
嬉(うれ)しさは (糸)い~と~まきまき はとポッポ~ ミオちゃん身振り して唄うとき
「お父さん、ミオちゃんちょっと見て居って。
保育園にケンちゃん迎えに行って来るから、ちょっと相手して見てやって下さい」と若嫁さんが頼みます。
息子は配達で出かけています。家内も買い物にスーパーです。
店内で、電機商組合臨時総会資料を作成中でした。パソコンから手を放して、リビングに向かいます。
『ミオちゃんや、賢しこうお留守番しとこな。かあちゃんは兄ちゃん迎えに行ったかね。
じいちゃんと遊んどこか』と、マフラーのような大きな布を首に巻き付けたミオちゃんの手をつないで、ソファーの前に行きます。
『ミオちゃん、なにして遊ぼ。ブロックか?、テレビ見るか?、
えっ、歌を唄うか。ミオちゃんの好きな歌を唄ってみようか』と話しかけます。
ミオちゃんに『ミオちゃんいくつになった。ミオちゃんは?』と聞くと、
「(三)みっちゅ~」と指を三本見せたあと、すぐに「(二)ふたちゅ、ふたちゅ~~」と言い直すクセがあります。
本当は、
2才と3ヶ月ばかりの女の子です。
小さな太鼓に付いている、
おもちゃのマイクを持って唄い始めます。
『ミオちゃん、なに唄う』と聞く間もなく、手を前でクルクル、クルクル回しながら、
「い~と~まきまき い~と~まきまき ひいてひいて トントントン」、「い~と~まきまき い~と~まきまき」、マイクでタイコを叩きながら「ひいてひいて トントントン」と唄います。
『上手、上手。ミオちゃん上手に歌えたね~』と褒めてやると、
何回も何回も「い~と~まきまき い~と~まきまき」と、手をクルクルと回します。
そのうち調子に乗って、腰もフリフリ踊りだしました。
『ミオちゃん上手に歌が唄えるようになったね。凄い凄い』と褒めてやると、それからが大変です。
「うたえるよ~、ミオちゃんうたえるよ~」と言って、
次々に唄い続けます。
「ぞうさんぞうさん おはながながいのね そうよ かあさんもながいのよ」、
字に起こせば普通ですが、実際には書きようがないほどかわいい、小さな女の子の発音発声なのです。
「もっとうたえるよ~」と、
「ぽっぽっぽっ はとポッポ~ ま~めがほしいか そらやるぞ みんななかよくたべにこい」と、延々と繰り返します。
「は~るがち~た は~るがち~た どこ~にきた や~まにちたさ~とにちた のにも~ちた」と、
これも何度も何度も繰り返して歌います。
ミオちゃんの発音発声を、そのまま字に起こして書けたら、
それはそれは楽しい可愛いものなんですが、なかなか上手く書き留められません。
知らぬ間に、
2才のミオちゃんは、いろいろな歌が可愛く楽しく唄えるようになりました。