ガーベラ・ダイアリー

日々の発見&読書記録を気ままにつづっていきます!
本の内容は基本的にネタバレです。気をつけてお読みください。

伊藤 公雄・樹村 みのり・國信 潤子著 「女性学・男性学」 有斐閣アルマ

2008-02-28 | こんな本読みました

本書のサブタイトルに<ジェンダー論入門>とある(笑)。

……先日読んだ本とまるで同じ。「論」があるか否かの違い。だが、その内容は少々異なる。

大きな違いは、本書は<大学のジェンダー論のテキスト>として使ってもらうことを念頭において編集されてあること。なので、著者の論を思考の過程がわかるように書いてあるという色合いは少ない。コンパクトに言葉の説明を行い、漫画を取り入れながらジェンダーについての概略をつかめるようにわかりやすくまとめられている。

また<エクササイズ>という項目をもうけ、参加・発見型の学習ができるように課題がいくつか記されている。実際にグループをつくってやってみると面白そうである。その他には<読書案内>として関連図書の紹介、<コラム>として現代における問題点や課題について言及されている。

以下が目次

第1章 女であることの損・得 男であることの損・得
第2章 作られる<男らしさ><女らしさ>
特講1 女性学って何?
マンガ1 あなたとわたし

第3章 ジェンダー・フリーな教育のために
第4章 恋愛の女性学・男性学
特講2 男性学って何?
第5章 ジェンダーと労働
マンガ2 花子さんの見た未来?

第6章 多様な家族に向かって
第7章 育児はだれのもの
マンガ3 今日の一日の幸

第8章 国際化のなかの女性問題・男性問題
特講3 平和の思想と<男らしさ>

第9章 ジェンダー・フリー社会の見取り図
索引
Colomu一覧

現在の大学でジェンダー論をどのように扱っているのだろうか。必修なのか選択なのか。いずれにしても、自分はこのことについて学んでこなかったということ、日本で様々な取り組みや法の改正などが行われていた頃、日本を離れていたことを考え合わせても、本書を読みながら知らないことが多すぎ反省しきり(汗)であった。

女性の苦労や思いは共感することがしばしばだったが、当てはまらないところも多々あること。逆に男性の苦労について挙げられている点が自分にもあてはまることなどに気づいた。

また、日本にいるとなかなかつかみにくいが各国との比較によって、日本における女性の社会参加が遅れていることがデータをつきつけられることにより実感した。もっと「ポジティブ・アクション(積極的格差是正策)」をとる必要があると感じた。

そのためには、さまざまな社会の仕組みを変えていく必要がある。税制や年金制度の変革、男性の長時間労働の仕組み、労働時間の法的な規制、労働における均等待遇、リカレント型就業形態などなど(言うは易し。行うは難しですね)。

しかし、一番大切なのは。。。

<「男は外で仕事に全力をつくすべきだし、女性は家を一手に守るべきだ」といったジェンダー意識の変更が求められるだろう。そうなると、(学校・社会を貫いた)教育におけるジェンダー平等が不可欠の課題になる。教育におけるジェンダー平等の推進のためには、教育に携わる人々の意識を変えなければならない。>

子育てをしている今。どんなふうに子どもを育てていくのか。
それによって、将来の日本がどのようになるのかが変わってくる。どんな国にしたいのか。ジェンダーの視点をもって子育てをしていかねばならないと痛感した。

それには、「言葉」よりもまず親の行動・生きかたそのものが問われる。
なかなか厳しい課題をつきつけられているなあ(汗)。。。

 


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