三笑会

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徳島県公安委員会裁決書第420号 その2

2022-10-30 18:34:29 | 日記
2 本件処分について
(1)本件文書が本件公開請求の対象となる文書であること
 審査庁において本件文書の写しを確認したところ、本件文書は、本件事件の捜査として行われた、本件行方不明者に係る照会等に関する文書であり、「徳島県警に保管の本件行方不明者に係る捜査状況がわかる書類」であると認められる公文書であった。
 よって、本件文書は本件公開請求の対象となる文書である。
(2)本件文書が「訴訟に関する書類」にあたること
 「訴訟に関する書類(刑訴法第53条の2第1項に定めるものをいう。以下同じ。)」とは、被告事件又は被疑事件に関して作成され、又は取得された書類一般を指すものと解されるところ(後述の答申のほか、東京地裁平成24年(行ウ)第552号同26年4月16日判決等参照)、本件文書の概要は前記2(1)のとおりであることから、これが「訴訟に関する書類」に該当することは明らかである。
(3)本件処分はおよそ適法になされたものと解されること
 「訴訟に関する書類」が公開請求を拒否しうる文書であることは、法令が明確に定めるところであり、本件文書が当該書類に該当することは前述のとおりである。また、本件処分には理由不備等の瑕疵もない。
 そうすると、特段の事情がない限り、本件処分はおよそ適法になされたものと解するのが相当である。
(4)本件処分が違法又は不当であるというべき特段の事情がないこと
  ア 規範第10条の3に係る審査請求人の主張について
(ア)捜査を行うに当たっては、被害者又はその親族に対し、事件の捜査の経緯等を通知しなければならないこととされている。(規範第10条の3本文。以下「本件通知」という。)
 審査請求人は、処分庁が審査請求人に対し、本件行方不明者に関して本件通知をすべきことに鑑みれば、本件文書が審査請求人に公開されないのは不当である旨主張する。
 しかしながら、規範第10条の3本文の規定が、条例第7条第3号の規定(公開請求を拒否できる旨の規定)に優越して適用されるべき法令上の根拠は見当たらない。
 また、公開請求は何人でも行えるものであるから(条例第5条)、公開・非公開の判断をするにあたり、公開請求者が誰であるか、どのような目的で公開を請求しているか、公開請求者が対象文書に記録されている情報に対して利害関係を有しているかどうか等の事情は考慮されない。同様に、審査請求人が本件行方不明者の親族として本件通知を受けうる立場にあるという事情も、本件文書を公開するか否かを判断するに際して考慮すべき事情とは認められない。
 したがって、本件通知の制度があることをもって本件処分がふとうであることはできない。
(イ)また、審査請求人は、本件通知をめぐる処分庁の対応それ自体の是非についても審査庁の判断を仰いでいる。
しかしながら、本件通知は行政不服審査法(平成26年法律第68号。以下「法という。)
第1条第2項にいう「処分」にあたらず、同法による審査請求の対象にはならないというべきであるから、本件通知に係る処分庁の対応の是非を問うことは相当でない。

イ 他県との異同に係る審査請求人の主張について
    審査請求人は、当県と同様の情報公開条例が設けられている他県において本件通知が文書で行われた例があり、このことに鑑みれば、本件処分は法の下の平等に反する旨主張する。
    しかしながら、仮に審査請求人が主張するような他県における通知の事実があったとしても、それは情報公開条例に基づいてなされた処分ではないというのであるから、本件処分の比較対象にはなりえない。

ウ 小括
    よって、これらの点に関する審査請求人の主張はいずれも採用できず、他に本件処分が違法又は不当というべき点は何ら認められない。
(5)徳島県情報公開審査会(以下「審査会」という。)において、本件処分が妥当である
と判断されたこと
 審査庁が、本件審査請求につき審査会に諮問したところ(令和3年6月17日付け徳公委第337号)、本件処分本件処分は妥当であると判断する旨の答申が示された。(令和4年7月15日つけ答申第228号)。

3 結論
 以上によれば、本件処分に違法又は不当というべき事情は認められず、本件審査請求は理由がないから、法第45条第2項の規定に基づき、主文のとおり採決する。

令和4年10月6日

審査庁 徳島県公安委員会

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