図書室の隅のテーブルを陣取り、ふたりは向かい合った。
「よーし、いくわよ。第一問!」
リカコは用意してきた問題をタカシに渡した。
「うーーーん」と言ったきり黙りこんだままのタカシ。
「どう、できた?」
リカコはにやりとしながらタカシの手元を見た。まだ鉛筆は止まったままだ。
「できたー!」
第一問。時間は少々かかったがタカシは無事正答した。
「まあ。腕だめしね。じゃあ、第二問!」
少しレベルアップした問題が書いてある紙を渡すリカコ。
「あー。これ、これはどっかにあったなあ。。。」
と言いながら、再び参考書をぺらぺらとめくるタカシ。
「これでどうかな?」
自信なさそうに差し出された紙を見てリカコは赤ペンをにぎった。タカシの回答に大きく赤丸がつけられた。
「案外やるわね。よーし第三問!これでどうだ!」
「よーし。やるぞー!」
第一問第二問と正解してきたタカシは、だんだん自信をつけてきたのかがぜんはりきり出した。しかし、第三問目の問題をみるなり
「うーーーーーん」
とうなった。うなったきりじーっと紙を見つめとうとう腕組みをはじめた。
タカシの真剣な表情をみつめるリカコー。
いきなり鉛筆をにぎったかと思うと、カツカツと鉛筆の芯の音をひびかせながらタカシは紙に答えを書いていった。
「どうだ、これで!」
手渡されたタカシの回答を見てリカコはまゆをしかめた。
「どうなんだよ。あってるのか?まちがってるのか?」
リカコは声をあらげて言った。
「合ってるわよ!」
「よーし。じゃあ、これで証明終了だな!」
満面の笑みのタカシをよそに、じーっと問題用紙を見ていたリカコはこんなことを言い放った。
「だめよ。これじゃ証明にならないわ!」
「…どうして?」
「だって、問題を解くのに参考書を見ていなかったじゃない。これじゃ、いい参考書かどうかの証明にはならないわよ!」
そこでタカシはあわてて参考書のページをめくった。
ない、ない、のってない。リカコの出した問題もその解答例もー。
「……くっそー……」
くやしがるタカシを残しリカコは足早に図書室から立ち去った。
リカコの顔からは血の気がひいていた。
なぜならあの問題はリカコが20分かけて解いたものだった。それをほんの数分でタカシは解いたのだー。
(ほんとは、あいつ……)
そう思うと、リカコはなんだか落ち着かない気持ちになった。
「よーし、いくわよ。第一問!」
リカコは用意してきた問題をタカシに渡した。
「うーーーん」と言ったきり黙りこんだままのタカシ。
「どう、できた?」
リカコはにやりとしながらタカシの手元を見た。まだ鉛筆は止まったままだ。
「できたー!」
第一問。時間は少々かかったがタカシは無事正答した。
「まあ。腕だめしね。じゃあ、第二問!」
少しレベルアップした問題が書いてある紙を渡すリカコ。
「あー。これ、これはどっかにあったなあ。。。」
と言いながら、再び参考書をぺらぺらとめくるタカシ。
「これでどうかな?」
自信なさそうに差し出された紙を見てリカコは赤ペンをにぎった。タカシの回答に大きく赤丸がつけられた。
「案外やるわね。よーし第三問!これでどうだ!」
「よーし。やるぞー!」
第一問第二問と正解してきたタカシは、だんだん自信をつけてきたのかがぜんはりきり出した。しかし、第三問目の問題をみるなり
「うーーーーーん」
とうなった。うなったきりじーっと紙を見つめとうとう腕組みをはじめた。
タカシの真剣な表情をみつめるリカコー。
いきなり鉛筆をにぎったかと思うと、カツカツと鉛筆の芯の音をひびかせながらタカシは紙に答えを書いていった。
「どうだ、これで!」
手渡されたタカシの回答を見てリカコはまゆをしかめた。
「どうなんだよ。あってるのか?まちがってるのか?」
リカコは声をあらげて言った。
「合ってるわよ!」
「よーし。じゃあ、これで証明終了だな!」
満面の笑みのタカシをよそに、じーっと問題用紙を見ていたリカコはこんなことを言い放った。
「だめよ。これじゃ証明にならないわ!」
「…どうして?」
「だって、問題を解くのに参考書を見ていなかったじゃない。これじゃ、いい参考書かどうかの証明にはならないわよ!」
そこでタカシはあわてて参考書のページをめくった。
ない、ない、のってない。リカコの出した問題もその解答例もー。
「……くっそー……」
くやしがるタカシを残しリカコは足早に図書室から立ち去った。
リカコの顔からは血の気がひいていた。
なぜならあの問題はリカコが20分かけて解いたものだった。それをほんの数分でタカシは解いたのだー。
(ほんとは、あいつ……)
そう思うと、リカコはなんだか落ち着かない気持ちになった。