3行日記

猫とか漫画とか車とか色々…

箕面の滝は電気仕掛け?

2008-10-15 13:15:46 | 大阪綺譚
 今年の春、親を勝尾寺に連れてった帰り、箕面の滝の上にある駐車場に車を停めた。駅から滝まで歩かなくても、ドライブウェイを使って車で滝の上まで上がり滝の脇からスロープを降りてきて滝を見上げられるようになっているのだ。そんなところで車を停めたのは初めてだった。山の斜面に人間が3人くらい蹲っているのが見えた。傍にコンクリートだかジュラルミンだか忘れたが箱みたいなのがあった。
父:「あれ何やってんねん?」
桜:「あそこで滝の水の放水を調節してんねん。人が増えてきたら流量アップしたり、虹出したりしてんねんできっと(笑)」
母:「漫画家の発想やな」

 昨日、これがあながちフィクションじゃないって話を美容院で聞いた。いやあの時のあの人たちがそうだってわけじゃないけど、箕面の滝は今、水の一部をポンプで汲み上げてる半人工の滝になっていると美容師が憤慨していた。原因は例の箕面トンネル(上のイラスト参照)――。
 あるNPO法人の調査(ネットで見つけ)によると、地下の岩盤の割れ目(破砕帯)を工事で破ってしまい、下流に流れる筈の水が地下へ抜けてトンネルで湧き出ているのだそうだ。その抜けてる水をポンプで汲み上げて河川に戻していると。そのポンプを動かす電気代が年間3000万円だと。水を汲み上げないとトンネルが水浸しになるんだろうか?国定公園の体裁のためだけに3000万使ってるわけではないようだが。
 美容師の先生は府の関係者からこっそり聞いたらしいが、検索かけるといっぱい出てきたので私もここに公開したよ。MBSが報道したらしく、「無駄な開発で滝が枯れる」みたいな論調を鵜呑みにした人達のログがいっぱい出てきた。みんなてんでにアミューズメントパークだ、電気仕掛けの滝だ、箕面ブランドのイメージダウンだと、もしそうなら如何にもスキャンダラスだがそういうことではないだろう。「開発→資金の無駄→自然破壊→悪しき道路行政の象徴」と言う一連のことよりもトンネルの水没とか、地震のときの地盤とか、そっちの方が気になる。

 トンネルは近隣に住む人にとっては本当に天恵だと思う。箕面ってとこは上の絵の緑のところが全部山だ。北は能勢、西は池田や川西が隣接する。国道423号線(実際はワインディングロード)の通ってる辺りはとどろみと言って、変換が出てこないほどひっそりと里山がある。このとどろみに今造成中なのが箕面森町というニュータウン。行ってみると上ものを待ってる空き地がズラリと並んでいる。いったいここに住む人がどれだけいるのだろう?毎日トンネル通ってバス通勤してもいいって人がどれだけいるのか?ご存知ない方には想像つかないだろうが、ご覧のように箕面の電車は市の端っこまでしか来てなくて、道路は国道と新御堂が見ての通り離散、この辺りは大阪府内でありながら大阪市内に出るルートがない陸の孤島なのだ。間をトンネルで繋げたいなぁ~って地図を見て思うのも無理はない。トンネル以外に国道と新御堂を繋ぐ道はものすごい曲がりくねった山道だけ。私の通学路だったが通勤バスが通れる道ではない。止々呂美に住む人たちや近くの能勢の住宅地(ときわ台)の人たちだって公共工事と都会の利便の恩恵を受ける権利はもちろんある。しかし、普通車600円。たぶん大赤字だろう。箕面の山の深さを知ってるから無駄な道路とは言わない。作った限りはちゃんと機能して役に立って欲しいもんだが、箕面森町は作るべきじゃなかった。だって少子化だもの。

 余談だが箕面国定公園はとても綺麗なところだ。身を浸すと本当に心が洗われる。でも里山のように自然を手入れしながら人が共存するのとは違い、観光地となった自然はもう本来の自然ではない。上の絵で緑の所は自然の縄張り(=山地)で、白い所は宅地(昔は農地)だ。絵の中の赤い●はおいらの実家のあたりだが、文明生活をしながら自然に触れ合おうという魂胆で緑のところに宅地が出来たのだ。箕面森町のキャッチコピーも「新御堂を抜けると自然がいっぱい」みたいな。触れ合おうと押し入った時点で既に壊していることになぜ気づかないのか。自然を大事にしたいなら人間が近寄らないことだ。

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