レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

第12弾「バカだかクビにできないサルエ」

2009-04-22 12:02:20 | 小説
第12弾「バカだかクビにできないサルエ」

 「おじゃまするだすよ」
 「失礼します」
 椅子クソ兄弟は午後3時になると、
マツメの屋敷を訪問し、さっさとあがりこみ、
どうぞと言われる前にソファーに腰掛ける。
 「事件は解決しただすよ」
 「も、もうですか」
 「兄の言葉に間違いはありません。
その前にワインでも一杯」
 かおむは驚いているマツメに向かってずうずうしく言う。
 「サルエ、
先生方にうちにある最高級のワインをお出しして」
 「あのー」
 「兄はチーズが好物で」
 「サルエ、チーズもよ。
もちろん、最高級の」
 「あのー、最高級と言われましても、
奥様、チーズは」
 「全部、見せてくれだす」
 「兄が選びたいみたいです」
 「サルエ、そうしなさい」
 「かしこまりました」
 「ウメナさんはどうしただすか」
 マツメはあほむにそう言われたので、
キッチンへ行こうとするサルエを呼び止め
 「サルエ、ウメナを呼んで来なさい」
 「どちらを先に」と
 サルエが動揺する。
 「早い方でいいだすよ」
 「早い方ですか」
 サルエは首を傾げる。
 「サルエ、ウメナを呼ぶ方が
早いに決まってるでしょう」と
 マツメはいらいらして怒る。
 「僕の言い方が悪かっただすな」
 「サルエ、何をぼーっとしているの!
ウメナを呼んできなさい」
 「はい、かしこまりました」
 「すいません、本当にサルエは頭が悪くて、
本当は首にしたいんですが」と言いかけて、
 マツメは黙り込む。
 「何かクビできない事情があるんだすな」と
 あほむは笑った。
(続く)
 
   


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