「2023北朝鮮人権報告書」その4

「2023北朝鮮人権報告書」その4

３． 脆弱階層
　脆弱階層に対する北朝鮮人権実態を総合してみれば、北朝鮮の女性、児童、障碍者の人権は十分な保護を受けられずにいることが分かった。家父長的な思考が支配する北朝鮮社会で女性の権利は保障されず、女性は家庭、学校、軍隊、拘禁施設などで各種暴力にさらされている。脱北女性の人権侵害状況も深刻だが、特に脱北過程で多くの女性が人身売買を経験することになる。人身売買された女性たちは性暴力にさらされており、中国当局に逮捕され北朝鮮に強制送還される場合、拘禁施設で裸体・体腔検査、性暴力、強制堕胎など多様な人権侵害を体験している。
　児童は国家と社会から保護と配慮の対象だが、北朝鮮では児童の権利がきちんと保障されていない。北朝鮮では児童が公開裁判で死刑を宣告され公開処刑されたり、韓国映像物視聴など各種理由で17歳未満の児童が令状なしに逮捕・拘禁され成人と同じ処遇を受けたりもする。また、北朝鮮の児童は家庭や学校、保護施設などで各種暴力にさらされており、北朝鮮当局は被害児童に対する適切な保護措置を取っていないことが分かった。これと共に北朝鮮の学生たちは教科過程ともなう生産労働以外に学校による各種労働に動員されており、学校以外の機関や団体によっても色々な労働現場に強制的に動員されたりもする。（後略）

「五月の空を泳ぐ鯉のぼり」

「五月の空を泳ぐ鯉のぼり」

　五月の空を泳ぐ鯉のぼり、新緑の裏山をバックに悠然と泳いでいる。