「なぜ、国内拉致はこの2年に集中しているのか?」
1月14日に高知市で開かれた、政府運営の「ふるさとの風」と調査会運営の「しおかぜ」の共同公開収録において、拉致対事務局から配布された資料の中に「北朝鮮による日本人拉致問題」というのがあり、政府認定の17名が紹介されている。日本国内での拉致は、1977年9月の久米裕さんを皮切りに1978年8月の曽我ひとみさん・ミヨシさんまで14名いて、1977年と1978年の2年に集中している。
私は、全国の警察が捜査・調査している871名すべてが拉致被害者とは考えておらず、個人的には100名以内ではないかと想像している。しかし、先般警察庁が開示した「失踪年別捜査・調査対象者数」によると、1970~1974年が135名、1975~1979年が166名、1980~1984年が108名と合わせて409名の対象者が存在しているのに、政府認定拉致被害者がなぜ1977年と1978年に集中しているのか疑問でならない。
私は、政府及び警察庁が、拉致被害者は1977年と1978年に集中していると拉致の実態を意図的に矮小化していると疑っている。政府のいう「認定・未認定に関わらず全ての拉致被害者」には、この辺の事情が含まれているのではないだろうか。この「失踪年別捜査・調査対象者数」を観れば、その疑惑は一層強くなる。写真は、アピールする賀上文代さん。