転車台の見物を終えて、昼時になりました。天竜二俣駅には「ホームラン軒」という
ラーメン屋があるのですが、評判とあって満席。入り口の順番待ちで名前を書くと、
数組も前に待っている人たちがズラリ。天浜線は1時間に1本程度しか来ないので、
もうあきらめて先に進むことにしました。
やってきた電車に乗ると、次の二俣本町は500mほどですぐ近く。その次の目的地である
西鹿島も2㎞ちょっとくらいで、なんなら歩いてもよかったなあ。
ここで天竜川を渡ります。河口は広すぎて、御姫様たちには渡るのが大変。なので東海道を
進む際にはここまで北上して川を迂回し、大回りしてできたのがこの「姫街道」なのです。
たしかにこれくらいならなんとか着物でも渡れたと。
さて西鹿島駅に到着しました。ここから遠州鉄道鉄道線という、「鉄道」という言葉が
大好きな路線に乗り換えて浜松へ向かうわけです。1時間に1本しかない天浜線に比べて、
こちら遠州鉄道鉄道線(名前が長いので「西鹿島線」とか、赤い電車なので「赤電」とか
呼ばれるそうですが)は、なあんと1時間に何本も走っている。ローカル線なのにだいぶ
頑張っているようです。なので時刻表を撮影する必要もなく、町に歩き出す。
駅のすぐ近くにこんなレトロな食堂がありました。しかしやってない。焼きそばなー。
瓶ビールに合うのになー。
駅の近くには、あまり俺の趣味に合う店はなかった。結局ビールにも酒にも合わなそうな
カレーに使うこじゃれたスパイスを使った肉料理の定食を食べる。古ぼけた店の焼きそば
より、こういったオサレな店の料理のほうが、そりゃあ客が来るのでしょうね。
座っている席からは、こんな古いお茶屋さんが見えました。
さて今度は「赤電」。たしかに「赤い」が。。。
床にも「直虎ちゃん」と「家康くん」が。。。1時間に4~5本も走っているので、
最初は誰も乗っていませんでした。それでも3~4両編成だったか。天浜線とは雰囲気が
全然違うぞ?
田舎を走っていた天浜線に比べて、こちらはすぐに住宅地に入っていった。
あひゃー、アパートが迫っているよ。寝ている数メートル横を電車がひっきりなしか。
しばらく走ると高架線になり、乗客がとても増えてきました。都会の浜松とつながって
いるというわけだからか。向こうに見える高層ビルが、浜松駅付近なのだろう。
浜松駅にまで行くのは後にして、ひとつ前の「第一通り」という駅で降りました。
少し繁華街を歩いてみようと思ったのです。
転車台を体験したあとは「鉄道歴史館」を見学する。どこ?と思ったら、ホレ、わかりますか?
おそらくは倉庫や作業場になっていたエリアでしょう。入り口はよく見ないとわからない。
案内のおばちゃんが、鍵を開けて中を見せてくれました。
ほお、鉄道マニアならお宝がぎっしりだ。
レールね。「鉄道」というその名の通り、近代文明の象徴、鉄の重み。
昔の駅のベンチなあ~。アンティークとして家に置けたら素敵だろな。
この赤い機械は何に使われたのか?
切符にパンチを入れる道具なー。むかしは大混雑の駅でもひとりひとりやってたんだ
よなあ。
「中川礼二」って、すごく昔の人?と思ってスルーしてましたけど、いまぐぐったら
現在の吉本芸人なんだってねw
あ~、切符を入れておくところねー。私が子供の頃から大人になっても住んでいた東京
下町の地下鉄入谷駅は、東京で最後まで人が切符を売っていました。自動販売機じゃ
なかったんです。なので切符が厚い紙でした。いまみたいに機械に入れるペラペラの
やつじゃなかったんです。だから味わいがあったなあ。降りるときに切符を入れる箱も
最後まで木の箱でしたねえ。なのであるとき安っぽい青のプラスチックに変わったときは
言いようのない寂しさを感じたものです。
ピザでも焼けそうな暖炉(?)ですねえ。6人の「団体」で見学しているもんだから、
案内のおばちゃんは入り口で待っているし、ぐるりと回ったらすぐに出ることが無言で
促されました。たったこれだけの見学だったけれど、「団体」ってやだな、と思いました。
鉄道会社の事務室や休憩所を通過しながら駅に帰ります。正面に見えているのは高架式
貯水槽。蒸気機関車にどどっと水を供給するための施設です。ポッポー!
職員さんたちの共同浴場。早朝から夜遅くまで働くからなあ。ちょっと贅沢な空間で
リフレッシュしたのでしょうね。
そしてブラブラと駅に戻って終了となったのでした。
ここは天竜二俣駅。文化財の駅舎です。
信号機も郵便ポストもレトロで素敵。
駅前の駐輪場。木造でいいねえ。「見ているぞ!」って、なんで外人使うかなー。
そもそもこんな田舎で自転車泥棒がいるのだろうか。
さあて、転車台見学ツアーの開始です。この日の参加者は6名。子連れが多いね。
この木造の屋根も貴重だそうです。
電車は駅からすぐの転車台に向かいますが、その前に洗車台を通過します。
水が出てきて、巨大なタワシ(って呼んでいいのか?)がフル回転。
そしていよいよ転車台に乗ります。ちなみに私は500円払って「乗車コース」にしましたが、
200円の「歩いて転車台に行って見るだけコース」の人たちが外に立っていました。
ちなみに「乗車コース」の人も、あとで降りた後に電車が乗って回るところを見せて
くれます。そもそも今の電車はどっちの方向にも行けるので、転車台の意味はなくなって
おり、こうやって見学のためだけに動かしているのです。
転車台に行くときにはレールの上をスイッチバックして行ったので、運転手さんは2度3度
と車内を小走りで前後に移動していました。
転車台に電車が乗って、ぐるりと回ってくれました。ちなみに機能としては車両を180度
回すわけですが、見学客を乗せているのでサービスで360度、一周回ってくれました^^
車両が乗ったあと、左に見えている刑務所横に立っている監視塔というか、スキー場にある
リフトの切符確認の小屋みたいなやつに人が乗り、たぶん「GO!」と「STOP」ボタンしか
ないような気がするが、運転して(ハンドルもいらないしなぁ)進むわけです。
説明によると、この運転台は機関車の消滅と共にお役御免となり、いまや日本国内には
たぶんないそうです。でもここでは使っているので、日本中の鉄道会社に「まだ残って
いるところがあったらください!」と呼びかけたら、九州からこれが送られてきたそう
です。天浜線はこのマシンを新しく作るような余裕はないので、いずれこれを再生して
使う予定だそうです。
線路の切れているところをアップ。
一か所の車両倉庫は、このように下が空いています。車両を補修点検するのです。
汽車ポッポがずらりと並んでいるところが昔は見られたと。我が下町の南千住にも
これがあったそうですぞ。
上に電線がつながってるでしょ?電気のない時代には、手動で動かしたわけですね。
次の宿泊地、浜松へ向かいます。新幹線で行けば10分。東海道で行けば30分なのですが、
今回はこの天浜線を使います。
掛川から西へ海岸沿いに行くいわゆる東海道に対して、渡るのが大変な天竜川や浜名湖を
避けて行く北の迂回路を「姫街道」と言います。現在はその道には「天浜線」という路線が
あるのです。今回はその天浜線に乗って北上し、天竜川を渡ったところで「遠州鉄道鉄道線」
に乗り換えて南下し、浜松に一日がかりで行こうという計画です。新幹線なら10分かよ。
左の高い所には新幹線のホームが見えておりますが、こちら天浜線は1両です。
掛川駅から発車すると、すぐに郊外の「町中商店街キラー」のチェーン店がずらずらと
並んでいました。この画像は幼稚園かなー。
もうすぐにこういうキュートなローカル駅。
ちょっとこの日は雨模様。
「遠州森」という駅。そうです、ここが遠州森の石松のふるさと。「死ななきゃ治らない
バカ」ね^^;
列車のスピードも遅いから、景色を存分に楽しめる。新幹線よりいいよー。
あ~、お茶どころだからなあ~。
このあたりは柿も名産だそうですぞ。私は熟しきったとろけるような柿が好きです。完熟ね^^
ガリガリかたいのはヤ。茹で卵は半熟がいいな。先日練馬の夜の繁華街を歩いていたら、
チンピラみたいな呼び込みが「半熟!」と声をかけてきました。「熟女パブ」っつーのが
ありますが、そこは「もうちょっと若い」というウリなのでしょうね。そういえば最近
「干し柿」みたいな寂れたスナック行ってないなー。・・・何の話になってんだ?
「天竜二俣」に到着です。ここでね、天浜線の転車台や鉄道歴史館といった見所があるのです。
雨もどうやら止んだぞ^^
駅舎も文化財だそうです。
ここで「見学ツアー」に申し込みます。かわいいおねいさんが、ただの見学だと200円、
実際に列車に乗って転車台の上を回る体験ツアーだと500円で、いまは人数に余裕があると
おっしゃるので、せっかくだから500円のプレミアム・ツアーのほうに申し込みました。
駅の外には、以前に使われていた機関車が展示されていました。転車台って、こんなふうに
前にしか進めない車両を回転させるためにあります。いまの列車は両側に運転席があるので、
前も後ろもなく、転車台は必要ありません。でも文化財として残してあるのですねー。
それは次回に。
薄暗くなった商店街を、2軒目の酒場を探しながら歩いていると、コーヒー&ワイン?
待ってました、異世界への入り口系。
うおっ!船内?古い。凝っている。広い。誰も客がいない。
年配のマスターひとりの様子。
カウンターをアップに。しぶいでしょー。居酒屋「酒楽」はぎっしり満員だったのに、
掛川市民よ、なぜにこの「アカシア」に来ないのか?
ボックスになった席もゆったり座れるよー。マスターに「凝ってていい店ですねえ」と
言うと、少し照れながら「古いだけですよ♪」とご謙遜。
喫茶店メニューもひと通りありましたが、カクテルもあるので、ソルティー・ドッグを。
まったりいい時間を過ごしました。私は寝る前に濃いコーヒーを飲む習慣があるのですが、
ブランデー入りのコーヒーがあったので、それを注文。素晴らしい香り^^
酔っ払って薄暗い商店街を歩いていたら、煌々と電気がついているところがある。
塾でした。この日本どんな田舎町でも、シャッター通りでも塾だけは、やっているな。
場合によっては夜の9時や10時に閉店になる居酒屋より遅くまでやってたりする。
ヘロヘロに酔っ払って千鳥足のときに、かわいい小学生が勉強していたりすると、
おじさんはとても恥ずかしくなるんだよ!こんときも塾の教室がガラス張りになって
いやがって、外から見える、すなわちあちらからも見えるもんだから、お嬢ちゃんと
目が合っちまったじゃねえかっ!「働き方改革」じゃなくて、先に「勉強の仕方改革」を
やって、小学生は18時にもなったら勉強なんてしちゃいけないんじゃないか?
ついでに言おう。「飲み方改革」も断行し、居酒屋は15時には開店しておくことだ!
商店街からホテルへ向かうには、駅を通過しなければなりません。その駅にはコンビニが
あり、ちょっとのぞいてみたら、ご当地モノが充実していました。掛川は名古屋に近い
ので、カップ麺も「味噌煮込み」系があります。スナック菓子では「手羽先」も。
あ~、静岡県だもんだから、「うなぎパイ」系もあるのかー。さらにお茶ねー。
おお、これぞ地元の遠州金時。森の石松も食ったのか~?
こりゃまた名古屋になって、あんこ&バターね~。コメダ珈琲を思い出す。
というわけで、3次会はホテルで「ひとりおかしパーティー」になったのでした。