金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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金はきれいに使うもの

2006年09月25日 | うんちく・小ネタ

今日(9月25日)の日経新聞朝刊のインタビュー記事に作家 加藤 廣さんの話が出ていた。ポイントは次のとおりだ。

  • 清貧という言葉は好きではない。豊かな人も清く生きろという意味なら「清富」というべきだ。お金もうけは悪くないと思う。ただ、使える分以上はため込まないのが基本だ。
  • 「清富の思想」で大事なことは「お金があっても使うときはには、社会の役に立つようにきれいに使うことだ」
  • キリスト教の世界では金持ちが天国に行くのはラクダが針の穴を通るより難しいという教えが浸透している。大病すればわかるだろうが、お金は来世まで持っていけない。もうけたお金をきれいに使うことを日本人は忘れすぎている。

まったくその通りである。人間の欲望の内、食欲とか性欲といった動物本能的欲望は一度満たされると満足されるものだ。腹一杯になったライオンは草食動物が近くを通っても襲うことはない。

しかし金銭欲とか権力欲といった人間の欲望には際限がない。何故なら自然にブレーキをかける仕組みがないからだ。キリスト教にしろ仏教にしろ世界的な宗教の一つの役割はこの際限のない欲望に歯止めをかけることである。若い時から理屈抜きにこれらの宗教の教えを学び、貪欲さを戒めることが必要なのである。

戦後日本は信教の自由という旗印の下、子供達が宗教教育を受ける機会がなくなった。いや子供達だけでなく大人もお金を稼ぐ意味と使う意味を知らないままに老後を迎える様になっている。今必要なことは「如何にお金を増やすか」という投資家教育よりも「何のためにお金を増やすか」という人生教育の方かもしれない。死のその時「お金より大事なものがあった・・」などと後悔しないためにも。

コメント
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