三笑会

三笑会は、平成30年6月1日~陶芸活動と陶芸教室、喫茶室、自家野菜販売、古美術・古物商経営を総合的に活動していきます。

「政府は、ストックホルム合意を破棄するのか?」

2021-12-09 19:44:17 | 日記
「政府は、ストックホルム合意を破棄するのか?」

 令和3年12月7日付けの産経新聞「正論」欄に、西岡力救う会全国協議会長(新聞の肩書は別)が「拉致最新情勢とブルーリボン運動」と題した論説を投稿している。その中で、西岡氏は、「私は、岸田政権に4つの要望をしている。①現状の国際制裁と独自制裁による最強圧力の維持、②日朝首脳会談で全拉致被害者の即時一括帰国を求めるという従来の路線継承、③合同調査委員会や連絡事務所などの時間稼ぎ謀略に乗らない、④米国バイデン政権への「日本にとって拉致が最重要だ」という働きかけ。岸田政権は②と④を実行することを明言し、①と③についても賛成している。」と書いている。
 私が問題視するのは、岸田政権は③についても賛成しているという点だ。政府の現行方針は、「政府としては、ストックホルム合意に基づき、拉致問題をはじめ日本人に関する諸問題の解決に向け全力を尽くしていく」というもので、これまでの政府答弁書に何十回となく出てくるし、岸田首相も外務大臣時代に何十回となくこの閣議決定に参画したはずだ。その平成26年5月のストックホルム合意には、北朝鮮側、「第三に、全ての対象に対する調査を具体的かつ真摯に進めるために、特別権限(全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限)が付与された特別調査委員会を立ち上げることとした。」、また「第六に、調査の進捗に合わせ、日本側の提起に対し、それを確認できるよう、日本側関係者による北朝鮮滞在、関係者との面談、関係場所の訪問を実現させ、関連資料を日本側と共有し、適切な措置を取ることとした。」とあり、西岡氏のいう合同調査委員会や連絡事務所はこの部分を指している。
 日朝間で合意し、しかも歴代政府の方針であるストックホルム合意に基づく解決を、一体いつの間に岸田政権は変更したのか。折しも、臨時国会が現在開会中だが、岸田首相は国民に対してこの方針変更を説明しているのか。立法府や行政府における所定の手続きを踏み、まずもって国民に対してきちんと説明すべき手順を外している。国会議員の質問主意書に対する政府答弁書において繰り返し明言してきたことは、言葉を換えれば国会議員を通じて国民に明言してきたことと同義である。
 それなのに、岸田政権は③についても賛成しているとは如何なものか。これでは、岸田政権が発する言葉は非常に軽々しいと言わざるを得ない。北朝鮮側に嘲笑されているのではないかと、老婆心ながら私は危惧している。

令和3年12月9日

救う会徳島 代表 陶久敏郎