Saraの人生右往左往

『人生は長い旅路である』
Saraの“あっちふらふら、こっちふらふら”な由無しごと

変容と不寛容

2007-02-05 21:12:57 | 夫婦別姓という道
今週月曜日発売の、【AERA 07年2月12日号】での特集、
『明るくリアルな「家」回帰』を見て、正直びっくりした。
選択的夫婦別姓制度に対し、20代~30代の賛成派が減ってきたという内容。
何で今更賛成派が減るのかも不思議だし、反対派が増えるのも不思議。
そして理由がもっと腑に落ちない。

①「家庭くらいは何事ももなくただ安らげる心地よいものであって欲しい」
えーっ!
別姓だと安らげないの?
いいえ、安らげます。
ここに、現実に安らいでいる人間がいます。

②「自分の姓にこだわりがないし、姓が家の象徴だとも思っていない」
は?!
こだわりがないのに、家の象徴だと思っていないのに、何故反対?

選択的夫婦別姓は、みんなが別姓にしなくちゃならないと言う事ではなく、
選択できるということ。
何故、多様な選択の場を設けることを目指してはくれないのか。

今は、一般的にはどちらかの姓(ほとんどのケース男性)を選んでいるけれど、
離婚率はどんどん上昇し、籍は入っているけれど崩壊している夫婦も少なくない。
何故、こんなにも近視眼的な言い分が出てくるのか。

そしてもっと怖いと思ったのが、
多様な生き方を認め合うのではなく、排他的で保守的な方へどんどん
世の中が流れているのではないかということ。
これは、ものすごい恐怖である。

時代はどんどん変わる。
時間は歩くスピードで過ぎ去っていく。
「昔は良かった」なんて嘆いたり、変に楽な方へ流されるのではなく、
多様な生き方を認められる世の中になれば良いと願うのは、
あたしだけではないはず。

ちなみにインドは、男性はお父さんの名前が姓になり、
女性はお母さんの名前が姓になるそうだ。
北島三郎→三郎ひろし→ひろし譲二・・・
ちあきなおみ→なおみ小百合→小百合聖子・・・みたいな感じ。
だから、家の中には姓の違う人間だらけになるのだ。
最近モンゴルの方と話す機会があったのだけれど、
モンゴルもインドと同じらしい。

でも、2つの国とも家族同士の絆はとても強い。
姓が同じなら、家族の絆が固くなるなんて思わないでね、安倍首相!!

家系図って…なんで必要なの?!

2007-01-03 22:42:54 | 夫婦別姓という道
年始は、ダンナの実家とあたしの実家にご挨拶に行くのが恒例行事。
ダンナの両親とは、正月くらいしか顔を合わせないのだ。
なぜかって?
義父が苦手なのである。
話が逐一合わない。
向こうも合わせようとしない。
それならば、顔を合わせる機会を減らした方が賢明である、という考えなのだ。

本日ダンナの実家へご挨拶に行ったとき、突然義父が、
『戸籍謄本を取ってきて』
言い出した。

はい

実は、あたし達2人が夫婦別姓のために、昨年事実婚という選択をしたことは、
ダンナの両親には言っていない。
団塊の世代よりちょっと年上の世代には、理解しがたいことだと思ったから。
しかも、義父は自分が世界標準だと思い込んでいるような人なのである。

だから、戸籍謄本と言い出したときの驚愕って言ったら…

なぜ戸籍謄本と急に言い出したのか、
恐る恐る理由を聞くと、なぜか突然家系図を作り出したらしい。
数年前のルーツ探しのブームが、記憶の底から蘇った…

なぜか、日本中で【自分探し】が大ブームである。
家系図作りはその一環として、数年前からブームだった。
でも、なぜ4~5代くらいしか遡れないのに、家系図なんて作るのだろう。
しかも、日本の家長制度の場合、
その家に嫁いだ女性のルーツはその家系図からは読み取れない。

まるで、女性は子供さえ産んでいれば良いとでも言うかのように。

話は飛躍するかも知れないけれど、
あたしは少子化は、この日本の男子優先の風潮にも、原因の一端があると思う。
女性も一人の人間であることを、社会が認めていない。
女性にも、今までの生きてきた足跡があるのに、
日本の戸籍制度の中では埋もれてしまう。

女性の大学進学率も高くなり、
女性にも知性があり教養があることは立証されたはず。
そんな中で、子供だけ産んでりゃいいって一体どういうこと?

会社に勤めても、今のところ姓が変わる不便さを味わうのはほとんど女性。

どうせ、廃藩置県で与えられただけの姓に、なぜそこまでこだわるのか?
種族を残すことに必死になるならともかく、
大した価値もない家系図を残すことに必死になるなんて、馬鹿げている。

家や姓ではなく、個人として独立したいと思う意識を育てられる国作りを、
政治家の方々には目指して欲しいのである。

自分であることを証明しなくちゃいけないなんて…

2006-10-20 22:42:55 | 夫婦別姓という道
めでたく、昨日名前が戻ったのは良いけれど、まだまだ手続きは残っている。
昼間にフルに動ける日は今日しかない…

まず、銀行の名義を変えないといけない。
結婚前から持っていた口座は旧姓のままにしておいたので、変更の必要はなし。
銀行の人には「婚姻姓に変更してください!」と言われていたけどね。
ただ、マンションのローンのために作った口座は婚姻姓のもの。
これを変えないといけない。

何が必要なのか、皆目分からない

とりあえず区役所の出張所で、世帯全員が記載された住民票を出してもらった。
それと、年金手帳の氏名変更を書き直してもらった。
年金手帳は、今は特に氏名の変更があっても書き直さないらしいけど、
お願いして書いてもらった。

そして銀行へ。

窓口で貯金通帳とキャッシュカードを出して、変更手続き用紙に記入と捺印。
免許証を出したが、姓名の変更の経緯が分からないので、
戸籍謄本も出せと言われた。
しかし、昨日離婚届を出したので、まだ戸籍ができていないのだ。
その事を伝え、年金手帳なら変更の経緯が分かるのでは?と見せると、
これでOKと一件落着
たまたま年金手帳を持っていて、ラッキーでした。

次に、ローンの引き落とし口座であることを伝えると、住民票が必要と言われ、
これもたまたま持っていたので、提出して事なきを得る。
銀行の変更はこれでOK。
あとは、マンションの登記だが、これ変えるには戸籍謄本が必要らしいので、
後ほどダンナに行ってもらうことにした。

帰ってから、変更した↑の口座から引き落としになっている光熱費
(電気、水道、電話、マンション管理費)などの会社に電話して、
口座名義が変更になったことを伝えた。
契約者名がダンナで、口座名義はあたし。
しかも、別姓にする旨の電話。
係の方はみな一様に、『ご愁傷様』感を漂わせていた

仕方ない。
いくら事実婚を選択する人が増えてきたって言っても、まだまだマイナー。
みんなに理解してくれって言う言う方が、土台無理な話。
だからこそ、早く別姓を認めて欲しいのに。

やっぱり…
働きながらこの面倒くさい様々な名義変更をやるのって、絶対無理!
変えなきゃいけないのは銀行だけではない。
様々な資格を持っていたらそれも変えないといけないし、
海外で取得した資格はもっと面倒くさいだろう。
あたしは、いずれ別姓を選択するつもりでいたから、必要最低限のものしか
氏名の変更手続きをしなかったけれど、それでもこんなに疲れるのに…

日本国政府は、本当は女性の社会進出を阻もうとしているのでは?

さぁ、次はマンションの登記名義変更という難関が待っている

新しい関係

2006-10-19 20:48:14 | 夫婦別姓という道
なぜ、結婚したら、どちらかが今までの名前を捨てなくてはならないの?

そして日本では、今までの姓を捨てなくてはならないのは、
ほとんどの場合女性の役割だと思われている。なぜ?
そして、夫婦別姓法案が話し合われ出してからもう長いこと経つのに、
いっこうに話の決着がつく気配はない。
海外では夫婦別姓可のところって多いと聞く。
インドなんて、親と子の姓が違うのが当たり前のようだ。
↑これは、妹のインド人のダンナから聞いた。

そんな中、あたしが結婚したのが2年前の7月。
いわゆる婚姻届を区役所へ出すという処理を行った。
本当は夫婦別姓法案が国会を通過してからにしたかったのだけれど、
いまだに法案は成立しない。

結婚するまで30年以上も生家の姓でやってきた。
名前は、あたしのアイデンティティを形成する1つのファクターだ。
それを放棄するのがとても辛かった。我慢できないほど。

2年間婚姻姓でやってきたけど、どうも馴染めない。
何だか牙を抜かれたような、翼をもがれたような、そんな喪失感。

紙切れの婚姻関係に縛られたくない、とかってことじゃない。
ただ、名前を返して欲しい。
それをダンナに話し、今の日本で別姓でやっていける手段である
『事実婚』という関係にすることに決めた。
それには、いったん離婚届を出さなくてはならないのだ。

そして、本日めでたく区役所へ離婚届を出し、
登録上の関係を『妻(未届)』にしてきた。
最近こういうカップルが多いのか、区役所は思ったよりスムーズに
処理を進めてくれた。

しかし、離婚届を出してから事実婚の届けをするカップルは少ないらしく、
最初は『同居人』という続柄にされそうになった。
今後結婚する意志がある場合は『妻(未届)』になり、
結婚する意志がない場合は『同居人』になるらしい。
ダンナが窓口で係の人に「夫婦別姓法案が成立したら、籍をひとつにする」
という意思を伝え、続柄を『妻(未届)』にしてもらった。

事実婚でも年金の第3号控除が受けられたり、相手の扶養に入れたりと、
結局婚姻状態と変わらないらしい。
財産分与の権利もあるらしい。
じゃあ、なぜ別姓がダメなのか?
本当に不思議な日本の制度。
選択制にできないのだろうか。
どうせ、今は住基ネットで国民には背番号がついているから、
国は国民の管理なんて簡単にできるでしょうよ

家族意識の問題とかって言うけど、今の制度でだって
離婚したければする時代だ。
それよりも、新しい意識に基づいて世の中を変えて欲しい。

そして、銀行などではどんどん本人確認が厳しくなってきている。
婚姻姓で生活していたとき、名義変更しろと迫られた。
理由は『本人確認できないから』。
え~っ!目の前に本人がいるのに?
免許証は表が旧姓で、裏書で婚姻姓に訂正しているのに?
本人確認ができないって、戸籍謄本でも見せれば納得してくれるの?
本人が目の前にいるのに、旧姓だから本人ではないと否定される悲しさを
理解できないのか、したくないのか。
変な犯罪が多いからって理由も分かるよ。
でも…

アイデンティティを否定され、翼をもがれて転がされていた自分から
ようやく自分本来の名前に戻ることができ、ほっとしているのだ

ただし、マンションの名義変更などなど、色々やっかいごとが山積み。
これから少しずつ片付けなきゃね。

そして、一刻でも早く『夫婦別姓法案』が成立しますように