Saraの人生右往左往

『人生は長い旅路である』
Saraの“あっちふらふら、こっちふらふら”な由無しごと

高野へんろ路 Vol.2

2009-10-14 18:07:27 | 
【9月21日(月)】

高野山滞在2日目。
昨日部屋を変えてもらったが、今日は戻らなくてはならない。
朝の勤行後朝食を摂り、荷物をまとめて元の部屋へ。
まだあのテレビの音のうるさかった家族はいた。
しかも、入口のふすまを開けっぱなし…
いや、人の勝手ではあるけれど、敷きっぱなしの蒲団は丸見えで、
その上に寝転んでいるお父さん。
荷物も散らかり放題。
元々宿坊は修行の場であるので、プライバシーなど考えられていない。
そこに様々な現代機器を持ち込んだものだから、色々ややこしい。

取りあえず、九度山目指して出発。
8時半ちょい過ぎのケーブルカーで山を下った。
こんな時間のケーブルカーには、さすがに乗客は少ない。

極楽橋で南海鉄道高野線に乗り換える。
九度山まで約20分。
また、その途中で突然深い眠りに一瞬落ちた!
これは…一体なんだろう?

九度山駅で降りると、「真田の里」という赤い幟がたくさん立っている。
去年もこの赤い幟は見たけれど、まさかここから登ることになるとは…
地図に従い、手始めに真田庵に向かう。
真田庵は真田親子が暮らした場所。
ここには今真田大権現が祀られている。
そして、小さな真田博物館も併設されている。
そして、結構人がいた。
やっぱり歴史ブームなんだな~
寺務所兼社務所をお手伝いに来ていたおばちゃん2名としばし談笑。
商売繁盛のお守りに(なるかどうか知らないけれど)、真田紐を購入。
真田紐は、真田親子が再起のための軍資金を集めるために売っていたもの。
これで資金が集まったんだから、きっと商売繁盛のお守りになるに違いない。



途中裏道に入ると、真田に関するアンテナショップが!
幸村、大人気なのね。
電柱には真田十勇士のキャラが描かれているし。
真田で町興しなのかしら…

さらに進んで慈尊院へ。
ここはお大師様のご母堂を祀ったお寺で、子育て・安産のご利益があるとか。
絵馬じゃなくて、布でできたおっぱいがたくさん奉納されている。
そこから階段を登る途中に町石の180番目があり、
更に登ると丹生省官符神社がある。



真田庵で予定時間より遊びすぎたため、スピードアップ!
勝利寺に参拝し、展望台を目指した。
まだまだ舗装道路。

展望台に着いたところ、年配のご夫婦に行きあった。
さっき途中で抜かしてきた人たちだ。
「若い人は早いわね~」などと会話を交わす。
展望台から先に進み、ちょっと道に迷った。
でも、去年の二の舞はご免だから、展望台に戻り再度道を確認し、
慎重に進むと町石が見えてきて、ちょっとほっとした。
昔の人はこの町石を頼りに歩いて行ったんだよねぇ。
これを作ってくれた人に感謝しきり。

いよいよ山道に入った。
晴れていたけれどそれほど気温の高くもなく、乾燥して爽やかな天気。
でも、山道に入ったらやっぱり汗が滝のように流れる。
ペースを上げなくては、大門から見る夕日に間に合わない。
まだ午前中だけど、地図を見つつペース配分を考えた。

六本杉に到着。
ここから少し回り道して、丹生都比売神社を巡る。
丹生や丹という言葉は、水銀を表すそうである。
水銀は金を生成するのに欠かせなかったということだから、
丹という言葉のつく地名は、かつてそこで金が産出されたことを意味する。
高野山一帯は金が出たため、金銭的にも豊かだったに違いない。

歩いて行くと舗装された道路に出た。
そして丹生都比売神社。
丹生都比売は天照大神の妹君と伝えられており、
空海が高野山を開くにあたって力を貸してくれた女神とのこと。
神社のエネルギー自体が開けてとても明るい。
そして神職さんたちがみんな気さく…(笑)
この境内のベンチをお借りして、昼食に持ってきたパンを食べた。
しかし、疲れで食欲があまりない。



丹生都比売神社の周囲には大小様々なかえるがたくさんいた。

さらに進んでいくと、また山道に入った。
ここでダンナがペースダウン。
とっても疲れた顔で無言で歩いて行く。
しかし、こんな山道でギブアップしても、誰も助けてくれないのだ(苦笑)

二つ鳥居の手前の、「金剛童子の杖の跡」で写真を撮ろうとしたら、
ファインダーに白い影が横切るのが見えた。
でも写真には何も写っていない。
この土地の精霊だろうか?

取りあえず二つ鳥居に到着!



でも、まだまだ先は長い!

どんどん進んでいくと、国道と交差する地点に出てきて、残り少し。
ここには自販機があったので、コーラを買って飲んで、ひと心地。
食欲はないけれどしょっぱいものは食べたい。
持ってきたお煎餅を二人でつまんだ。

最後のラストスパート。
ここからはお大師様の結界に入って行くのだ。
袈裟掛石というのが結界の境界線だ。



南海鉄道で急に眠くなる辺りの標高が、ちょうどこの辺り。
結界を出たり入ったりするのって、体力がいるんだな~と納得。
ここからは登りもきつくなってくる。
ペースを落とすと日没に間に合わない!
二人で無言でちゃかちゃか登る。

最後のきつい登りを超え、なんとか大門へ!



なんとか間に合った!

夕日を堪能し、更に壇上伽藍へ。
ここに町石の1番目があるのだ。
その前で記念撮影。

宿に戻る途中で商店によりアイスを買って食べた。
おいしかった~!!
宿坊に着き、着替える間もなく夕食。
昨夜のうるさかった親子はチェックアウトしたらしく、ほっと安心。
代わりに入っていた親子はとてもお行儀が良かったので、
こちらも気を使い、テレビなどの音は控えめにした。

それにしても、ものすごい達成感である。
昔の人はこれを登って参拝したんだよな~
昔は本当に様々なことが自分の思い通りにならなかったと思う。
栄養状態も悪い中で参拝し、
高野山に無事着いたらきっとそれだけでご利益があると思ったのだろう。
自分の意思で歩く。
そんな昔の人に思いを馳せた一日だった…

続く…

高野へんろ路 Vol.1

2009-10-04 12:59:18 | 
今年初めての試みだというシルバーウィーク。
ただし、次回の9月の大型連休は5年後だとか6年後だとか…

そのシルバーウィークは、昨年お盆に訪れた高野山に再び。
昨年は狐に化かされ(?)、女人道を踏破できなかったのだけれど、
今年はさらに距離を延ばして、九度山から高野山へ登るという、
23kmの高野へんろ路に挑戦した。

【9月20日(日)】
世の中はシルバーウィーク2日目。
東名高速道路55km渋滞という狂乱のさなか、新幹線で新大阪へ。
連休なのに新幹線が割と混んでいなかったのは、
やっぱり高速道路1000円という政策のせいなのだろうか。
これにはいろいろ物申したいところだけれど…(苦笑)

新大阪から難波に出て、南海鉄道高野線に乗り極楽橋まで。
天空にも乗ってみたかったけれど、1日2往復しか出ていないのだそうだ。
朝作ったスパムむすびやらスナック菓子など食べながら、
1時間20分弱で極楽橋に到着。
ここからケーブルカーで高野山へ入った。
勾配45度はありそうなケーブルカーだ。

まず、今日から2日間のお宿となる「蓮華定院」へ。
ここは真田昌幸、幸村親子が高野山に流されたときに仮の宿としたお寺。
真田所縁の品々が所蔵されているという。
宿のあちこちに真田の旗印である六文銭や、家紋である結び雁が見える。

歴女の影響か、はたまたお彼岸だからか、お盆より混んでいる高野山。
通された部屋は元々茶室だったらしく、天井がめちゃくちゃ低い。
身長182cmのダンナがさっそく頭をぶつけた。
以前チャネラーのmasamichiさんに聞いた話によると、
引っ越しや旅行などの節目となるときに怪我をするのは、
そこに至るまでの間に、その変容に見合う対価を払っていないからだとか…
その後ダンナは足もしたたかにぶつけ、涙目でその禊を受け入れていた(笑)

標高900m近い高野山では、午後3時では既に夕方の日差し。
午後5時に閉門となる奥の院には最初にご挨拶しなくては!
奥の院には、弘法大師空海が入定なさっている。
その結界はいまだ有効であることを感じられる場所だ。

ぶらぶら歩きながら奥の院に向かうと、前回以上の人ヒトひと…
若い女性のグループが、「謙信公よ!!!」と言いながら、
上杉謙信のお墓に群がっていた。
これが噂の歴女か~!!

午後4時半、奥の院の最奥の御廟の前に到着。
ツアーの団体客が群がっていた…
前回感じたお大師様の強いエネルギーは、今日は感じられない。
人が多くてざわざわしすぎているからだろう。
般若心経のひとつでも唱えたかったけれど、人に流されてそれもできず(涙)

一通り奥の院を回り、宿へ帰ることにした。
午後5時半から、夕方の勤行である瞑想があるからだ。
前回の大円院では夕方の勤行はなかったから、出てみることにした。
本堂に入ってみると、相変わらずフランス人が多い。
フランス人は仏教に興味がある人が多いようだ。

住職の説明を聞き、それから瞑想に入る。
40分くらい瞑想した後、瞑想の効能について住職から説明があった。
心だけでなく体にも良いということだ。
狭い中で瞑想し、足が痺れてそれどころじゃなかったけれど(苦笑)
それからいったん部屋に戻ると、隣のお部屋の親子連れが騒いでいた。
これも修行と思おうかとしたが、テレビの音がうるさいのには閉口。
子供の声ならまだ我慢できるけれど…
というより、1歳の子供を連れて高野山って…
ま、物見遊山というところだろうか。
宿坊のおかみさんにお願いすると、今夜は他の部屋が空いているということで、
ワンランク上の部屋へ移動させてくださった。

ダンナが真田幸村好きなのでここに決めたけれど、
正直言って、大円院のほうが良かったかも。
なんて思いつつ、明日に備えて早く寝ることにした。
あしたは23kmの山登りだ。

翌朝聞いた話だけれど、霊感の強いうちのダンナ、
夜中に奇妙な音を聞いたらしい。
シンバルの音と水の音だそうだ。
シンバルの音は、鳴り始めると周りの音がすべて消え、
水の音は部屋の周りをまわっていたとか…
恐怖は感じなかったけれどね~と言っていたけれど。
高野山の長い歴史の中では、色々血なまぐさいこともあったのだろう。
ま、あたしは爆睡していたけれどね~(笑)



続く…