佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーの条件5――知っていながら害をなすことなかれ

2008-01-21 12:07:14 | リーダーの条件
マーケティングの教科書ではセグメンテーションという言葉がよく出てきます。昔は、これだけでコンサルタントの商売になったものですが、さすがに今では誰もが知っているので無理でしょうね。

老婆心で解説すれば、お客さんのタイプによって、対応を変えろということです。同じお菓子好きの人でも、老若男女好みは違うし、職業でも違う。肉体労働者は塩辛いものが好きだし、私のように眼ばかり使う人間は、どうしても甘いものが欲しくなります。

だから、顧客タイプを分類して、それぞれ異なる対応をしなければいかん、ということですね。

こんな当たり前なことをいまさら何だと言われそうですが、それができていないから困るのです。

「知っていながら、害をなす」。これはドラッカーさんの言葉ですが、これがリーダーがいちばんやってはいけないことなんですよねえ。

今朝のみのもんたさんの朝のニュース番組で、ガソリン税のことを言っておりました。

例として、富山県と徳島県が出ていましたね。富山県は、世帯平均で月一万円近くをガソリンに支払っているそうです。それに対して、徳島は6千円くらいでした。

富山は道路整備が非常に進んでいるそうです。ですから、住民の多くは、道路整備の金をもらうよりガソリンを値下げしてもらった方がよいという声が強いようです。

一方、徳島は道路整備が遅れているので、ガソリン値下げの意見は富山よりは少ないようでした。

東京や大阪のような都会の世帯消費は、月2千円から3千円台だそうです。

こうしてみると、地域によって、ものすごくガソリン税に対する考え方が違うのが当然だとわかります。それに加えて、地方では補助金による仕事の確保という問題も絡んできます。

となれば、セグメンテーションをして、地域ごとに最適な金の使い方をしたらどうかと考えるのは当然でしょう。

それはだれでもわかっている。多分、中央官庁だってわかっているでしょう。しかし、それができないのは、そういう組織構造になっているからです。

中央に金を集めて、それを分配する。その分配によって権力が生まれる。

もっと好意的に考えても、分配方式を公平に決めるのはなかなか難しい。そこで、勢い人口比とかそういったみんなが納得するような指標で分配することになります。しかし、それでは、上のような各地の細かい状況に合わせた分配はなかなか難しいでしょう。

私の結論としては、できるだけ地方分権にして、地域のイニシャチブでお金の使い道を決めるのがいちばんだと思います。そうすれば、ずいぶん無駄なお金が減ると思います。

残念ながら、国会はなかなかその方向に行かないで、ガソリン価格を下げるとか下げないとかばかりの論議になっているようです。ため息が出ますね。


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