本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

ゆっくりと、自分らしく。

2006年12月22日 | 日々のこと
フラメンコをお休みして静かに過ごし、平熱に戻したのですが、
心はあちこち欠けたジグソーパズル状態のまま。
夫の言葉になんだかびくびくしてしまって、
(こちらを傷つける意図は無いんだって、分かっていても…)
実家の母に電話で相談した。
「男の人はみんなそうなの」とか、
「相手も疲れているんだよ」とか、
「あなたのままでいいのよ、九州に行ったからって
変わる必要なんて無い」等と慰めてくれた母でしたが、
わたしが堪らず泣いてしまったものだから、
「お正月、ひとりで実家に帰ってきたら?」と言ってくれた。

それで、どうしようかな…と迷っていたのです。
でも夫がわたしの体調をとても心配してくれて、
「何にもしなくていいよ」と言うから本当に休んでいたら、
持ち帰った仕事を終えるのに精一杯で、
晩御飯も朝御飯も食べずに出勤してしまったので、
さすがに…もうちょっと頑張って支えよう、と。

決意した矢先…。
先日の“友人宅を夫婦で泊りがけ訪問”の件で、
また同じやりとりになってしまった訳だ。
「妻が行きたくないと言う理由が分からない。
自分一人で行ったら、せっかく夫婦で誘ってくれた
向こうに気を使わせるから、行かない」
と、夫が不機嫌に言い捨て、あとは話しかけても無視をするので、
もう心がボロボロになってしまい…。

平然と夕飯の支度を続けることができなかった。
行き場が無いものだから、別の部屋で母の声を聞いたら、
やっぱり気持ちが弱って泣き崩れてしまい…。
電話を切った後もしばらく涙と戦っていたら、夫に見つかって。
そこに到ってようやく正面から話を聞いてくれた。
ちゃんと分かるように理由を話してくれていたら…とか、
(ええーっ、話していたよ!夫は取り付く島もなかったけど)
こんなになるまで溜め込まなければいいのに…とか、
(“もう限界近い”サインは随分出してましたよ…)
まあ、ちょっと異論を唱えたいことも言われましたが、
とりあえずまともに聞いてくれた。久しぶりに。
それで完全に心が通じたとは思わないけど、
誠意は感じたので、里帰りはもう少し先に延ばしてみようと思う。

違和感を感じながらも、九州の流儀に慣れようと頑張ってきたけど、
わたしはわたしのまま…どこに引っ越しても、
頑固で打ち解けにくい東北女のままで、きっといいんだ。
わたしにはわたしの…人に接する距離というものがあるんだもの。
それを九州人の夫に分かってもらうには、
自分らしくなくてもガンガン強い言葉を使って、
激しく自己主張しなきゃいけないみたいだけど。
(誰かを傷つけるかも…なんて気遣って言葉を選んでいたら、
全然気にも留めてもらえないので、それもつらいんだぁ…)

「妻の言っていることは意味が分からない!」って、
また夫お得意のセリフが出たら、
(わたしはダメな人間なんだ…)と落ち込まずに、
「それはあなたの言語能力がゾウリムシ並みだからよ」って、
本気で返せるようになりたい。

   ※  ※  ※  ※  ※  ※

松谷みよ子の「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズは、
児童文学史上に残る名作ですが、
童話の中で両親の離婚を描いたということでも、
発表当時話題になったそうです。
その、パパとママがお別れすることになったいきさつの中で…
「くつ」が帰ってくる場面があるんですよ。
ある時から、ママにはパパの姿が見えなくなり、
パパの「くつ」だけが音立てて出かけ、帰ってくるように見える。
一体「くつ」に、どうやって話しかけたり、
御飯をあげたりすればいいんでしょうか…というようなお話が。
(細部が違うかもしれませんが…)
他にも、パパのような「歩く木」とママのような「育つ木」は、
一緒の植木鉢の中にいられない、というお話があって。
男女の心がすれ違い、離れていく時のことを、
すごくリアルに物語っている…という印象を受けたのです。
本当に、心が見えない「くつ」と暮らし続けるのは
難しいだろうなぁ…って。

そう。夫は今「くつ」の上の中身も、
(時々霞むけど)ちゃんと帰ってくるから。
もう少し、彼の人生にお付き合いしてみようかと思う。
自分の気持ちも大事にしながらね。