金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「家族のコンフリクト・マネジメント」ようやく脱稿しました

2021年07月09日 | ライフプランニングファイル
 ここ数カ月、月一回相続学会の依頼でメルマガに寄稿をしてきたのですが、先日漸く最終回の原稿書き終えました。
 これは「充実したシニアライフを送るためのノウハウ集」のようなもので、資産運用のように得意分野の話は書き易かったのですが、最終回の「家族のコンフリクト・マネジメント」は、不慣れな分野で筆が重かったです(笑)。
 コンフリクト・マネジメントとは企業組織を運営するヒューマンスキル論として発展してきたものです。コンフリクト(意見の対立)は、どんな組織でもあるものですが、それをネガティブにとらえず、組織を伸ばす材料にして行こうというのがコンフリクト・マネジメントの考え方です。
 このコンフリクト・マネジメントの考え方を家族の中にも展開してみようというのが今回の提案なのです。
 「売上を伸ばす」「利益を上げる」などの目的が共有されている会社の場合は、個人や組織間の意見の対立を高い次元でまとめてWin-Winの関係に持っていくことが可能ですが、現在の家族に共有する目的が存在するかどうかは疑問でコンフリクト・マネジメントが成立するかどうか気になるところでした。
(アメリカのウェブサイトを見ると家族のコンフリクト・マネジメントという情報は目にしますが)
 でもコンフリクト・マネジメント論の中から2つばかり家族間の問題解決にも直ぐに役立つ手法を紹介し何とか話をまとめることができました。
 その一つは「好意の返報性」という法則を活用することです。これは相手を好きになれば相手も自分のことを好きになってくれるという法則です。
 もっとも例外をあると思いますよ。例えばあなたが会社の若い女性を好きになったとしても、まず同じ程度の好意が返ってくることはないでしょうね(笑)。
 もう一つは「傾聴する」ということです。相手の主張が受け入れられない場合でも頭ごなしに否定しなしで、オウム返し的でもよいから相槌を打ちながら聴くということです。これで相手の態度はかなり柔らかくなります。
 原稿の中では「夫婦間では『上から目線はダメ」で、それぞれがある程度独立して行動する方が良い」などと書きました。
 紺屋の白袴的なところはあるのですが・・・

 人間関係は多くの人の悩みやストレスの種です。厚生労働省の調査によると、シニア層にとって「自分や家族の健康」に次ぐ悩み・ストレスの種が人間関係なのです。歳を取ると家族以外の人間関係は減ってきますので家族が悩み・ストレスの種になっている可能性が高いのです。
 釈迦は「怨憎会苦」(憎む人と会わなければならない苦しみ)を人生の八つの苦しみの一つにあげました。ちなみに八つの苦しみの中のもう一つの対人関係の苦しみは「愛別離苦」(愛する人と別れなければならない苦しみ)です。
 これらの苦しみを乗り越えるには自分の心の在り方を変えていく必要がある、と仏教は教えています(実践は覚束ないのですが)。

 今回一応原稿は書きましたが、この問題についてはさらに人生経験を重ねてまた書くことがあると思います。
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「次(秋)のコロナ危機」に身構えて米国株は大幅下落

2021年07月09日 | 投資
 昨日(7月8日)米国株は大幅下落した。ダウは約260ポイント0.75%下落、S&P500も0.86%下落した。
 下落の原因は感染力の強いコロナウイルス変異株(デルタ株)により、再び秋には感染拡大が起きうるという懸念が広がったためだ。
 7月4日の独立記念日にはマスクをしていない人が目立ったアメリカだが、事態は一直線には改善しないようだ。
 オーストラリア、南アフリカなどでは感染防止のための夜間外出禁止令が発令されるなど感染防止策が強化されている。
 CNBCでは日本の緊急事態再宣言(正確には東京・沖縄だと思うが記事はまとめて日本はstate of emergency を宣言したとしている。もっとも度々運用が変わる緊急事態宣言とまんえん防止等重点措置の違いを記事で説明するのは困難だし無意味だろう)とオリンピックの無観客開催もコロナの影響として話題になっていた。
 米国の新規失業申請件数が予想(350千人)を超えて373千人だったことも雇用市場の弱さと取られ売り材料になったようだ。
 元々6月下旬から先週まで株価の上昇速度が速かったため売り材料があれば売り込まれる地合いだったと思う。
 こんな中で一番注目しておきたいのは変異株の影響だろう。米国では変異株はワクチン接種率が低い州で感染率が高まると懸念されている。また従来型のオフィス勤務に戻る企業が増えつつあるが、感染拡大が進むと再びテレワークが増える可能性もある。
 昨日の株価の下げを牽引したのはクルーズや航空会社などレジャー銘柄だった。感染拡大と景気回復鈍化はインフレ懸念を後退させる。循環株には逆風が吹くかもしれない。
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