庭の桜が八分咲きになった。大の字になって開いた花が、ふわふわと綿のように、枝や幹を飾りつける。
思わず見とれてしまう美しさに、桜の下で、宴会を楽しむ人々の気持ちがよくわかる。
桜に惹かれるのは、何も人間だけではない。ときには、蜜を求めた蜂がやってくる。私は、子どもの頃、何度も蜂に刺されたことがあるため、羽音を聞くだけで鳥肌が立つ。
花が散る頃には、毛虫が姿を現す。地面にパラパラとフンが落ちているときは、桜の下を通らぬよう、気をつけねばならない。過去には、アメリカシロヒトリが大量発生した年もあったそうだ。背中に長い毛をびっしり生やし、見ているだけで体中が痒くなるこの虫が、ウジャウジャひしめき合っている様子を想像すると、気が遠くなる。もし、今度同じことが起きたら、私は実家に非難するだろう。
先日、珍しいお客が来た。
スズメよりもひと回り小さな、緑色の小鳥である。枝にとまり、花にくちばしを突っ込んで、蜜を吸っているようだ。
何ていう鳥だろう?
初めて見る鳥だ。緑といっても「ウグイス」ではあるまい。ウグイスは、滅多に人前に姿を見せないというではないか。
そういえば、「ウグイ」という名の生き物もいた気がする。はてさて、どんな生物だったろうか。
調べてみると、コイ科の地味な魚だった。
「ウグイ」の複数形は「ウグイス」。なんつって♪
絶望的なジョークを思いついたが、人格を疑われてはいけないので、口外せずにおいた。
どうやら、この緑の鳥は「メジロ」というらしい。
3羽でやってきて、薄ピンクに彩られた枝の上を、好き勝手に渡り歩いている。体の重みで枝が揺れ、花びらがハラハラと散る。鉄棒のように枝で前転したり、サーカス顔負けの綱渡りをしたりと、曲芸師のような身のこなしに喝采を送りたくなった。
そうだ、カメラ、カメラ!
部屋からデジカメを持ち出し、数メートルの距離から構えても、メジロ3兄弟は逃げようとしない。野鳥は警戒心が強くて、撮影が難しいと聞いていたが、この鳥たちは人間に慣れているようだ。シャッター音に臆することもなく、悠々と舌鼓を打っていた。
5分ほど経ち、引き上げどきと見たのか、3兄弟は何の前触れもなく飛び立っていった。
あーあ、行っちゃったよ……。
取り残された淋しさと、ろくな写真が撮れなかったもどかしさに、私は落胆した。
しかし、30分ほどすると、またもや桜には緑色の姿が戻ってきた。しかも、今度は4羽に増えている。私は、3兄弟の長男が、彼女を連れてやって来たのではと想像した。
「今度こそ」と意気込み、ベランダに出てレンズを向ける。メジロたちは、先ほどと同じように、私にまったく気づかないのか、あるいは気づいたのに無視しているようだった。
ひょっとすると、こんな会話がささやかれていたのかもしれない。
「ねえ、近くに人間がいるわよ」
「ああ、さっきもいた奴だ。俺たちの写真を撮ろうと、無駄な努力をしているのさぁ」
「あはは、望遠レンズもないのに、無理よね~!」
はい、その通りです……。
頑張った割には、この程度の写真しか撮れなかった。非常に残念だ。
中央やや上のメジロ君が、おわかりになるだろうか。
メジロ君、今度は来るときは、ご両親も一緒にね。
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
思わず見とれてしまう美しさに、桜の下で、宴会を楽しむ人々の気持ちがよくわかる。
桜に惹かれるのは、何も人間だけではない。ときには、蜜を求めた蜂がやってくる。私は、子どもの頃、何度も蜂に刺されたことがあるため、羽音を聞くだけで鳥肌が立つ。
花が散る頃には、毛虫が姿を現す。地面にパラパラとフンが落ちているときは、桜の下を通らぬよう、気をつけねばならない。過去には、アメリカシロヒトリが大量発生した年もあったそうだ。背中に長い毛をびっしり生やし、見ているだけで体中が痒くなるこの虫が、ウジャウジャひしめき合っている様子を想像すると、気が遠くなる。もし、今度同じことが起きたら、私は実家に非難するだろう。
先日、珍しいお客が来た。
スズメよりもひと回り小さな、緑色の小鳥である。枝にとまり、花にくちばしを突っ込んで、蜜を吸っているようだ。
何ていう鳥だろう?
初めて見る鳥だ。緑といっても「ウグイス」ではあるまい。ウグイスは、滅多に人前に姿を見せないというではないか。
そういえば、「ウグイ」という名の生き物もいた気がする。はてさて、どんな生物だったろうか。
調べてみると、コイ科の地味な魚だった。
「ウグイ」の複数形は「ウグイス」。なんつって♪
絶望的なジョークを思いついたが、人格を疑われてはいけないので、口外せずにおいた。
どうやら、この緑の鳥は「メジロ」というらしい。
3羽でやってきて、薄ピンクに彩られた枝の上を、好き勝手に渡り歩いている。体の重みで枝が揺れ、花びらがハラハラと散る。鉄棒のように枝で前転したり、サーカス顔負けの綱渡りをしたりと、曲芸師のような身のこなしに喝采を送りたくなった。
そうだ、カメラ、カメラ!
部屋からデジカメを持ち出し、数メートルの距離から構えても、メジロ3兄弟は逃げようとしない。野鳥は警戒心が強くて、撮影が難しいと聞いていたが、この鳥たちは人間に慣れているようだ。シャッター音に臆することもなく、悠々と舌鼓を打っていた。
5分ほど経ち、引き上げどきと見たのか、3兄弟は何の前触れもなく飛び立っていった。
あーあ、行っちゃったよ……。
取り残された淋しさと、ろくな写真が撮れなかったもどかしさに、私は落胆した。
しかし、30分ほどすると、またもや桜には緑色の姿が戻ってきた。しかも、今度は4羽に増えている。私は、3兄弟の長男が、彼女を連れてやって来たのではと想像した。
「今度こそ」と意気込み、ベランダに出てレンズを向ける。メジロたちは、先ほどと同じように、私にまったく気づかないのか、あるいは気づいたのに無視しているようだった。
ひょっとすると、こんな会話がささやかれていたのかもしれない。
「ねえ、近くに人間がいるわよ」
「ああ、さっきもいた奴だ。俺たちの写真を撮ろうと、無駄な努力をしているのさぁ」
「あはは、望遠レンズもないのに、無理よね~!」
はい、その通りです……。
頑張った割には、この程度の写真しか撮れなかった。非常に残念だ。
中央やや上のメジロ君が、おわかりになるだろうか。
メジロ君、今度は来るときは、ご両親も一緒にね。
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
鳥餅は聞いたことがあります。
本当に鳥を取っていたんですね。
でも、何のために?
食べたりしたのかしら。
入力ミスは私もときどきしますよ。
見つけたときには教えてくださいね。
無理はないですね
昔は鳥餅というのがあって、枝に巻き付けて
メジロを捕まえたりしました
今は鳥獣保護法違反です
メジロかごなんかも、器用な叔父などは
自分で作っていました
拙ブログの間違いを教えてくださり、ありがとうございます
メジロは保護鳥だったんですか。
きっと、毎年花を食べに来ていたのだと思いますが、気づきませんでした。
花の時期が過ぎると、まったく寄り付きませんね。
現金です。
スズメのエサを横領するイメージにつながります(笑)
子どものとき、インコを飼っていました。
巣箱でメスが卵を温めるんですよね。
オスは一羽で放置され、止まり木にウロウロしていました。
雛が孵ると巣箱で育てていましたが、途中で死ぬこともあり、心配するほど繁殖しませんでした。
メジロは確か保護鳥で、飼育ができない種だったと思います。(多分)やつらはそれをいいことに、人間に対する警戒心が薄く、スズメなどの餌をガめる事もしばしば。(どっちがガめているかはさておき)繁殖の時期なのであちこちで見かけますね。はるやな~
うちの鳥も卵を産みましたよ。有精卵であれば数日後には雛がかえるかも
子供は喜ぶんですけど、世話すんのはだれやっちゅう話で。「これ全部かえったらどないすんねん」っていつも思います
そうね。
昨夜花見をしたけれど、結構冷えたかな。
もっとも、一昨日までだったら、もっと寒かっただろうけど。
夜桜を見たのは初めて。
暗くてイマイチだった。
やはり、明るいところで見るのが一番よさそうだよ。
お花のあとは、暖かいところでお食事しました。
シートの上はイヤだ。
ウグイスとスズメでは意思は通じないのかねぇ…。
携帯からだと無理かも(笑)
パソコンだとかろうじて見えると思うけど。
今日は靖国神社まで桜見物に行ってきました!
屋台がいくつも並び、賑わっていましたよ。
でも、やっぱりゴミが散らかるんだろうね。
仕事帰りに行ったら、時間切れでお参りできなかった(笑)
桜はキレイだったんだろうか…。
ウグイスのフンは美容にいいみたいだね。
カラスは陽水さんが試してみたら?(笑)
ただ、残念なのはゴミが放置プレイになってる事が残念です。
都会にもメジロがいるんやね…目の回りが白いからメジロと言われてるとか…(笑)
残念ながら写真の中から探すのは困難でした(笑)
家の近くにはまだまだたくさんのウグイスがいます。
あっ、先生!ウグイスの糞が化粧品に使われてるって聞きましたが…(笑)
カラスじゃダメなんかな(爆)