もとこもとめ伝説「かおむ射殺?」
「撃ちますか...」
「待て!
先生のそばに変な缶があるぞ」
「はあ?
たしかに」
「よく見ろ!
ほら、かすかだが動いているぞ!」
「さすが警部」
「いいか!
先生じゃなく、
あの缶を撃て!」
「はっ!」
若い警官たちは床で苦しみ悶えるかおむを撃つのをやめ、
警部が見つけたかおむのそばにある缶をいっせいに射撃した。
「変化がないどころか、
先生、
凄い苦しみようですが」
「いいからまた撃て!
あの缶の中動かなくなるまで撃て!」
若い警官たちはそう言われて射撃したが、
相変わらず、その缶はまるで弾を交わすような感じで素早く動き始めた。
「缶に気をとられず、
ぼ、僕を撃ってくれだす」
かおむは苦しみ悶えながらもそう言い張ったが、
警部が、
「いや、アレをまず仕留めないことには本体は死なないな!
さあ、撃て!」
と言って、
また、その缶めがけて発砲するよう命じたのだった。
(続く)