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ワニと読むミステリ(スタイルズ荘の怪事件)

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー
早川書房


The Mysterious Affair at Styles (Hercule Poirot)
Agatha Christie
Harper


読むと、怪しいと思われまいとしても怪しい。
 
(アガサ・クリスティー著)
 ポアロものです。アガサ・クリスティーのデビュー作です。
 1920年に刊行されました。
 ここからポアロが名探偵として世に出たのかと思うと、感慨深いです。
 ヘイスティングスは傷病兵となって、前線から本国に送還されています。疾病休暇をどこで過ごそうかと考えているところへ、旧友のジョンに会い、スタイルズ荘に招待されます。ジョンの母エミリーは若い男と再婚しています。スタイルズ荘に滞在するのは、エミリー、その夫、その義理の息子ジョンの夫婦、ジョンの弟、エミリーの友人、エミリーの旧友の娘、さらに近くには毒理学者がいて頻繁にスタイルズ荘に訪れています。
 エミリーの再婚によってスタイルズ荘には緊張した空気がたちこめています。
 そこで、スタイルズ荘の女主人のエミリーが毒殺されます。しかも密室状態で、どのような手段を用いて毒殺したのが、皆目見当もつきません。
 スタイルズ荘を訪れていたヘイスティングスは、かねてからの友人のポアロがベルギーから亡命して近くに住んでいるのを知り、事件解決を依頼します。
 ここでポアロ登場ですね。
 スタイルズ荘に集う人たちの人間関係、利害関係がからみあう事件で、誰が犯人でもおかしくない状況です。
 巻頭には、クリスティーの孫にあたるマシュー・プリチャード氏の序文があります。クリスティーがミステリを書きはじめた経緯などの話があり、ポアロの造形がどこから得られたのかもこれでわかります。
 序文の中で、プリチャード氏がどう読み進んでいったか、自分の推理の仕方を書いています。
 それぞれ好きな自分のやり方で事件解決しましょう。

 巻末は、ミステリ評論家 数藤康雄氏の解説があり、1920年のミステリ界の状況が語られ、この後ドリシー・L・セイヤーズなどの新しい作家が誕生していくところなどミステリの歴史がわかります。

主人公: エルキュール・ポワロ(ベルギー人の私立探偵)
場所:  イギリス
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中
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