サクラナ外伝フォー第2章「あおむが不満な理由」
翌日の朝、
ユリカが昨日のことをタマキに電話して話したのだった。
「あおくんらしいはね。
ユリカさんもまだあおくんのことわかってないのね?」
「どういうことですか?」
「昨日の話しを聞いた限り、
あおくんのはヤキモチじゃないのよ」
「そうなんですか?」
「そう。
なんというのかなあ?
お金の問題って言うのも変だし、
うーん?
まあ、気分的問題なのよ」
「気分的問題?」
「そう。
あおくんからすると、
凄く安くしては貰っているんだけど、
毎回支払うお金は同じでも、
出てくるもので差をつけられているでしょう。
それが気分的にイヤなのよ。
自分だけ損した気になっているのよ」 「えっ?
あおくんってケチなんですか?
そうは思えないですけど」
「ケチとは違うのよ。
とにかく、同じ扱いを受けないと不満になるタイプなのよ」
「うーん?
よくわからないんですけど」
「じゃあ、聞くけど、
あおくんだけど、
ウメナはちょっと別だけど、
あたしたちにはまったく同じように接していることはわかる?」
「あー、それはそうですねえ」
「理由がそれなのよ」
「それって?
うーん?
そのうち、わかるわよ。
あー、ごめん。
これからお店だから、
またその話しはゆっくりね」
「あー、すいません。
お忙しいところ」
「ううん。
こっちこそごめんね。
じゃあ、また」
タマキはユリカとの話しを終えて、
電話を切ると、
何故かにんまりとしたのだった。
(続く)