ガーベラ・ダイアリー

日々の発見&読書記録を気ままにつづっていきます!
本の内容は基本的にネタバレです。気をつけてお読みください。

あれはなに?

2008-03-01 | ちょこっと童話?
「なに、あれっ?」

ミミコはめざめると、窓から見える塀を指さした。

そこには隣と隔てる1.5メートルほどもある木の塀があり、その上を右から左へツツツーと小走りでかける1匹のりすがいた。

「り・す」

ママが答えた。

「り・す?」

そう。りす。

「へー。りすかー。かわいいね」

その日からほぼ毎日、ミミコとママはりすを見ることになった。

それはミミコとママのアメリカ生活第1日目のことだったー。


素麺!

2007-12-06 | ちょこっと童話?
<食卓にて>
パパ「○○日、夕飯いらないから」

ママ「これからなにかと忙しそうね。ホウレンソウよろしく!」

らら「ホウレンソウってなに?」

ママ「そうねえ。。。”ホウ”といえばなんだろうね?」

らら「うーん。放送!?」

ママ「おしい!ホウだけあたってる!」

らら「あ。報告だ!」

ママ「ピンポーン!じゃ、レンはなんだとおもう?」

らら「うーーーーーーん」

ミミコ「あっ、わかった!連絡!?」

ママ「そうそう!連絡ね。じゃ、ソウはなーんだ」

らら「……そうめん!!」

ママ「うーーーん。おしい!というよりおいしそう♪」

らら「あっ。わかった。そうげんだ!!」

ママ「なんかいいねー。スーツを着たビジネスマンが草原で素麺を食べてるのってー。今の季節ちょっと寒そうだけどね」

らら「あたったー!」

ママ「……いや。あたってはいないんだけど。。。汗」

この子たちは、あと何年後に<ホウ・レン・ソウ>の意味を知ることになるのだろう…とちょっとだけ未来に思いをはせたママであった。


メッセージ

2007-05-08 | ちょこっと童話?
朝あわてて支度をして仕事に行くママ。

学校に行くあたしといっしょに外に出ようとしたら。。。

「あ、あ、あれー?なっ、なっ、なーい!」

……ほら、また始まった。今度はなに?

「か、か、かぎがあーーー」

「あ。あたし見た!」

ダダダダダー、と階段を駆け上りひょいっと鍵をさしだす。

「おおー。こんなところにー。ありがとー、らら!」

……ふふふ。ママったら。さがしものは、あたしにまかせて!。

「で、でも。。。どうしてあんなところにあったのかしら。。。」


……いつになったら気づくのだろう。あたしがこっそりかくしてること(笑)。


オムレツ作ろう!

2006-05-10 | ちょこっと童話?
「かあちゃん、なに作ってんの?」
「オムレツ作ってんだよ」

3歳になるゆう君は、かあちゃんのすることをまねしたくてたまりません。

「ぼくも、たまごわってみたいなー」
「やってみるかい?」
「わーい!!」

ゆう君ははりきって、たまごをひとつ右手につかみました。
「ほら、ここの台の上でトントンって、たまごをうちつけるんだよ」
「へー、おもしろそー」
「それで、両手でパカッ!と、お皿の上にあけるってわけ」
「よーし!」

かあちゃんがやって見せてくれた通り、トントン、パカッとやってみました。

「わーい、できた、できた!」
「おー、はじめてにしてはうまいじゃないか」
かあちゃんは、ゆう君の頭をごしごしなでました。

「もういっこやりたい!」
「よーし、やってみな」

ゆう君、2こめにちょうせんです。
「あっ・・・」
トントンしたいきおいで、たまごがだらりーんと台の上から、床の上にこぼれてしまいました。

「えーん、どーしよー」
「ほら、ないてるばあいじゃないよ。これで早くふきとんな!」
「だってぇ。。。」
「フクスイボン二カエラズだよ。早くおし!」

ぐずぐずしているゆう君に、かあちゃんはぞうきんをわたしました。

「フクスイなんとかって、なに?」
ゆう君は、なきながらたずねます。
「おとしたたまごはもとにもどらないってことだよ。まあ、そんなこといいから、フクにつかないように気をつけてふきとんな!」
「はーい。。。」

「よし、きれいになった。じゃ、3こめやんな」
「えー、まだやんの?」
「まだ、あと3このこってんだよ」

そう言って、かあちゃんはたまごをゆう君にわたしました。

「よーし、こんどこそ。。。あっ!」
「どうしたんだい?」
今度は、たまごのからがお皿の中に入ってしまいました。

「あーん、どうしよー」
「こういうときは、スプーンでからをすくえばいいのさ。あらよっと!」
「おー、かあちゃんうまいねー」
「まかしときっ!」

「はい、つぎ。4こめ」
「よーし、こんどこそ!」

トントン、パカッ!
こんどはうまくいきました。
でも、手にしろみがべったりこん。

5こめ。
トントン、パカッ!
からがまっぷたつにわれました。

おまけにもうひとつ。
トントン、パカッ!

「やったー、だいせいこうー!」
ゆうくんは、大よろこび。

「よしよし。あんたのおかげで床もきれいになったし。イッセキニチョウだよ」
「イッセキなんとかって、なに?」
「ゆうがしっぱいしてくれたおかげで、ゆかがピカピカになったってこと」
「へぇー、ぼくいいことしたんだね」
「そうそう」

きょうのオムレツ。ぼくがたまごをわったんだ。
おいしい、おいしい、おいしいなー。


一字ちがいで大ちがい!?

2006-04-28 | ちょこっと童話?

最近補助輪なしの自転車に乗れるようになったらら。
こんなことを言い出した。

らら 「あたし、16ンチの自転車がほしいー!」
ミミコ 「それを言うならンチじゃなくて、ンチでしょ!」

らら 「そうだった…」
ママ 「一字ちがいで大ちがいだねー。ンチとか」
ミミコ&らら 「ママ、きたなーい!」

二人の攻撃を浴びるママ。しかし負けちゃーいられない。

ママ 「きたないったって、これが出ないとつらいよ~」 
ミミコ&らら 「そりゃそーだ」
ミミコ 「そうなったら、ンチだね!」
らら 「そうそう、あしたのンチはなににする?」
ママ 「ンチなんてどう?」
ミミコ 「そんなンチやめとくれー」

ママ 「そういえば、ンチー♪なんてのもあるよ」
ミミコ&らら 「なにそれー?」
ママ 「オダユージとスズキホナミという人が出ていた昔のドラマ。まあ、あんたたちには、わからん話だね。ふふふ。」

今、ママの頭の中には「カンチー、せっくすしよー」の台詞と主題歌の「ラブストーリーは突然に」がぐるぐる回っている。

 


9の店

2006-03-18 | ちょこっと童話?
子ども連れで、ショッピングモールに行った。

まず楽器屋に入る。
リコーダーコーナーへ行く。

ピンク、ブルー、グリーン、アイボリーの4色があった。
アイボリー以外はスケルトン!きれい!
店員さんによると、色が違うだけでどれも同じとか。

「ピンクがいいー」
迷わずピンクを手に取るミミコ。
「いいなー」とうらやましがるらら。
(日本に帰ったらこの色ってどうなんだろ・・・という不安もよぎったが今どきの日本のほうが進んでたりして。。。)
と思いながらレジへ。

次にインテリアのお店へ。
買うあてはないがなぜかいつも立ち寄ってしまう。子どもと入ったのは初めて。

「ママー、なにこれ。お皿に丸いボールがのってるよ!」
「どれどれ、ホントだ。陶器のボールだねー」
「なんだろねー、これ?」とみんなで首をかしげる。

「ママー、この引き出し開かないよー」
「どれどれ。あっ、これ小さい引き出しのように見えて、実は一枚の板からできてるよ!」
「えー、なんだー」
「かぎ穴までついてるよー」
「えー、おもしろい!」
(キャハハハハ)

「ママー、見てみて、このお店のものって、一の位が全部「9」になってるよー」とミミコ。
「えっ、どれどれ。。。」
3人であらためて値段をチェックしながら歩く。

「デスク499ドル。チェア129ドル。ジュエリーボックス79ドル・・・」
「ほんとうだー!全部下に9がついてるね!」と、らら。
「いやー、すごい発見。驚いた!みごとに9だねー」と、私。
「じゃ、ここは「9の店」だね!」目を輝かすミミコ。
「ハハハハー」

しかし、入口付近の棚に「73ドル」のものを発見した私。
すかさず指摘すると、
「だって、ここはセール品だから特別だよ!」と必死なミミコ。
「なるほど。そうだね」
(そう理屈をつけたか、おぬし!)

これを日本語でやっていた。

(子連れの東洋人、なにうちの商品見て笑ってるんだ)
なんて店員さんに思われていたりして。
おそるおそる店員さんをチラリ。

若いお兄ちゃんで、なにか作業をしていた。ほっ。

「次のお店はなんの店かな~!また9の店だったらおもしろいね!」
なんて日本語でしゃべりながら歩いた。
相当あやしいかも、この3人組。大きいの筆頭に。


雨が降ると・・・

2006-03-05 | ちょこっと童話?
雨が降った翌朝、ミミズが大量発生する。

家からスクールバスのバス停まで歩いて2分。ほとんど車の通らないコンクリートの車道と歩道。その間、ミミコは「大泣き」する。

「ミミズがこわいよー、こわいよー」

顔を真っ赤にして泣きながら、つま先立ちでバス停まで必死の形相で走る。その姿を冷静に見つめている妹のらら。

このミミズたちはなんだか哀れだ。うすピンク色でほぼまっすぐな身体。妙に細い。まるでイカの塩辛を三等分のにしたようなか細さなのだ。以前日本で見たミミズはもっとふくよかで丸まっていた(種類がちがうのかな)。それらがべったりと地面にねころがってるのだ。なんだか自分の意志というものを持たずに、自分の存在をまるごと道路に投げ出しているかのようだ。一瞬、死んでいるようにも見える。しかしよく見ると微妙に動いているのだ。その瞬間がなんともいえず不気味。体長は10cmくらい。もっと短いのもいる。車にひかれてちぎれているのもいる。

正確に数えたことはないが、バス停につくまでに30くらいはいるのではないか。このミミズ君たち。

ミミコでなくとも泣きたくなる。私もこころの中では「ヒエーーーー!!」という悲鳴を上げているのだ。(もちろんおくびにも出さないが)

もしも、このミミズを私の顔に近づけてくる不届き者がいたら、その行為を阻止するために、自分の全存在をかけていぎたない言葉でその相手をののしることができる。そんな自信がある(いまだかつて実行したことはないが)。そのくらい私は「虫ぎらい」なのだ。

そういう人に限って、蝶々が腕にとまってきたり、蜘蛛に追いかけられたりするんですよね。。。泣

ミミコも同様。彼女の通るところに必ずミミズが待ち構えている。歩道には多いから、「車道の方に寄ってごらん」と言って通り道をずらした途端、ミミズが車道にいたりして。そのたびに、もって行き場のない怒りを「泣き叫ぶ」という行為をすることによって、どうにか自分を保っている感じ。落ちている小枝さえもミミズに見えているのではないかと思える。

やっとバス停に到着して笑顔がもどるミミコ。私も内心ほっとしている。

すぐさま、私はまた家に歩いて戻る。
哀れなミミズたちを遠目で観察しながら。
本当に泣きたいのは、ミミズたちのほうなんだろうなぁなんて思いながら。


目標

2006-02-21 | ちょこっと童話?
先日、6歳の誕生日を迎えたらら。
こんな紙を私に持ってきて見せた。

6さいのもくひょう

1.じぶんからやる
2.じぶんからきく
3.たんでもやる

おおー!すごい、すごい。りっぱ、りっぱ。(パチパチー)
しかし、3のたんでもやるってなんだ?
なんでもやるのまちがいか?

もくひょうを紙にかくというのは、姉の影響だろう。
忘れないよう、紙をキッチンの壁にはっておく。

「ぬいだくつしたをそこらへんにおかない」とか
「ピアノのレッスンバッグを元にもどす」とか
「読んだ本を本棚に入れる」とか・・・

りっぱなもくひょうより「とにかくかたづけよーよ!」
と言いたくなるのを、ぐっとこらえて笑顔をつくった母であった。

がんばれ、らら!



ミミコ、SM○Pを知る

2005-12-07 | ちょこっと童話?
ミミコは、米国に住む丸顔の女の子。借りてきた日本のビデオ番組を見ていた時のこと。何かのCMが流れた。

ミミコ 「あっ、次郎だ!」
ママ  「はっ?」
ママは、読んでいた本から目を上げる。

ミミコ 「今、次郎が出ていたよ」
ママ  「次郎ってだれ?」
ミミコ 「ほら、この前見た『エンジン』に出ていた人!」

『エンジン』とは、以前借りてきたビデオドラマのタイトルである。
ママは不審に思い尋ねた。
ママ  「あの人本当の名前、何ていうか知ってる?」
ミミコ 「ううん・・・」
ママは、ちょっぴり青ざめた。

ママ  「あの人は、『○村拓哉』っていう人なんだよ。ほら、SM○Pというグループのメンバーで・・・」
ミミコ 「SM○Pって?」

ママは、SM○Pを知らないミミコをしばし見つめた。ミミコは、きょとんとしている。

ママ  「男の人の5人組で、メンバーに慎吾ちゃんとか、くさなぎくんとかいて、紅白歌合戦で歌った人たちだよ」
ミミコ 「慎吾ちゃんは、知ってる!仮装大賞で見た!くさなぎくんは、どっちの料理ショーに出てるし」
ママ  「そうそう。その他になかいくん、ごろうちゃんがいるんだよ」
ミミコ 「へぇ~」

と、こうして小学2年生のミミコに、SM○Pを「解説」するママ。
ミミコ、日本に帰ったらお友だちと上手にお話できるかな?ちょっぴり不安になったママでした。  

ミミコとらら対決② -$1.69は安いか高いかの巻ー

2005-10-07 | ちょこっと童話?
「えーん、ミミコがうそついた~」ららがべそをかいている。
「どうしたの?」とママ。
「だって、1ドル69セントが安いって言ったんだよ~」
「そうなの?」ママは、ミミコの顔を見た。
「だって~・・・」というミミコをららはにらみつけている。

ママは、まず二人を落ち着かせた。それから、
「$1.69ってなんなの?」と姉のミミコに尋ねた。
「ハイチュウの値段だよ。私がパパに、ガム買ってきてってたのんだら、ららも欲しいって言って」
「ううん。でも私ガムもってたから、どうしようって言ったら、ミミコがハイチュウにしたらっていうから・・・」とすかさずらら。
「だってらら、ハイチュウすきでしょ!」
「でも、$1.69は高いじゃない!安くないよ」とららも負けていない。
「だから~、$1.69は$2よりも安いでしょ。だからそう言ったんだよ」

ミミコは1ヶ月分のおこづかい、$2が基準らしい。じゃ、ららの基準は?
「ううん、高いよ。こんなにお金出すんだよ!」ららは財布から小銭を出してうったえた。

ママは、ますますヒートアップするららを見てさとすように言った。
「いい、よ~く聞いて。値段が安いか高いかっていうのを人に聞いてもダメなんだよ。人それぞれ考えがちがうの」
「・・・」
反応のないらら。

「本当にほしいものなら高くても買えばいいし、それほど欲しくないものなら、安くても買っちゃダメ」
「・・・」
ぽかんとするらら。

5歳の子どもにはむずかしいかな?でも大事なことだから・・・と思って言い聞かせているママであったが、内心これは自分のことだと思えてきた。
「ららは本当にハイチュウが欲しいの?」

「こんなに高いんなら、ヤダ」
意外としっかりしているららに、ママも驚いた。
「じゃ、ミミコと同じ88セントのガムにしたら?」
「うん、そうする」

しばらくして、ふと思いついたママは1ドル札2枚と$1.69を並べてららに尋ねた。$1.69は1ドル札1枚と25¢硬貨2枚と10¢硬貨1枚と1¢硬貨9枚である。

「どっちが高い?」
すかさずららは$1.69を指さした。

がーーーん。

さっき頭をよぎった「ららの基準」をたった今、ママは理解した。
そう、ららの基準は「小銭の数」だったのだ。小銭が全部で12枚。
「そりゃー高いよねぇ、らら!」とママはひとりごちたのであった。