S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

みんな大好き冷たいおっぱい

2005年07月29日 | つぶやき
いろんなニュースサイトで取り上げられていたコレ。

みんな大好き冷たいおっぱい

この情報紹介には、余計な説明はどこも省いてあり、わたしはスルー。
スルー、スルー、ときて、あんまりどこにでも出てくるもんだから、しつこさに負けてクリック。

わあ、豆腐だ。

この話を読みながら、ふと思い出す10年以上前のこと。
娘を連れて、母子通園の障害児療育施設の集団指導の中で。
ある日、小麦粉粘土あそびをやったんですよね。
小麦粉をこねて粘土状にする。
障害児の「感触遊び」としては、まあよくある教材なわけです、小麦粉粘土。
乳幼児期を対象にしたクラスで、対象は肢体不自由と中度から重度の知的障害。
運動機能の発達のいい子で座位がやっとの状態で、もちろん言葉を持たない状態ですから、口を開いているのは指導員と保育士と、母子通園でくっついてきている母親。
大人が大人同士で「子どものために話している」、まあ、日常的にはちょっと不思議な光景ではあります。

そのときにある指導員(女性)が、とても楽しそうに小麦粉をこね、その粘土状のものを子どもにさわらせてやりながら言いました。

「ほうら、おっぱいみたいね」

なんか、わたし、ぎょっとしてテレてしまって。

最初の子どもである娘は、生後まもなく状態が悪くなり入院。
退院まで手術を含めて、半年以上かかりました。
当初は病院の指示通り、母乳を絞って届けていましたが、すぐに「心臓腎臓疾患児用低塩分ミルク」に切り替えられ、用のなくなった「乳」は簡単に枯渇。
箱の中の呼吸器をつけられて昏睡する娘を眺めるだけの面会、病室の窓から機器につながれた娘を眺めるだけの面会。
そんな日々も長かったので、母子関係の中で「ふわふわおっぱい」などという記憶は何も持っていませんでした。
退院後も、再入院させたくない気持ちから「病院からの預かりもの」のように感じて、必死に薬飲ませたり、状態を観察したりという日々が続き、なんだか「ふわふわ」どころじゃなかった。
マイ聴診器も持ってましたし。

だから、なんというか、「おっぱい」は「おっぱい」などと発語されるだけで、ぎょっとしてしまうような、母親以前の状態のような母親であったんですよね、当時。

「ほうら、おっぱいみたいね」

いや~、なんというか、そのとても自然なしあわせに充ちたような言い方を聞きながら、思った。
母乳だのミルクだのってこととは関係なく、母子がいっしょにいることが原点の、当たり前に赤ん坊が母親に抱かれて、その顔のそばにおっぱいがあるというか。
そんな母子関係というものの成立の原点を語るフレーズなんだなあと。
そんなことを思いながら、第二子妊娠・出産は、「絶対このフレーズのしあわせ感を体感してやる!」みたいに思っていたなあと。

みんな大好き冷たいおっぱい 、食べてみたいです。

豆腐といえば、開発秘話のあるこんなものもあります、ご参考までに。

ひかるKunの”ちょうどのおとうふ”