「一物全体」という言葉をご存じだろうか。これは、いわゆる「丸ごと食」のことで、野菜なら皮や葉も残さずに、魚なら骨や頭も含めて全てを食べるという意味だ。
マクロビオティックのレストランに行ったとき、初めてその意味を知った。食材は、丸ごとでバランスがとれているため、全てを摂ることで体のバランスも整えられるというわけだ。
以来、野菜や果物の皮むきをやめた。大根や人参、蕪などは、何の抵抗もなく受け入れられる。南瓜の硬い皮も、加熱すれば軟らかくなり問題ない。りんごや桃も、しっかり洗ってガブリといただいている。
問題はキウイである。あの毛深い皮を、口に入れるには勇気がいる。ゴールデンキウイならともかく、グリーンキウイは恐ろしくて、一度も立ち向かったことがない。
先日は、種なし巨峰に挑戦した。
私はワインが好きなので、葡萄にも深い愛情を感じている。一粒もいで皮を噛むと、瑞々しい果肉に加えて、ワインに似た果汁が舌先に広がってきた。
ところが、そのあとがいけない。幸せな気分になれたのは一瞬だけで、皮の苦みが背後から飛びかかってきた。いきなり、腰を蹴られたような衝撃が口に走る。
し、渋い!
梅干しみたいに口がすぼまり、シワシワになった気がする。しかし、ここで挫けてはならない。私は、赤ワインと白ワインの違いを思い浮かべた。赤ワインには果皮や果肉が入っているが、白ワインは果汁だけで作る。そして、私が好きなのは赤ワインなのだから、ここで皮を食べないことは許されない。なんとも支離滅裂な論理で自分を説得し、どうにか皮を飲み込んだ。
十粒ほど食べると、口に渋みの層ができ、歯医者の帰りのように味覚が麻痺してきた。
もう限界だ……。
巨峰の皮を、なめていたと反省した。
この前買った雑誌には、若返りのカリスマ医師、南雲吉則氏が載っていた。中には、目を疑うような発言が書かれている。
「私はミカンでも、栄養豊富な皮ごと食べます」
記事には、縦二つに切ったヘタつきミカンの画像が添えられていた。
まさか、ここまでするとは!
何の疑問も持たず、私は「ミカンは例外だろう」と考えていた。つくづく、自分の甘さを痛感する。
最近では、メロンが店頭に並ぶようになったが、「メロンでも皮ごと食べます」などと言われたらどうしたものか。
もうついていく自信はない……。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
マクロビオティックのレストランに行ったとき、初めてその意味を知った。食材は、丸ごとでバランスがとれているため、全てを摂ることで体のバランスも整えられるというわけだ。
以来、野菜や果物の皮むきをやめた。大根や人参、蕪などは、何の抵抗もなく受け入れられる。南瓜の硬い皮も、加熱すれば軟らかくなり問題ない。りんごや桃も、しっかり洗ってガブリといただいている。
問題はキウイである。あの毛深い皮を、口に入れるには勇気がいる。ゴールデンキウイならともかく、グリーンキウイは恐ろしくて、一度も立ち向かったことがない。
先日は、種なし巨峰に挑戦した。
私はワインが好きなので、葡萄にも深い愛情を感じている。一粒もいで皮を噛むと、瑞々しい果肉に加えて、ワインに似た果汁が舌先に広がってきた。
ところが、そのあとがいけない。幸せな気分になれたのは一瞬だけで、皮の苦みが背後から飛びかかってきた。いきなり、腰を蹴られたような衝撃が口に走る。
し、渋い!
梅干しみたいに口がすぼまり、シワシワになった気がする。しかし、ここで挫けてはならない。私は、赤ワインと白ワインの違いを思い浮かべた。赤ワインには果皮や果肉が入っているが、白ワインは果汁だけで作る。そして、私が好きなのは赤ワインなのだから、ここで皮を食べないことは許されない。なんとも支離滅裂な論理で自分を説得し、どうにか皮を飲み込んだ。
十粒ほど食べると、口に渋みの層ができ、歯医者の帰りのように味覚が麻痺してきた。
もう限界だ……。
巨峰の皮を、なめていたと反省した。
この前買った雑誌には、若返りのカリスマ医師、南雲吉則氏が載っていた。中には、目を疑うような発言が書かれている。
「私はミカンでも、栄養豊富な皮ごと食べます」
記事には、縦二つに切ったヘタつきミカンの画像が添えられていた。
まさか、ここまでするとは!
何の疑問も持たず、私は「ミカンは例外だろう」と考えていた。つくづく、自分の甘さを痛感する。
最近では、メロンが店頭に並ぶようになったが、「メロンでも皮ごと食べます」などと言われたらどうしたものか。
もうついていく自信はない……。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
でもさすがにミカンの外の皮はワイルドですね~!プリンスメロンならできるかもしれませんがマスクメロンは?スイカは出来そう!
って意外にやる気を出せばほとんどの食材も全部完職できそう~!(笑)
フグも全部いただくのかな…?
とにかく感謝してその命をいただくことが大切だと思います。
ま、キウイやメロンの皮は難しそうですな。
なんだか今までの自分が恥ずかしくなり、
残しておいてきんぴらにしております
岡山で数年前、皮ごといただけるぶどうが
研究されていました
試してみましたが違和感はありません
物によりけり、でしょうね
今年は無理でしたが例年、信頼できる農家の伊予柑で
オレンジピールを作っておりました
個人的には、林檎の皮と、スライスにした際のレモンの皮を食べるぐらい。
果物の皮は栄養がありそうな気はしてたけどね。
ワインが好きなら、同じ原料であるブランデーもいけるんじゃないの? 因みに、「ブランデー」は「焼いた葡萄」って意味らしい。
へえ。しらなんだ。はじめて聞く言葉です。
キウイとかはやめた方がよいのでは?(笑)何でもかんでもってわけにはいかないっしょ。一物だけに、剥いた方がよろしいのでは?あ、下ネタだめなんでしたね。削除削除。
巨峰にも多種あるのよね。母親が山梨出身で、山梨の名産には多少の知識があったりする。皮ごといける巨峰は結構少なくって、種なしの品種が多いかな。桃とかも皮ごとってのは難しい気がする…。
要するにチョイスとコンビネーションなんでないかい?
毎朝野菜(果物)ジュースを作って飲んでいますが、それに欠かせないのがレモン。
ネットで、無農薬をうたっているものを買っていますが、夏場は品切れになるようです。
仕方ないので、外国産を使いますが、皮ごと使うのはちょっと心配。
野菜を一物全体で使うとなると、みんな無農薬にした方がいいと思いますが、経済的にそれはちょっときつい。
ぶどうはいけそうな感じがするのですが、そんなにだめですか。
私もワイン大好きです。
さて、皮事食べるうんぬん言ってるけど自分で食べれると思う物は食べりゃイイんじゃないの?毛だらけのキウイなんか食えるかい?メロンの皮は漬け物にしたり出来ます。野菜、果物、魚、これらは皮ぎしに栄養がありますからその辺を考慮して美味しく頂きましょ(笑)
赤ワインには果皮や果肉が入っています。
白ワインには入っていません。
それで色が違うんですね。
赤は渋みや酸味が強いけれど、私はそこがいいと思います。
気合いを入れればほとんどの皮が食べられるかもしれませんが、なぜそこまでしてって気がしますね(笑)
フグを全部食べたら、こちらの命をいただかれちゃいますね(笑)
おっしゃる通り、必要な部位を食べるのが賢明かと。
今日も巨峰を食べましたが、皮はパスしました。
無理するほどのことじゃないし。
冷蔵庫にメロンが入っていますが、赤い果肉部だけにしときますわ。
あっ、ワタクシ、オレンジマーマレードがダメだったので、オレンジピールも苦手です。
好きな人にはたまらないみたいですね。
冷え対策にもいいようですが…。
皮も食べられるブドウとしては、甲斐路などもありますね。
巨峰は不向きだと思います。
姉から「アボカドの種も食べるの?」と聞かれたときには無言になりました(笑)