Saraの人生右往左往

『人生は長い旅路である』
Saraの“あっちふらふら、こっちふらふら”な由無しごと

漂泊への郷愁

2007-01-22 23:59:57 | Everyday Life
あたしには、前世で住んでたんじゃなかろうか?と、思う土地が3つある。

1つ目はHawaii。
今までOahuだけなのだけれど、8回訪れている。
8年前に訪れたときは、帰りのチケットを破り捨てて3ヶ月住みついた土地。
ブランドショッピングもせず、観光もせず、ひたすら海に通った3ヶ月。
ガイドブックを持たず、有名レストランで食事もせず…
生活者としての目線で見ることができた日々。

2つ目はNew Orleans。
こちらは3回。
Dexi Land Jazz、そしてDown to earthな空気感。
すべてがしっくりくる。
自分が街角に立っていることだって、偶然ではなく仕組まれたことだと思うくらい。
写真を撮ったら、多分パズルの1ピースのようにあたしが写っていることだろう。

3つ目はMalta Island。
ここは1回だけなのに、裏通りの石畳や海の見える坂道、
そいういった全ての景色に見覚えがある気がした。

これらの土地への共通の思いは、
『遠く離れていても、あなたの娘を見守っていてね』という思いだ。

旅に出て、知らない土地を歩いてみることも大好きだけれど、
母なる地でゆっくり羽を休める。
そんな気持ちになるこれらの地。
芭蕉のように、【旅を住処】とできたらどんなに素晴らしいだろう




昨日、黒井健さんという画家の個展(@銀座松屋)にダンナと出かけた。
そこで見つけた画集がこれ。



黒井健さんが、黒井さんの英会話の先生のTimothyさんと、
ミシシッピ川を30日間カヌーで下ったときの様子を、
簡単なエッセイと絵でまとめた本。

思わずミシシッピという文字に反応して買ってしまった。
ミシシッピはNew Orleansの象徴のような川だから。

でも、この本に書かれている旅は、Lake ItascaからSt. Louisまでで、
New Orleansの随分前で中断してしまったようだ。


それでも、見ていてとてもワクワクした。
30日も川をカヌーで下り、川沿いでキャンプして星空の下眠り、美しい空の下で過ごす。



これを幸せと呼ばずして、何を幸せというのか。

確かに、雨も降れば風も吹き、大変な思いもしたはず。
でも、自分の小ささをきちんと実感できるなんて、とても幸せなはずだ。
大自然と小さな自分。
黒井さんはとても幸せだっただろう。
それは、黒井さんがこれを本にしたことからも分かる。
とても、やさしくてあたたかい絵。

この本を手にして、あたしがなぜ女性に生まれたかをはっきり悟った。
もし男性だったら、一生をこんな旅に費やしてしまっただろうから。
そしてどこかで野垂れ死にしていたことだろう。

神様は、ちゃんと見ているものなのだなぁ。



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