牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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樽職人さんが減っているようですが、そもそも産業として成立するのでしょうか

2019-03-04 13:01:29 | 酒の道具など
                           
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文化財、ですか。。。。


毎日新聞のwebニュースです。



灘の酒だる「技」保存 「文化財」文書、動画で伝承へ

日本酒生産量が全国一の阪神間の酒どころ「灘五郷」で、吉野杉を材料とし、くぎや接着剤を使わない酒だる作りを文書や動画で記録する取り組みが今春、本格化する。最盛期の大正時代、約1000人いた酒だる職人は現在6人。10年は修業が必要とされ、製作技術の継承が課題だ。国の文化審議会は2月、「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択するよう答申。工程をビデオカメラで撮影するなどし「文化財」として職人技の伝承を図る。(略)


酒屋にとってはなじみ深い「樽」。

「樽屋さんが減っている」というのはよく聞きますが、それでも鏡開き用の樽は現在でも(見た感じは)昔ながらの樽、です。

職人さんが減る、というのは需要と供給の問題というか、樽のコストが、、、という話なのでしょうが、ちょっと電卓を叩いてみましょう(以前も叩いた気がする)。

樽酒と言えば菊正宗さん、こちらの樽酒は4斗(72リットル)で117,150円。



中身はおそらく上撰
で、そうすると1升瓶で1,868円。4斗は40本ですから74,720円。差し引きの樽代は42,430円となります。

同様に2斗樽の場合は30,540円、1斗樽の場合は22,220円になります。

樽の作成に何時間かかるのかはよくわかりませんが、仮に1日に2斗樽を1樽とすると、年間200日で600万円。材料費や作業場のコストを考えると、割に合わない気がします。

一日に1個という仮定も含め、あまりに適当な計算ですが、ざっくり考えると、文化財の値段どころか、普通の工芸品の値段でもないですよね。

恐らく、「容器」ということで、値段が付かない(プライスレスというより、商品として見られていない)という考え方だったのかもしれません。そうなると産業としても成立しにくいですね。

そうであれば職人さんが減る、というのはもっともですが、酒樽、例えば菰を被った本荷樽の「菰」の方はビニール製に置き換わった蔵元さんも多い(白鷹さんは昔ながらの菰)ですが、樽はプラスチックや金属製というのは見ないですね。

職人さんがもっと減ると、そういう樽が出てくるのでしょうか?

ただ、その場合、樽香がつかないので、内側に杉の薄板を貼ったりするのかなぁ。

なかなか難しそうです。



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