【公式HPはこちら↑】
【長文注意!】
事前情報を頂いたので、昨夜は10時過ぎにはテレビの前にスタンバイです。
NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」に「雪の茅舎」で知られる齋彌酒造店の高橋藤一杜氏が登場です。
「雪の茅舎」と言えば、山廃の旨口でありながら綺麗なお酒で、ウチも問屋仲間に分けて頂いたりしている良いお酒です。
番組は、そんな高橋杜氏のお酒に対する取り組みを中心にまとめられていて、雪の茅舎を飲んでみたい、と思わせます。さすがNHK。
確か10年くらい前に同じ番組で当時「常きげん」にいらした農口杜氏が特集されていましたが、ついついそれを思い出してしまいました。
(農口さんの場合、そこからさらにブレイクして、三段ロケット的に色々燃えたりしましたが、齋彌酒造店-高橋さんのタッグは静かに進みそうですね。当面は雪の茅舎は入手困難になりそうですが)
ただ、業界に足を突っ込んだ身からすると、NHKの番組構成にはいくつか気になる点がありました。
とりあえず4点ほど。
まず1点目は、内容が高橋杜氏を取材して記された、藤田 千恵子著「美酒の設計」とよく似ていること。
まじめに取材したら同じ内容になるというのもわかりますが、正直、深みにかけます。
それなら、他にもいらっしゃる、でもこれまでにメディアでは取り上げられていない名工に光を当てるのがメディア魂?ではないでしょうか。
◆
2点目としては、その本とも関係するのですが、冒頭、「のぼり蔵」という紹介がありました。
これは蔵が傾斜地にそのまま建っていて、かつその傾斜を生かして酒造りの工程を進めている、という話なのですが、その「のぼり蔵」という言葉、建築用語ではなく、恐らく使われているのは齋彌酒造店のみ。
上掲した書籍「美酒の設計」によれば、発酵博士の小泉武夫さんが蔵を訪れた際に「のぼり窯」に見立てて「のぼり蔵」としゃれて呼んだことから出た言葉のようですが、もしかしたら昨日の放送で一気に辞書に載ったりするのでしょうか。
(実際には窯と違い、「下っていること」を活かすので「下り窯」ですよね。NHK放送文化研究所の人が見たら嘆くだろうなぁ)
◆
そして3点目、高橋杜氏のすごさに「櫂入れ」をしないことが挙げられていて、新政さんなどもこれを称賛されていました。
「櫂入れ」は、発酵途上で酒母や醪などを櫂棒でかき混ぜる操作。
それをせず、自然対流で混ざるのを待ち、発酵を進めるというのは大変な技術なのですが、こう放映されてしまうと「櫂入れ=悪い」というイメージも感じてしまいます。
実際には「櫂入れ」も伝統的に培われてきた技術で、以前何かで「全ての蔵で櫂入れをしない方が良いというのではなく、蔵や酵母など、ウチの環境では櫂入れをしない方が出来が良いと思っている」と高橋杜氏がおっしゃっているというのも見たことがあります。
その辺り、ちゃんと伝えてほしいですね。
◆
長くなりましたが4点目。
雪の茅舎が売れるようになった、というくだりで、立ち呑み屋さんの風景となりました。
(お店は新橋の有名店「吟」です。普段から雪の茅舎や浦霞、酔鯨などニューウェーブ「ではない」名酒を揃えています。しかも老舗らしく本当に立呑み値段!)
そこで出たのは
「かなり女性は飲みやすいと思います」
確かに「山廃だけど綺麗で飲みやすい」とは思いますが、「女性は、、、」という表現の人を前面に出すのは、あまりに軽くないでしょうか。
プロデューサーさんの価値観・日本語感(日本酒観)がそうなのでしょうかね。
◆
と、ちょっと辛口(まあ、雪の茅舎も辛口だし)な疑問を呈しましたが、おまけの疑問。
NHKのホームページ含め事前情報では「吉田類が出演」となっていました。
ただ、実際には、冒頭で「何で高橋さんがこれまで(番組に)出ないのかと思っていた」としゃべる場面と、上で触れた新橋「吟」での乾杯のシーンのみ。
あれれ、他にも約二名、問屋仲間で知った顔が見えますよ。より正確に言うと、左と右の旦那です(いや、右と左の旦那でした。順序も大事)。
でも「出演者」にはなっていないなぁ、、、ですよね。
★★お酒に関する諸事万端のご相談を承っております(商品企画/情報提供/寄稿等)★★
★★★★酒・ブログランキングにエントリーしています★★★★
応援何卒よろしくお願い致します
応援のクリックを↑↑↑↑↑
【アルバイト・契約社員募集中!】
(1)飲食部門(フロアスタッフ兼新規開店企画)
(2)酒類営業部門(倉庫管理兼営業企画)
(3)酒類営業部門(通販管理)
日時・時間はご相談。正社員登用もあり。男女問いません。詳細は当社HPまで。