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ワニと読むミステリ(スリー・パインズ村の無慈悲な春)

スリー・パインズ村の無慈悲な春 (RHブックス・プラス)
ルイーズ・ペニー
武田ランダムハウスジャパン

The Cruellest Month
Louise Penny
Sphere

読むと、裏切りは美しい仮面をかぶっている。
 
(ルイーズ・ペニー著)
 アルマン・ガマシュ警部のシリーズ3冊目です。
 スリー・パインズ村は、家に鍵をかけないくらい静かで平和な村です。いまはイースターの季節。みんなタマゴを隠しています。
 オリヴィエとガブリの経営するB&Bに、占い師のジャンヌが休暇で訪れますが、ガブリに説き伏せられて降霊会を行うことになります。それが不満足な結果におわると、みんなは旧ハドリー邸でもう一度降霊会を行うことにします。旧ハドリー邸は村で唯一邪悪なところと思われて近づく人はまれです(旧ハドリー邸でのできごとについては、1作目のスリー・パインズ村の不思議な事件 を参照してください)。そこでの降霊会で、村の住人マドレーヌが恐怖のあまり亡くなります。しかし、それは薬物が投与された結果のようです。
 捜査にあたるのはおなじみのガマシュ警部。憎まれもののニコル刑事も捜査班に参加します。今回もいらないことを言ってグループの和を乱すようなことをしますが、これにはわけが。
 殺されたマドレーヌは美人で明るくて誰からも好かれていたようで、なぜ死ななければならなかったのか殺人事件の捜査は難航します。
 さらに、ガマシュ警部の個人攻撃をするような過激な記事が新聞に載り、それがガマシュの子供たちにも害を及ぼすようになり、ガマシュは警察を辞職するところまで追いつめられます。信頼していた人の手痛い裏切りが発覚し、ガマシュにとっては人生の大きな出来事となります。
 画家のクララ・モローに画商からコンタクトがあり、ついにクララの作品が世に認められるかもしれません。しかしそれには産みの苦しみが伴います。芸術家は苦しいですね。
 事件と、ガマシュへの陰謀と、両方が進んでいくので、600ページ以上もあるような結構長い作品ですが、中だるみすることもなくどんどんと読み進んでしまいます。
 ただ、登場人物リスト、これはもうちょっと充実させてほしいですね。スリー・パインズ村の住人は多くないので、もう少し細かな記述が望まれます。
 
■既刊
 これまでに2冊出版されています。
スリー・パインズ村の不思議な事件  ← 感謝祭の週末、老婦人が矢で殺されます
スリー・パインズ村と運命の女神  ← クリスマス直前のカーリングの試合中に女性が感電死します

シリーズ7冊目が8月30にUSとカナダで発売されるそうです。予約可。
A Trick of the Light (Chief Inspector Gamache)
Louise Penny
Minotaur Books


主人公: アルマン・ガマシュ(ケベック州警察殺人課警部)
場所:  カナダ、ケベック州
グルメ: なし
動物:  イヌ、数匹
ユーモア: 小
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