「村の伝統行事」

「村の伝統行事」

　今日は、村の伝統行事である「田休み」ということで、神山温泉に14名で出かけた。戦前のいつから始まったのかは知らないが、元々の田植え時期が6月前後であったことから、毎年、6月の第2日曜日に村の人が集い、酒を酌み交わして一日を楽しむという趣向だ。私は、保育所に入る前の頃に、この田休みで村の人たちが海水浴に出かけた時のことを今でも覚えている。
　63歳になる今日までに、時代や社会の変遷とともに辞めてしまった村の年中行事がいくつもあり、夏祭りや秋祭りの開催日も土曜日と日曜日に変更なってから久しい。「伝統」といえば、打破しなければならないもの、改革しなければならないものと昨今では疎まれる対象であるが、私はそうした見方は的を得ていないと考える。
　村の年中行事の数々は、その時代の村人たちによって取捨選択されながら今日に至っている。継続しているということは、いつの時代にも価値を認められて支持されてきたと考えるのが妥当ではないだろうか。
　だから、「伝統」とは常にその時代の価値を内に秘めている文化の継続だと私は捉えている。