「越後母恋情話を説明する私」
式三番叟が終わり、越後母恋情話の舞台設営をする間を利用して、私がこの創作浄瑠璃について幾つかの説明を行った。要約筆記で画面紹介するために前もって原稿を書いた、その一部を抜粋してご紹介したい。
『粗筋をお話ししますと、江戸時代、四国霊場22番札所・平等寺の門前町で唐津物を商う「岡花屋」という店にお恵という中年の女性がいます。お恵は、北麻藩から腕の良い贋金づくりの職人を拉致して送れ、さもないと、お前と同じように拉致してきた大勢の仲間をひどい目にあわすぞと脅されているのです。
そこへ、四国遍路をしながら娘を探す年老いたお咲という女性が訪ねてきます。お咲の身の上話を聞いているうちに、お恵は目の前の老婆が自分の母親であることを確信しますが、いま名乗りあえば大勢の仲間がどんな仕打ちを受けるかも知れないと悩むのです。ここから先は、浄瑠璃をご覧ください。
横田さん親子の年齢を今の年齢にあわせ、拉致問題啓発が目的であることからハッピーエンドの物語にはなっていません。それで良いのかという想いがずっと私の胸の中を駆け巡り、最終的に、お恵が泣き疲れて眠って夢を見る、その夢の中でお恵は両親と再会を果たすという部分を付け加えました。「ふるさと」のメロディーが流れる夢のなかで30数年ぶりに再会を果たす親子の姿をぜひご覧ください。』
式三番叟が終わり、越後母恋情話の舞台設営をする間を利用して、私がこの創作浄瑠璃について幾つかの説明を行った。要約筆記で画面紹介するために前もって原稿を書いた、その一部を抜粋してご紹介したい。
『粗筋をお話ししますと、江戸時代、四国霊場22番札所・平等寺の門前町で唐津物を商う「岡花屋」という店にお恵という中年の女性がいます。お恵は、北麻藩から腕の良い贋金づくりの職人を拉致して送れ、さもないと、お前と同じように拉致してきた大勢の仲間をひどい目にあわすぞと脅されているのです。
そこへ、四国遍路をしながら娘を探す年老いたお咲という女性が訪ねてきます。お咲の身の上話を聞いているうちに、お恵は目の前の老婆が自分の母親であることを確信しますが、いま名乗りあえば大勢の仲間がどんな仕打ちを受けるかも知れないと悩むのです。ここから先は、浄瑠璃をご覧ください。
横田さん親子の年齢を今の年齢にあわせ、拉致問題啓発が目的であることからハッピーエンドの物語にはなっていません。それで良いのかという想いがずっと私の胸の中を駆け巡り、最終的に、お恵が泣き疲れて眠って夢を見る、その夢の中でお恵は両親と再会を果たすという部分を付け加えました。「ふるさと」のメロディーが流れる夢のなかで30数年ぶりに再会を果たす親子の姿をぜひご覧ください。』