これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

「印象、日の出」のある部屋

2015年10月08日 22時52分16秒 | エッセイ
 大学1年の娘は印象派が好き。
「モネが『印象、日の出』を公開したとき、未完成の絵みたいだとバカにされて、印象派と呼ばれるようになったんだって。中学の美術の先生が言ってた」
 その「印象、日の出」が21年ぶりに日本にやってくるのだからたまらない。
「やった、やった! 絶対見に行こう」
 場所は、東京都美術館。オシャレなレストランが2つ、カフェが1つあり、ショップや美術情報室も充実した居心地のよいところである。



 9月19日から始まった展示だが、10月に入ってからも混んでいた。ただし、作品数は90点のみなので、並べば近くでじっくり堪能できる。
 リーフレットから、いくつか気に入った絵を紹介してみよう。
「トゥルーヴィルの海辺にて」



 左の女性はモネの妻であるが、水着を着ていない。当時はなかったのだろう。
 私の感覚では、泳がないなら海に来る意味がない。でも、この時代の人々は、寄せては返す波や、果てしなく広がる青い海原を見て、十分楽しめたようである。
「オランダのチューリップ畑」



 この絵は、水平線の高い位置、色彩などから浮世絵の影響が見てとれるそうだ。私は緑の空が印象に残った。
 クライマックスは、やはり「印象、日の出」



 モネ展は12月13日まで開催されるが、この絵は10月18日までしか展示されない。
「朝日のオレンジ色には、希望とかワクワク感が詰まっているよね。だから好きなんだ」
 娘は興奮して、絵を見る人の列に加わった。最初は近くで、次は離れたところから心ゆくまで。
 モネは「モティーフの狩人」と評されたという。さまざまな風景の中から、絵になる景色を素早く切り取り、形にする能力が高かったとか。きっとこの絵も、迷わず構図を決め、勢いよく絵筆を走らせて、イメージ通りに仕上げたのであろう。
 とりわけ、透明感のある淡い色づかいには惹かれる。娘のみならず、私も見ることができてうれしい。
「バラの小道、ジヴェルニー」



 一方で、最晩年の絵はよくわからない。展示のラストであったが、ここは足早に通り過ぎた。
 おみやげに、「睡蓮」のクリアファイルと



「印象、日の出」のA4ポスターなどを購入した。きれいな額縁を買って、部屋に飾りたいと娘にねだられたのだ。美しいものがあれば、乱雑な部屋も多少は片づくかもしれない。
 ランチは美術館内のレストランで、モネ展期間限定コースをいただいた。



 素敵な絵を見て、美味しい料理を食べる。何とぜいたくな一日だろう。
 公園口から駅に入ると、カフェがあった。急にカフェラテが飲みたくなり、呼ばれるようにドアをくぐる。
 ここのカップは上野らしくパンダ、ラテアートはクマである。



 飲むのがもったいないくらい可愛いし、味もいい。
「あっ」
 さらに驚いたことに、壁には「印象、日の出」のポスターが、額縁に入って飾られているではないか。



 そうそう、これこれ。
「印象、日の出」のある部屋は、明るく照らされている。


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コメント (10)
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