前にあることがらに正対し立ち向かっていく。多くの医者を見、患者と接しながらつねに「医者とはどうあるべきか?」「自分はなぜ医者になったのか?」という疑問をかかえながらー。
「いい医者になろう」と思わずとも、目の前のことを一生懸命にすること。疑問を抱きそれについて考え続けること。答えを出そうともがき続けること。そうやって前に進んでいけば彼は成長する。そしてその結果すばらしい医者となっていくのだと思う。
「すばらしい医者」とは自分自身がそうであると思うものではなくまわり(患者本人)が決めるもの。
初心を忘れずいや忘れたら思い出しながら、くじけずがんばって進んでほしい!(今は足りない経営や組織からの視点を取り入れながら。。。)
……この先、どこまで描かれるのかわからないが(苦笑)
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