
(うひゃ~、明る~なって、汚い天井がよ~見えるがな)
直前ハガキを出す前に「売り出しには来られないけど、LED照明を注文しておくわ」と云った、Wさん宅へ訪問します。
『こんにちわ~、Wさ~んこんにちわ~。えらい寒む~なりましたね』と挨拶しながら入ります。
外は冷たい雨が降る、Wさんちは、阿瀬の渓谷に近い山に囲まれたところ、紅葉の周りの山から吹き下ろす風は、とても寒いし冷たい雨に冬の訪れブルっと感じます。
「まあまあ、よう持って来ておくれんさった。娘から聞いています」と、一人留守番のばあちゃんは、腰を屈めながらニコニコ私を迎えます。
ここは婿養子さんです。おばあちゃんは、実の娘さんとその婿さんと、3人暮らしのおうちです。
とても古いお家です。
茶の間のの天井がとても低い、チェーンで吊り下げた古い蛍光灯の器具は、目の前に迫る高さです。
取り換え工事をいたします。
天井に丸型の引掛シーリングをしっかり安全に取付て、スリムな薄型LED照明をカチンとはめます取り付けますね。
下から様子を見ていたばあちゃんは、「うひゃ~、明る~なって、汚い天井がよ~見えるがな」、
「うちの家はな、天気が悪いと昼間でも暗いでしょうが、孫娘は来たらすぐパチパチっと全部点けて、明る~するんですや~な」、
「豊岡に嫁いでる孫娘がいっつも来て “こんな古い蛍光灯あっきゃ~へん、今風のエル・イ~・ディ~とか云う電気に替えたら” と云うの」、
「こんな古くて低い天井でしょう。それでも、ふんごみ(掘りごたつ)に座ってスイッチのヒモ引きにくかったのよ」と、ずっと話しかけますその上に、点いたら点いたで「明るい、明るい」と大騒ぎです。
「こりゃあ~、リモコンで点けれる。腰の曲がった私でもこりゃ楽だわ」と大喜びですね。
きちんと付け終ってから説明します。
『説明する前にちょっとお礼を云っておきます。あのね、ここの奥さんに売り出し前にご来店でご注文いただくと、売り出しは大盛況になるのです。23、24日はもう大賑わいでした。お礼を云います伝えておいてね』、
『そうそう、このボタンで全灯、ちょっと暗くしたい時はこのボタン、消すときはこれです』と説明します。
『あのね、LEDってとっても明るく節電ですよ。なので、昼間でも暗い時はどんどん点けてね。それに4万時間も持ちます長寿命ですよ』と説明すると、
ばあちゃんは、「4万時間てどれくらい」と尋ねます。
『4万時間はね、毎日10時間使ってもおおよそ10年なの、5時間なら20年かな?』、
「うちの娘も、養子さんも同じ年よ、昭和30年生まれの58かな。電気屋さんは何才よ」と聞きますね。
『私は20年生まれ、私の一番上の姉は昭和の7年かな、ばあちゃんは何年よ』と尋ねます。
「私かえ、私は昭和4年、4年生まれで84歳なんよ、エル・イ~・ディ~が20年も持ったら私しゃ~104歳だわね。生きとらん生きとらん」と云いますね。
『いや~、電気屋の私も、もう一遍付け替えに20年後どころか10年後も分かりませんよ。こっちも足腰立たんようになってます大丈夫』なんて話をいたします。
外はジャ~ジャ~雨が降る、ふんごみの暖ったか温もりコーヒー飲んで、どうしてばあちゃんと歳の話をする羽目になったのだろうかね。
山ほど配達あるのにですよ、どうしても、ばあちゃんにあれ食えこれ飲め引き止められますね。
《ばあちゃんは 明るくなって よくしゃべる》