3行日記

猫とか漫画とか車とか色々…

レッド・クリフ

2009-04-13 10:37:26 | Weblog
注:ネタバレ入ってるのでパート2これから見るって人は読まない方がいいかも。
 中国史には疎い。どれくらい疎いかと言うと、「赤壁の戦い」をどこぞの仮面の忍者かっていう読み方してて、ダンナに爆ウケしたくらい(恥)。だからこの映画は私に三国志の全体像を初めて理解させてくれた教材となった。魏・呉・蜀のそれぞれの大将の名前がやっとつながったし、諸葛孔明はこの時代の人だったんだって初めて知った。教科書の文字では覚えられなかった中国人の名前が、物語の中で自然に覚えられた。俳優陣がみなすごくキャラが強いのだ。登場人物多いんだけど混同しないで見やすかった。中でも曹操役の人はあまり語らず表情だけで見せるところが多かったのに、心情が伝わってきた。ジョン・ウーのカメラマジックもあるかもしれんが。
 トニー・レオン(周瑜)は甘い顔立ちなので、闘いに心を痛める武人というちょっと女心をくすぐる猛者になっていた。金城(諸葛孔明)は、激しい戦闘シーンの多い作品の中で一人頭脳のみ使う、そこだけ空気が冷たいような温度差をよく体現していた。周瑜の妻の小喬役の女優(林志玲)が雰囲気も含めて非常に美しかった。女を武器にするのも、これだけ美しいと許す。クライマックスのエピソードは相当無理があるが(こんな大将いたらアホ)、それを強引に納得させてしまうような雰囲気を演じてた。女の美貌に野望を挫かれるアホな曹操が男前に見えてくるから不思議だ。それもこれもウー監督のダンディズムなのだろう。
 全編どこを切ってもジョン・ウーだった。憎らしいほどの美意識炸裂。もちろん白い鳩も飛んでいた(笑)。なるほど金もかかってそうだ。自分の中に明確なビジョンを持ち、そこへ向けて妥協ぜずに作っていくのは大事なことだ。

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5 コメント

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私も見ましたぞ。 (MORO.S.@岡山)
2009-04-13 22:26:11
「仮面の忍者・赤影」というのは、私の世代ならほとんど誰でも知っているのですけどね。「せきへき」とはちょっと違いますよね。私としては、映画レッドクリフの教訓(?)は「敵を欺くにはまず味方を欺け」ということだと受け取りました。私が一番感動した場面は、決戦を前に将兵たちに団子が配られるところ。将兵がその団子を1個ずつ周瑜将軍の器に無言のまま移してゆく。あの場面がよかったです(ああいうのに弱い)。ところで、史実としては、あの戦いの後、おてんば娘の尚香が劉備の後妻となったらしいですね(先妻は前作で死亡)。う~ん、、、何だか。「白い鳩」が飛ぶということには、何かのいわくがあるのですか?
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だいじょ~ぶ… ()
2009-04-14 21:30:31
もうヤケになって「今度あかかべの戦いのパート2作るんやって」とか言ってました(呆)
ジョン・ウーはどこにでも白い鳩出しますよね。ネットで調べると「暴力反対のメッセージの平和の象徴」らしいですよ、暴力映画ばっかり作ってるのにw。その辺が人間の性を表現してるんでしょうか?団子のシーンは最後に孫権まで参加して印象的でした。次のシーンでトニー・レオンが最後の汁を飲み干していて、「一気食い?」ってんなわけはない
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平和の象徴。 (MORO.S.@岡山)
2009-04-16 21:28:14
なるほど~、そういう意味ですか。他の作品も見たかもしれませんが、ちょっと記憶がありませんでした。知り合いの中国人によると、曹操の野望の背景として「女」を持ち出したのが、あの映画の新しいところだそうです。色香に迷って大軍を全滅させてしまうというのは、お話を盛り上げるための脚色だとわかりますが、確かに「相当無理」ですよね。まあ史実を元にしながら、長い時間の間にいろいろな「尾ひれ」がくっつけられてきたに違いありません。私個人としては「あった通りのこと」を忠実に再現して見せてくれるような映画のほうが好きかな。「事実は小説よりも奇なり」ということもありますので。
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ジョン.ウーは ()
2009-04-18 14:58:09
元々荒唐無稽な作品世界を作る監督なので。香港カンフー映画の有り得ない映像は伝統ですが、レッドクリフもその流れを汲んで踊るようなアクションシーンを大サービスした、ぶっちゃけ娯楽大作ですなw
史実ってでも、何が正しいのか誰も証明できないことも多くないですか?日本の武将や幕末の志士のキャラも司馬遼太郎に洗脳されてる気もします(笑)。日本書紀とか、あれも大まかには史実なようですが。
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そりゃあもう・・・ (MORO.S.@岡山)
2009-04-19 20:17:41
司馬遼太郎にも海音寺潮五郎にも井上靖にも、洗脳されまくりですわな(私自身も含めて)。史実を元にしてイマジネーションを広げた小説や映画や漫画ももちろんOKなのですが、あまりにかけ離れた描写が出てくると、これはちょっとどうかなあと思えてしまうわけです(私個人の感じ方ですけど)。三国志時代にあれほど大量の火薬を使うことができたのか、とかですね。たぶんご存じないだろうと思いますが、「トラ・トラ・トラ」という日米合作映画がありました(1970年)。ハワイ真珠湾奇襲攻撃を「あった通り、そのまま」に再現した映画で、CGなんてない時代に、当時のままの戦闘機や攻撃機を復元して実際にハワイの空を飛ばせて撮影したシロモノでした。そこまでやるか、という感じ。その映画の中には「こんなアホなことってあるんかい?」というエピソードもいろいろ描かれるのですが、すべて、ものすごく詳しい米軍の調査報告書に基づいた事実なのですね。驚くべきものでありました。
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