これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

混み混みツタンカーメン展

2012年08月23日 20時31分09秒 | エッセイ
 上野の森美術館で開催中の「ツタンカーメン展 -黄金の秘宝と少年王の真実-」に行ってきた。



 混雑しているとは聞いていたが、お盆明けの平日だからさほどでもないだろうと侮り、ゆっくりランチを楽しんでから会場に向かった。
「ただいま、4時30分から4時45分にご入場できる整理券をお配りしております!」
 美術館の前では、「KING TUT」とプリントされたTシャツを着たスタッフが、拡声器片手に声を張り上げている。どうやら、混雑のため入場制限をしているらしい。
 ギャッ!
 時計を見ると、3時になったところだ。仕方ない。一時間半待つか……。私は整理券を受け取り、お茶を飲みながら時間をつぶした。



 なぜ、「KING TUT」と書かれているのかと、素朴な疑問が浮かんでくる。調べてみると、ツタンカーメンは厳密に発音すると「トゥト・アンク・アメン(Tut-ankh-amen)」となるらしい(wikipediaより)。それで「KING TUT」なのだろう。ひとつ、お利口になった。
 やっと時間がきて、美術館に入ることができた。だが、入場制限をしても、中は相当混んでいる。せっかくの展示だから、近くでじっくり見たい。ガラスケースの前には四重五重に人垣ができており、動いているのかいないのかわからない。イライラしつつも、列の最後尾についた。
 何分も待てば、列が動き展示品が見えてくる。3300年も前に作られたものなのに、色鮮やかで長い時間の経過を感じさせない作品ばかりだ。あるものはまばゆく輝き、あるものはどっしりと鎮座している。どれもこれも立派で、イライラが刹那に吹き飛んだ。
 特に感動的だったのが、ツタンカーメンの曾祖母にあたるチュウヤの人型棺である。


(リーフレットより)

 大きさに圧倒されるのはもちろんのこと、光を浴びた金箔には細やかな絵や呪文が刻まれており、実に華やかだ。王家の権威が感じられ、いつまでも眺めていたくなる。
 有翼スカラベ付き胸飾りも美しく、吸い寄せられるような魅力がある。スカラベとは、フンコロガシと呼ばれる昆虫のことである。丸めたフンを運ぶ習性があるため、古代エジプトでは太陽神の象徴となるところが面白い。迷わずクリアファイルを買った。



 展示の後半は金箔のオンパレードで、成金趣味の私に向いている。金もまた、太陽神の象徴であり、神々の肉体として神聖視されていたという。たしかに、太陽の力強い照射と、金のきらめきには通じるものがある。信仰に納得する現代人も多いだろう。
 あとは、見てのお楽しみである。20世紀まで発見されなかったため、盗掘されることもなく眠っていた副葬品の数々が、貴方を魅了するに違いない。
 
 美術館を出たあとは、グッズ売り場に行った。
 なんとも受け入れがたいのが、「ツタパン」という名のキャラクターだ。



 単純に、上野のパンダと、ツタンカーメンを組み合わせたものらしい。安易だ、安易すぎる。
「……なにこれ、変」
 眉を寄せてぼやくと、隣の娘がフォローする。
「え~、可愛いじゃん! ストラップ買っていこうっと」
 私の美的感覚では却下なのだが、娘には好印象を与えたらしい。
 食べ物もあった。チョコレート、ホワイトチョコレートのかかったバウムクーヘンと、



 ピラミッド型のクランチチョコレートを買う。



 どちらも冷蔵庫で保管する。
 何日か経ってから、クランチチョコレートを食べようと思い、箱を開けてみた。たしか、6個入りのはずである。
 しかし、1個しか残っていない……。



 大変!! 王の墓が荒らされました~!!


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コメント (14)
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