これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

三匹のグラス

2010年08月19日 20時42分16秒 | エッセイ
 夏休みを利用して、いただきものの食器やグラス類を整理した。
 ちょうど、シンプルなワイングラスに飽きてきた頃だ。おニューのグラスをおろして、心機一転を図りたい。
 グラスは3種類見つかったが、食器棚には1個分の空きスペースしかない。



 右の大きなグラスは、シャンパン向きだが、シンプルな魅力がある。
 中央の中くらいのグラスは、たっぷりの量が入りそうだ。
 左の小さなグラスは、切り子細工が施されていてオシャレだ。
 さて、どれにしよう。

 童話の『三匹のくま』では、女の子が留守中のくまの家に入り込み、小さな皿のスープを選んで飲む。大きな皿と中くらいの皿のスープは、まだ熱かったからだ。椅子も、大と中はスルーして、ちいサイズを選択し壊してしまう。そして、小さなベッドに潜り込み、ふがふがと寝てしまう。
 私も女の子になった気分で、大きなグラス、中くらいのグラス、小さなグラスのどれかを選んでみたい。

 まずは、大きなグラスを手に取る。
 これは、大学で仲良しだった男友達が、結婚祝いにわざわざ岡山から送ってくれたものだ。
 私をイメージしたからこそ、スリムなグラスになったに違いない。まったく、好きなら好きって言えばいいのに……。
 妄想に支配され、あっさり「これにしよっ」と決める。
 だが、問題があった。
 グラスが長すぎて、食器棚に収納できないのだ。これは想定外である。
 却下!!

 次に、中くらいのグラス。
 重くてゴツゴツしており、まるで夫のようだ。
 たしか、これは結婚式場でもらった記念品である。上部に彫られた鐘のマークがダサい……。
 却下!!

 残るは小さなグラスだ。
 おそらく、これも、誰かが結婚祝いにくれたものだろう。
 でも、その誰かが思い出せない……。
 こんなことを公にすると、「アタシがあげたのに、ひどいっ!」とお叱りを受けそうで怖い。
 だが、思った通りグラスは、予定の場所にスッポリ収まった。
 よしよし。
 かくして、私も『三匹のくま』に登場する女の子のように、小さなグラスを選ぶ結果となった。

 このグラスに注ぐのは、透明ワインだ。
 赤や白、ロゼでもなく、クリスタルなこのワイン、別名を水という。



 ただいま、禁酒中でございます。




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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (14)
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