今日(2月6日)の日本株は強い。日経平均は前場で483ポイント上昇し、後場に入っても続伸し前日比2.2%以上の高値になっている。これは朝のエントリーで書いたが、コロナウイルスに対する治療薬報道が米国株を押し上げその勢いで日本株にも買いが入っていることが要因だ。
だがContrarianの私としては、楽観ムードの中に悲観材料を見てみたいと思う。それはコロナウイルス発生という悲観ムードの中にbuy the dipのチャンスを見出したことと同じ思考方法だ。このような振幅の大きな相場はトレンドフォロー戦略では大きな成果を上げることはできない。自分の中にシナリオを描いてそのシナリオに合わせて投資タイミングを図ることが必要だろう。
さて楽観ムードに水が差されるとすれば、その一つは中国の今後の経済成長が着目される時だ。今回のコロナウイルス騒動が中国経済の成長率にどの程度影響を与えるか?という予想についてはエコノミストの間でも意見が分かれている(当たり前だが)。
数字をあげる前にエピソード風にコロナウイルスの中国経済に与える影響を見てみよう。たとえば昨日北京政府は人々がお祭り、誕生日、学校行事などで集まって食事をすることを禁じた。このような集まりがウイルスの感染を促進したという判断からだ。この措置は北京経済に2割を占めるホテルやケータリングサービスに大きな影響を与えずにはおかない。
これは一例だが物流の停滞や会合・外食の制限・禁止、旅行や渡航の制限・禁止、工場生産の停滞などは容易に推測できるところだ。
2018年のGDP成長率は6.6%で、昨年2019年の経済成長率は6.1%だった中国経済。今年の成長率について例えばシティグループは成長率予想を5.8%から5.5%に引き下げている。
エコノミスト誌の調査部門Economist Intelligence Unitは成長率予想を5.9%から4.9%~5.4%のレンジに引き下げた。
このように多くのエコノミストは中国の経済成長率の引き下げ見直しを始めた。なお成長見通しを変えていないムーディーズのような機関も一部存在する。成長見通しを変えていないエコノミストは今年前半は経済成長率は鈍化しても後半には中国政府が強力な景気浮揚策を取るから通年ではそこそこの経済成長率を維持できるだろうという見方を取っているようだ。
これに対し私は少し皮肉に見方をしている。それは中国政府はコロナウイルスを奇貨として経済成長率の鈍化を容認するのではないか?というものだ。私は現在中国政府が発表しているGDPの数字には少し膨らませた部分があるのではないか?と想像している。コロナウイルス騒動はそれを調整する絶好の機会ではないだろうか?(下種の勘繰りかもしれないが)
ということで市場参加者が冷静に中国経済の見通しを考え始めると楽観ムードに水が差され株価が下落する局面がでる、というのが私の判断だ。その時投機家に鼻づらを引き回される代表的資産クラスが日本株だ、と考えているが如何なものだろうか?