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日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

吉村昭著『夜明けの雷鳴ー医師高松凌雲 』を読了。

2017-07-29 09:25:47 | 
司馬遼太郎の『胡蝶の夢」を読んだ後、次に読もうと吉村昭の『暁の旅人』をチョイスしたけれど、主人公が同じ松本良順で、ぱらぱらと拾い読みはしたけれど、史実、資料に基づいているので、ダブってしまい、出会いの魅力が減殺されてしまうのです。
で、同じ吉村昭の『夜明けの雷鳴』のほうを読み始めました。
高松凌雲は松本良順を同時代の医師として知っています。両方とも幕末期幕臣の立場なので、政権変革時には官軍の敵側の立場です。
混乱のさなか、徳川勢力側へと行動しますが、松本良順は会津藩主松平容保に有能な蘭方医が無残に命を落とすのは惜しいとして、江戸への帰還を命じられます。30代の凌雲は榎本武陽らと箱館に向かい、五稜郭の戦いを野戦病院の医師として尽力を尽くします。
連日の戦で五稜郭界隈の徳川側のおびただしい敗死者が放置された状態だったとか。
無血開城という言葉も知っているけれど、実態はそんなものじゃない。徳川側の兵たちもどんどん寝返っては行くのだけれど、忠義をもって生きてきたものの筋道は複雑です。
これも知り得てよかった本です。
高松凌雲氏は日本赤十字の祖のような方だそうです。

忘れないように備忘録として、書き留めておきます。