「異邦人(いりびと)」は川端康成「古都」と谷崎潤一郎「細雪」へのオマージュとして、京都に半月滞在されて執筆された小説。
いりびと繋がりで「古都」を読んでみました。
もみじの古木の幹に、すみれの花がひらいたのを、千重子は見つけた。
・・・春のやさしさに出会った。

約61年前に書かれたとは思えない、やわらくて読みやすい文章で書かれています。
この本をガイドブック代わりに持って、「古都」巡りへ出かけたくなりました。
表紙の絵は東山魁夷、青が美しい。
メモ
・キリシタン灯籠、丹波つぼの鈴虫
・平安神宮の紅しだれ桜
・清水からの京の町の夕ぐれ、入り日の西山の空
・森嘉の湯豆腐
・仇野の念仏寺
・野々宮への小路「竹藪の底へはいって行く。」
・ささやかな社、皮のついたままの黒木の鳥居、小柴垣
・野々宮の前から、野道を行くと、ひろびろとひらけて、嵐山
・御室の有明ざくら
・植物園の楠の並木
・高雄の神護寺、槇尾の西明寺、栂尾の高山寺の、もみじの青葉
・北山杉
・瓢正の笹巻きずし
・麩屋町の湯葉半
・「御旅所」
・円い山の連なり、つらなりの音楽、木々の歌声、北山に多い虹のなかを通して、その音楽、歌声を聞いているような・・・
・菩提の滝
・青蓮院の楠
・白萩の花が、長い列に咲きつらなっていた
・正倉院ぎれ、古代ぎれ
・たとうの紙こより
・安楽寺の「かぼちゃ供養」、蓮花寺の「きゅうりふうじ」
・「虞美人草図絵」