仕事で淡路島に行くことになった。
「どうやって行くんだろ。調べてみよう」
東京からだと新幹線で新神戸に出て、そこから高速バスというルートが一番早いらしい。新幹線を予約し、品川に向かった。
電車の遅延もなく、目当ての新幹線が到着するまで、あと30分もある。どこかでお茶しようとエキュートをふらつくと、サザコーヒーが目に入った。
カステラショートケーキなるスイーツと、将軍コーヒーを注文する。金色のカップに元気をもらえる上、ケーキのルックスに見とれ、朝からリッチな気分になった。
「おっ、ザラメ糖」
カステラというだけあって、スポンジの下には歯応え十分のザラメ糖がかくれんぼしていた。ジャリジャリした食感と甘みを楽しみ、お店を出た。エネルギーをチャージしたあとは、重い荷物も苦にならず、軽~い足取りで23番線のホームへ。
「えーと、何号車だっけ」
切符を見ると、13号車の13番となっている。
予約画面で「最も空いています」などと表示された車両で、トイレも近かったから何も考えずにポチッと押したのだが、キリスト教徒だったら絶対に選ばない座席だろうな……。
仏教徒へのダメージはなく、ほどなくランチタイムを迎えた。いくつもある駅弁から、私が選んだのはあなご弁当である。
「イケる、イケる」
幸せな飲み食いタイムのあとは読書と昼寝。退屈せずに新神戸に到着した。
ここから高速バス「かけはし号」に乗り換え、明石海峡大橋を越えて淡路島に入る。
当然ながら海が見え、地図の画像と視界とが重なる。一致したことを伝える「ピピッ」という音が、頭の中に聞こえてきた。
淡路島には淡路市、洲本(すもと)市、南あわじ市があり、中心となっているのは高速バスの終点となっている洲本市と聞いた。ここまで実に4時間半。近くはないが、すごく遠いわけでもない。所用を終えると、日没を迎える時間となった。
夕日の鮮やかさに目を奪われる。
夕食は日本料理。こちらは食料自給率が高く、玉ねぎをはじめとする野菜、刺身やわかめ等の海産物、酪農からの乳製品が島内で調達できるというから素晴らしい。
しかも、どの食材も味が濃くて風味豊かだ。お料理に喜んでいたら、島の方がこんな話をしていた。
「いやあ、島の外で食事をすると、アレ、こんな味なんだってガッカリするんですよね」
「でしょうね、これだけ美味しいものに慣れていれば、舌も肥えますもの」
外食の楽しみが減るのは気の毒かもしれない。
「ぜひ、淡路牛も食べてみてくださいね。神戸牛みたいなもんですから」
「へえぇ、それはぜひ。でも時間があるかしら」
茶碗蒸し、煮物、ご飯なども運ばれてきたが、写真も撮らずに食べてしまい、ラストのデザートが登場する。
「うーん、最後まで美味しい」
淡路島グルメはハイレベルであると十分理解した。
初日に買ったりもらったりしたお土産はこちら。
海苔は軽くて持ち運びに便利だし、味付け加減が絶妙なので、ぜひご賞味いただきたい。
移動と飲食に疲れ、ホテルでぐっすり眠った。
ホテルの朝食は和食だったが、どれも口当たりがよいので、朝はパンにこだわる私でも難なくいただけた。
「へっへ~、海苔をもらおうっと」
パリパリ、モグモグと食も進む。食後は淡路市に向かい、西海岸を通って高速バスに乗ることになっている。途中、どこかの店でランチタイムを確保するのだが、ひそかに「洋食がいいな」と企んでいた。
しゃれたLADY BIRD ROADに立ち寄り、買い物もする。
ここには農家のお店が入っており、玉ねぎやトマトに加えて、スープやドレッシングも買えた。
時間的にちょっと早いが、ここのレストランでお昼をいただく。店を選んでいたら、「淡路牛カツレツランチ」の看板を見つけ、感嘆の声を上げた。
「淡路牛だって! ここ、ここにしましょう!!」
「え、ええ、まあ、はあ、いいですよ」
同行者を強引に納得させて、気の変わらぬうちに中に飛び込む。メニューを見たら、これまた電光石火で「淡路牛カツレツランチを」と注文し、念願がかなった。
衣をつけるとカロリーは上がるが、ソースとなじんで肉の旨味もアップする。一切れ、二切れと順に頬張り、旅行のラストを締めくくる淡路の味を噛みしめた。肉質はやわらかでやや甘め。焼き加減もよく、気がついたら最後の一切れとなっていた。
「ごちそうさまでした~」
満足したあとは再び高速バスで新神戸へ。新幹線はまたしても13号車であった……。
次回は、阪神淡路大震災を語り継ぐ「野島断層保存館」での内容をお送りします。
現地に行くことで、29年前の災害で、報道から見えないものも知ることができました。
少しでも多くのことをお伝えできるよう頑張ります!
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「どうやって行くんだろ。調べてみよう」
東京からだと新幹線で新神戸に出て、そこから高速バスというルートが一番早いらしい。新幹線を予約し、品川に向かった。
電車の遅延もなく、目当ての新幹線が到着するまで、あと30分もある。どこかでお茶しようとエキュートをふらつくと、サザコーヒーが目に入った。
カステラショートケーキなるスイーツと、将軍コーヒーを注文する。金色のカップに元気をもらえる上、ケーキのルックスに見とれ、朝からリッチな気分になった。
「おっ、ザラメ糖」
カステラというだけあって、スポンジの下には歯応え十分のザラメ糖がかくれんぼしていた。ジャリジャリした食感と甘みを楽しみ、お店を出た。エネルギーをチャージしたあとは、重い荷物も苦にならず、軽~い足取りで23番線のホームへ。
「えーと、何号車だっけ」
切符を見ると、13号車の13番となっている。
予約画面で「最も空いています」などと表示された車両で、トイレも近かったから何も考えずにポチッと押したのだが、キリスト教徒だったら絶対に選ばない座席だろうな……。
仏教徒へのダメージはなく、ほどなくランチタイムを迎えた。いくつもある駅弁から、私が選んだのはあなご弁当である。
「イケる、イケる」
幸せな飲み食いタイムのあとは読書と昼寝。退屈せずに新神戸に到着した。
ここから高速バス「かけはし号」に乗り換え、明石海峡大橋を越えて淡路島に入る。
当然ながら海が見え、地図の画像と視界とが重なる。一致したことを伝える「ピピッ」という音が、頭の中に聞こえてきた。
淡路島には淡路市、洲本(すもと)市、南あわじ市があり、中心となっているのは高速バスの終点となっている洲本市と聞いた。ここまで実に4時間半。近くはないが、すごく遠いわけでもない。所用を終えると、日没を迎える時間となった。
夕日の鮮やかさに目を奪われる。
夕食は日本料理。こちらは食料自給率が高く、玉ねぎをはじめとする野菜、刺身やわかめ等の海産物、酪農からの乳製品が島内で調達できるというから素晴らしい。
しかも、どの食材も味が濃くて風味豊かだ。お料理に喜んでいたら、島の方がこんな話をしていた。
「いやあ、島の外で食事をすると、アレ、こんな味なんだってガッカリするんですよね」
「でしょうね、これだけ美味しいものに慣れていれば、舌も肥えますもの」
外食の楽しみが減るのは気の毒かもしれない。
「ぜひ、淡路牛も食べてみてくださいね。神戸牛みたいなもんですから」
「へえぇ、それはぜひ。でも時間があるかしら」
茶碗蒸し、煮物、ご飯なども運ばれてきたが、写真も撮らずに食べてしまい、ラストのデザートが登場する。
「うーん、最後まで美味しい」
淡路島グルメはハイレベルであると十分理解した。
初日に買ったりもらったりしたお土産はこちら。
海苔は軽くて持ち運びに便利だし、味付け加減が絶妙なので、ぜひご賞味いただきたい。
移動と飲食に疲れ、ホテルでぐっすり眠った。
ホテルの朝食は和食だったが、どれも口当たりがよいので、朝はパンにこだわる私でも難なくいただけた。
「へっへ~、海苔をもらおうっと」
パリパリ、モグモグと食も進む。食後は淡路市に向かい、西海岸を通って高速バスに乗ることになっている。途中、どこかの店でランチタイムを確保するのだが、ひそかに「洋食がいいな」と企んでいた。
しゃれたLADY BIRD ROADに立ち寄り、買い物もする。
ここには農家のお店が入っており、玉ねぎやトマトに加えて、スープやドレッシングも買えた。
時間的にちょっと早いが、ここのレストランでお昼をいただく。店を選んでいたら、「淡路牛カツレツランチ」の看板を見つけ、感嘆の声を上げた。
「淡路牛だって! ここ、ここにしましょう!!」
「え、ええ、まあ、はあ、いいですよ」
同行者を強引に納得させて、気の変わらぬうちに中に飛び込む。メニューを見たら、これまた電光石火で「淡路牛カツレツランチを」と注文し、念願がかなった。
衣をつけるとカロリーは上がるが、ソースとなじんで肉の旨味もアップする。一切れ、二切れと順に頬張り、旅行のラストを締めくくる淡路の味を噛みしめた。肉質はやわらかでやや甘め。焼き加減もよく、気がついたら最後の一切れとなっていた。
「ごちそうさまでした~」
満足したあとは再び高速バスで新神戸へ。新幹線はまたしても13号車であった……。
次回は、阪神淡路大震災を語り継ぐ「野島断層保存館」での内容をお送りします。
現地に行くことで、29年前の災害で、報道から見えないものも知ることができました。
少しでも多くのことをお伝えできるよう頑張ります!
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