金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「こくりこ坂」から片恋の想い出へ

2011年08月15日 | うんちく・小ネタ

映画「こくりこ坂」を見て感じたある種の郷愁をたどっていくと、自分の拙い片恋に思い当たる。

田舎の小学校(といっても一応京都市内なのですが)から、編入試験で京都の名門附属中学校に進んだ僕が見たものは垢抜けした生徒達だった。小学校ではほとんどの女の子は赤いほっぺで田舎じみていたが、都会の学校にはそんな子はいない。会話は振る舞いも華やかだった。そんな中でひときわ僕の関心を引いたのが彼女だった。小学校から進学してきたお嬢さんである。僕は彼女と仲良くなりたかったのだけれど、彼女の前に行くとほとんど話ができなかった。そうこうする内に「ヘンな人」と思われ、ついぞろくに話もしない内に私の「片恋」は終わってしまった。まったくお話にもならない話である。

それから約50年の歳月が経ち、去年関東地区で初めて同期会があり、僕は卒業以来始めて彼女に会った。不思議なことに(いや当たり前か?)、今回は実にすらすらと当たり障りのない会話を交わすことができた。彼女は2回姓が変わったという。つまり一度離婚して再婚、そして今はとても幸せだという。ちょっとした仕草の中に50年前のかすかな想い出が重なったが、目の前の彼女を見るときれいにお化粧しているものの、首回りのしわが目に付いた。(嫌な奴だな。俺は。こっちだって髪は白くて薄くなっているのに)ともう一人の自分が蹴りを入れる。歳月は時に残酷なものである。

分かれる時「握手」といって僕が手を差し出すと彼女も手を差し出した。それ以来彼女とは会う機会もないしまた特に会いたいとも思わない。美化された記憶は記憶の中に留まっているのがあるべき姿なのだろう。

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エコノミスト誌はQE3に否定的

2011年08月15日 | 金融

先週の米国株式市場は大荒れだった。前週金曜日のS&Pの米国債格下を受けて月曜日は大暴落。FOMC後の「金融緩和2年継続」発表で急上昇。そしてまた下落と上昇と過去に例を見ない程の乱高下を繰り返した。後半のリカバリーはあったものの、一週間を通じてはダウは175ドル下落した。

株式市場は連銀により強いカンフル剤の注射を求めているのだろうか?

これについてはエコノミスト誌はIf the economic slowdown continues, the Fed may have to dole out the hard stuff, in the form of more QE,later this year.と述べている。Hard stuffは俗語で「強い酒」および「大金」と言う意味だ。「経済のスローダウンが続くと連銀は恐らく量的緩和という形で大金を与える必要があるかもしれない」

だがその後、エコノミスト誌は「多くのウオッチャー達は量的緩和の効果は一時的なものだと考えている」と述べ、「量的緩和は株価押し上げに寄与した。株価上昇は実体経済の力強い回復を期待したものだったがそれは起こらなかった」というHSBCのエコノミストの言葉を引用している。

エコノミスト誌の主張は株式市場はいずれは量的緩和という悪習を止めるべきだというものだ。

ところで欧州は二番底の崖っぷちにいると言われているが米国もまたリセッションの危機にあるのだろうか?時々の経済データは景気予想に強弱混合したシグナルを送っている。先週金曜日の小売り売上高に関するデータは市場予測どおりだったが、中身を見ると市況性の強い車やガソリンの寄与より、家電、家具、衣料品の寄与が高かったことが消費景気の底堅さを示唆していると好感された。

ゴールドマンザックスによると、7月時点から約16%下落した株式市場の実体経済に与える影響は、2012年の経済成長を0.7%減速させるという。一方金利の下落とオイル価格の下落は経済成長に0.4%のプラス効果を与えるという。差し引き-0.3%、これが重荷であることは間違いないが、リセッションを引き起こす程ではないとエコノミスト誌のある記事The wrong time for recessionは述べていた。

☆  ☆  ☆

株価は何故かくも激しく振幅するのだろうか?一つの理由は先物、オプション等デリバティブの拡大に加えて、現物株の大量・高速売買手法が発達したことが上げられるだろう。加えて量的緩和の結果、市場の大量の資金が出回っていることもあげられるだろう。株や通貨の振幅を小さくすることが、目的であれば量的緩和はマイナスに作用するだろう。

ボラティリティの高さは知恵と勇気と投資の時間軸が長い人には収益チャンスを提供する。しかし退職者や退職時期の近い中高年には、リスク回避指向を高める。持続的な経済成長のためには激しすぎる市場の振幅はやはりマイナスなのだろう。

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「コクリコ坂から」、中々良い映画でした

2011年08月15日 | 映画

8月14日日曜日今日も暑い日。ワイフと車で武蔵村山のモール(ミュー)に「コクリコ坂から」http://kokurikozaka.jp/credit.htmlを観に行った。

「コクリコ坂から」の舞台設定は1963年、横浜の高校だ。港の見える丘の上にある古い洋館の下宿屋を切り盛りする主人公・松崎海は16歳だ。設定からすると海は1947年生まれで私より3歳年上になるが同世代である。

このアニメは高校生の人を恋うる心を初々しく描いたものだ。カルチェラタンと呼ばれる古い文化部部室の取り壊しをめぐるちょっとした紛争。

それらの出来事は多少僕達の青春にオーバーラップするものがある。清々しい映画だった。

映画が終わってモールの中で食事をしようと思ってもレストランの前には長蛇の列ができていた。お盆休みをモールで過ごす人で混み合っている。爽やかな気分は持続しないものである。

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